1998年9月25日発売
ジャズ・ピアノの名匠同士のデュオ作品。演奏は何をかいわんやの世界。構えて聴く必要はゼロ、ただひたすら彼らのピアノ世界に浸りきれる。両者の演奏には何ともいえないブルースの響きがあり、ジャズ・ピアノの根源的な桃源郷へいざなってくれる。★
暴力、ドラッグなど、深い病に落ち込んでいくアメリカを憂い作られた、ブルーベックの異色作。60年代末からの傾向からすると自然な流れだが、聖書をテキストに、カンタータ形式を用いた手法は壮大で、ブルーベックの音楽家、人間としての変化が窺える大作。
幾何学的なアプローチで一つのドラミング・フォームを築いたローチの、より直情的、野生的なドラムが聴きもの。既知のスタイルはバップ的対応の産物ということだろう。そのローチらの奔放な演奏に乗ったホワイト以下22名によるゴスペルは感動的。
不思議にも今とほとんど変わらぬ歌声で、一声であのキャラクター人形のような笑顔が……。出色はヒット曲(3)(6)としっとりと歌われる(8)。ちなみに『真夏の夜のジャズ』が撮られたのが同年。レイの映像も当然あるはずで、そちらの発掘にも期待したいところ。
クール・ジャズの最高峰として知られるレニー・トリスターノ。55年録音のこの作品は、彼の魅力を最大限に生かすとともに、クール・ジャズの歴史的名盤としても名高い作品。初回限定盤。
コブハム、73年の出世作の日本初CD化。怒濤の超絶技巧ドラミングと、ロックを巧みに取り入れたサウンドが、当時は大きな話題を呼んだ。最近ではけっこうサンプリングのネタにも使われているようで、今になって再評価されている傑作アルバムである。★
90年代に入ってからはもっぱらジャズ・シンガーとしての活動がメインの彼女だが、ワールドワイド・デビューとなったこのアルバムはR&B、ソウル・テイスト色の強い仕上がりとなっている。スケールの大きいパンチの利いた歌声に圧倒される!
ジャズ、R&B、フュージョンの歌姫と知られるディー・ディーが、なんとも甘口のディスコ系フィリー・ソウルにトライした80年作。このチャカポコしたドラムの音、快活なストリングス、時代やなー。もっとも彼女の声自体は実に可愛らしいカンジで悪くない。