1999年12月18日発売
「無言歌」「無言歌」
ペライアの円熟を痛感させるアルバムだ。カンタータの旋律を含蓄深い歌いまわしで魅了するバッハ(ブゾーニ編)、端麗なピアニズムで十全な歌心を表出する出色の「無言歌」(15曲)、そしてメロメロに酔わせるシューベルトの歌(リスト編)。これは必聴!
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番&第3番ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番&第3番
室内オケをバックに弾く中村紘子のベートーヴェンは、とてもキメ細やかで軽やかなタッチが魅力。ダイナミックさや重厚さで聴かせる音楽とは別世界のような澄み切った響きが美しい。作為を感じさせない素直な表現が素敵だ。デビュー40周年の記念録音。
古今亭志ん朝1 朝日名人芸ライヴシリーズ1 お見立て/火焔太鼓古今亭志ん朝1 朝日名人芸ライヴシリーズ1 お見立て/火焔太鼓
志ん朝の話にはパワーがある。テンポのいい語り口、やわらかな気品、硬軟併せ持つ人間そのものの描き出し方には、ほれぼれとさせられる。おそらくこれがメジャーな落語なのだろう。99年にホールにて収録されたという録音状態の良さも特筆もの。気持ちのいい後味だ。
桂 文珍2 「蔵丁稚」「宿屋仇」桂 文珍2 「蔵丁稚」「宿屋仇」
みずから「枕の方が面白い」と認める文珍だが、近年は本篇の方も随分と味わいが深くなってきた。あちこちに枝雀の語り口の影響がみられるものの、現代の観客に合わせたアレンジも活きて、「蔵丁稚」のサゲのタイミングなど見事な呼吸といえるだろう。
しのびあるきのたそがれにしのびあるきのたそがれに
他界した村下孝蔵が残したプライベートな音源を基に制作されたアンソロジー。多くは本人のチェック用だったりしたもので、一部に今回のために楽器のダビングを施された作品もあるが、素顔の村下がそこにいることに変わりない。スタッフの深い愛情に支えられた追悼盤。
スタンダード・タイム Vol.1スタンダード・タイム Vol.1
今度は有名スタンダード曲集である。学究肌の名人道を行く技術と頭脳によるゆきわたった間違いのない逸品。洗練などというより、もっともコンテンポラリーな姿というべきだ。落ちつきはらったりしていない、スリルあるゆったりとした流れにうっとりだ。