1999年4月発売
最近ボーイ・ソプラノが人気だ。しかし“天使の歌声”の寿命は短い。前作でリードを務めたコナー・バロウズは、今回早くも弟にその座を譲った。エコー過剰の音作りは相変わらずだがそれも許そう。なぜならこの声に何かを求める人は少なからずいるのだから。
凝った段ボールジャケに入ったTOKYO No.1 SOUL SETのシングル。この人たちの音楽はなんつったらいいのか、いい意味で昔のフォークのような青臭さがあって、その一方で今風の賢さもある。バック・トラックの(3)、(4)だけ聴いてても説得力あるわあ。
72年に細野晴臣のプロデュースで『み空』をリリース後にアメリカに移住し90年代に入って本格的に音楽活動を開始、これが再開後4作目のアルバム。さまざまな人種のサラダ・ボウルであるサンフランシスコに暮す金延が見出した自分・世界観が率直に語られている。
ショパン没後150年だそうで、ロシア系(ダン・タイ・ソンはモスクワ音楽院出)ピアニストと日本人とが、ショパンの有名どころのタイトル付作品を演奏している。(7)はもちろん“大田胃酸”である。やっぱりダン・タイ・ソンとディーナ・ヨッフェがいいな。
サニーデイ・サービスの系譜をひく作風の新人バンドの第1作。オルタナ感覚のロック・サウンドが新しい。そこに見えるのは、はつらつとした青春像などではなく、屈折と閉塞感のある日常。彼らの作品に答えはないものの、もっと大切な聴き手の共感を得るに違いない。⇒♪くるり特集♪をチェック!
80年代初頭までのパンク/ハードコアを下敷きにした恒例路線に加え、NYハードコアなどを導入しあれこれ挑戦するが、全てが不滅のヒカゲ節の元に収束、彼の個性の強さが伝わる。しかも年を重ねど視点の付け所が全く変わっていない! 驚愕にすら値する。
45年ぶりに刊行された讃美歌集『讃美歌21』からの選曲によるCD。ハープほか多彩な楽器をバックに、多様な詩編が22曲歌われている。詩編は旧約聖書39巻中の一巻で150編の詩からなっている。詩編は神を賛美する歌だが、詩編の豊かさと楽しさが味わえる盤。
とても幻惑的かつ文学的な詞世界。なれどサウンドは、かなり重苦しい空気を持ったマイナー調なデジタル・ビート。悲壮感さえ漂う狂気的な歌声が、桃源郷的で摩訶不思議な物語の世界へと、心を誘っていく。まさにこれぞ、思いきり壊れたデジ・ポップだ!
ヴォーカル&ベース&ホーン・セクション(サックス、トランペット、トロンボーン)という男三人編成。いわゆる雑食系。いろんなジャンルの音楽のオイシイところをつまんで宇宙食とも原始食とも言い切れぬ不思議だけど気になるアッパー系ミュージック。
ファンクとポップとバラードという、彼の持つ三要素が抜かりなく散りばめられている。なかでもやはり大きいのはファンクだろう。ノリのいいリズム感で、気持ちよさそうにヴォーカルも跳ねている。シングルが4曲も入っているだけあって、キャッチーな作品。
ピアニスト岩崎叔は、自らが主宰するコンサート・シリーズで81年から毎年日本人作曲家に新作を委嘱し音楽の現代に積極的に関わり続けてきている。これはその80年代の集大成。一色に偏らぬ多様なスタイルの音楽が並ぶ。実に得難くも興味深い敬服の軌跡。