2002年8月21日発売
92年、渡辺貞夫と20年ぶりに再会した増尾が、その悦びをギターに込めたエポック・メイキングな作品。そこに(6)のヴォーカル・ヴァージョンを追補し、全曲をニュー・リミックス。ただでさえはずむようだった音楽の躍動感が、なお大きく震えるようになった。
93年11月、父ドリューの死後3ヵ月後に録音された注目作。ここでのジュニアの演奏には明らかにビル・エヴァンスの影響が色濃く投影され、ゴメスの参加が一層それを惹き立てている。意外に元気いっぱいのアグレッシヴなジュニアも聴ける。
知的な音楽を演奏するふたりのデュエットだけあって、演奏はどこまでも深遠な響きを追求するものとなった。それでいて独特のスウィング感も醸し出されているところが魅力だ。ビル・エヴァンスとジム・ホールのデュオに通ずる響きが安らぎを与えてくれる。
コンテンポラリー系と思われていたクライツァーがラリー・ゴールディングス(org)&バーナード・プリティ・パーディー(ds)とのトリオ編成で、意外や、オーソドックスなプレイを聴かせる94年の作品。ソニー・ロリンズをほうふつとさせる朗々たるソロが気持いい。
20世紀の初めに生み出された、ロマン派の残照を見るような佳作。しかも、2人の作曲家が老境に入ってからの曲だ。クラリネットとヴィオラがいくぶんくすんだ音色で温かみのあるメロディを歌う。秋の夜長、こんな渋くて味わいの深い響きを聴くのもいい。
デンマーク産のデス・メタル・バンド。2001年デビューだが早くもセカンド作が登場。スレイヤーら大御所をお手本に腕を磨いた彼らはピュア・スラッシュのスタイルでサウンドをクリエイト、かなり正統的なサウンドで迫ってくる。ジャンルを超越した点がオリジナルだ。
ベーシストだけ異なるふたつのピアノ・トリオで同じ曲をプレイし、“ブルー版”と“レッド版”の2枚を同時リリース。これはゲイリー・ピーコック版。当然ながら、他方のゴメスと違う“低音の魅力”でトリオに寄与。ピアノ・トリオの繊細さも分かる。
エディ・ゴメス、ビリー・ドラモンドとのトリオは“ワルツ”を題材とし不思議な空間の広がりを作り出す。ベースの録音法の違いがゴメスの未知の世界を引き出した。録音場所もあってヨーロッパのそれとは異なる“ニューヨーク・ワルツ”。