2004年9月15日発売
中華圏では絶大な人気を誇ったデュオ“無印良品”(笑)のビクター・ホワンが、解散後3枚目のソロ・アルバム。コブクロの「風」をカヴァーしたこともあるとかで、かなり日本のポップスに影響を受けているようだ。ただ、日本の歌手より歌い方が演歌チックかも(笑)。
2004年2月にデビューした女性シンガーのシングル(1)(10)を含む初アルバム。80年代のニューミュージック調のメロディ+ボサ・ノヴァ風のアレンジに、彼女の優しい声が乗っていて落ち着いて聴ける。GARNET CROWや松たか子に通じる繊細さが好きな人にオススメ。
バンド・サウンドにのせて力強さを際立たせた(1)は、サビの展開が印象的。恋心がもたらす光と影を表現した(2)、シャッフルのリズムが開放感を与える(3)も含め、前面に押し出された躍動感が、彼女の新たな魅力を引き出している。ヴォーカルの説得力もアップ。
ドミニク・ファリナッチの第3作。タイトル曲や(1)などの有名曲では相変わらずの堂々たる吹奏で唸らせ、(9)や変拍子曲(11)のオリジナルも提供している。バーンバウム、ワシントン、カーメン・イントレJr.のサポートも見事だ。じっくり耳を傾けたい秀作。★
1960年代初頭に彗星の如く登場し超短期間に名作を残した名門レーベル、タイム。粋でスウィンギーな魅力にあふれた本作は、まさにヴォーカル・ファン必携。再評価されるべき名盤のひとつ。
沖縄出身の歌姫・神谷千尋のセカンド・アルバム。民謡一家に生まれ、小さな頃から民謡に親しんできただけあって、歌のウマさは抜群。元ちとせらを連想させる沖縄民謡風の楽曲と情感のこもった力強いヴォーカルが重なり、思わず胸に熱いものがこみ上げてくる。
これがデビュー・シングルの4人組。「セカンドステージ」はアップめのビート感のある作品。「やがて」はスロー・ナンバー。どちらもつまるところはポジティヴなのだけど、どこか弱気なところもあっりして、しかしそこが人間味があって悪くない。
純直な歌唱が健康的すぎな感もあるが、北川の叙情的な、岩沢の奔放で前向きな詞曲のバランスが絶妙。二胡や楊琴を用いた(5)、ホーン・セクションが効きリズミカルな(7)、モータウン風の(12)と懐は深い。最後は2004年夏の五輪に花を添えた(13)で、とは決まりすぎです。