2005年10月発売
ハバナ ライヴ 2005ハバナ ライヴ 2005
最初の一音からしっとりと湿度を孕んで光と陰を明滅させる濃密な時間に引き込まれる。タメがココロにしみわたり、ノリがぴたり情動をたきつける。所は本場ハバナ。その耳の肥えた聴衆を、ブラヴォ、ぐいと乗せきってしまう大萩。冴えてしみじみ絶品ライヴ。★
グリーンスリーヴスグリーンスリーヴス
人声にこれほど近い楽器はないのではないか、と思わせる柔かいヴィブラートとダイナミクスが、ピアノと、またハープと一緒に伸縮自在の音楽を紡ぎだすさまに、ただ陶然とするばかり。フランス系作品との調和も実に素敵。「シチリアーノ」の入魂の旋律を聴け。★
ロミオ&ジュリエットロミオ&ジュリエット
彼女もまた、クラシック音楽の“今様”を目指すひとり。繊細な美声は、確かにポップなバッキング、プラグドの環境でこそ真価を発揮するタイプ。クラシック出身らしく、作品への愛情が強く伝わってくる歌だが、今一歩のアクがあると、より一般から評価されそう。
スペインスペイン
愛するロドリーゴの曲を中心にオール・スペインでまとめられたベスト盤。スペインという牙城に飛び込んで、日本人である自分を確認している。しっとりとした情感が音の隙間からにじみ出す……それこそが自信。彼女にとってもマイルストーンとなった録音だろう。