2005年12月発売
ECM的か否かは別として静寂な空間、前者ほどの温度の低さは感じない。5オクターヴのマリンバとピアノという、チック・コリア〜ゲイリー・バートンを想起させる編成で、採り上げたのがチックの曲ながら、静けさのなかにうねる個性的なウェイヴが展開。★
ドイツのシンガーによるスタンダード集。オーソドックスな歌唱でこれだけ魅力が発揮できるひとは近年珍しい。ワン・ホーン・カルテットによる伴奏もジャズ・ファン好みの内容に仕上がっている。派手さはないが手応えを感じるヴォーカル・アルバム。
嗅覚の鋭いNYCのジャズ愛好者の熱い視線を集めるドイツの知性派ピアノ・トリオ。耽美的リリシズムと透明感あふれるサウンドは、ECMの系譜に連なるものだが、ジャズの枠組みを超越するアグレッシヴな冒険心はロック・リスナーの心も射止めそうだ。
先にリリースされた『CANNIBAL ROCK』が“HOT”な部分をフィーチャーしたアルバムなら、本作は“COOL”。マルコス・ヴァーリ、葉加瀬太郎、鼓童らをゲストに迎え、オリジナリティのあるクラブ・サウンドを生み出している。
ご存じ、山下達郎、大貫妙子、伊藤銀次らが在籍していた名グループ、シュガー・ベイブが75年に発表した唯一無二の歴史的名盤の待望のCD化。以前のCD化の際とはボーナス・トラックも3曲入れ替わり、9曲に増えているのが嬉しい! ファン必携の一品。★
SBDの池田貴史やwyolicaのazumiらとのコラボやお笑い芸人ユニットのプロデュースなど、新たな活躍を見せるスネオヘアーのアルバム。タイトルしかり、彼にはせつなさや悔しさを織り交ぜた悲哀がよく似合う。アーティスト本人の力量を存分に発揮した会心作。
クラシックの旋律に合わせてヒップホップを歌うといった、このサンプリング全盛時代を象徴するスタイルは、警鐘とも思える斬新さ。意味深なタイトルもあって、全体の印象の謎は深まるばかりだが、歯切れのよい歌詞とヴォーカル力の高さがスッキリと聴かせてくれる。