2005年6月8日発売
ギルの創造性が80年代に入ってもまったく衰えていないことを伝えたライヴ2枚組。ユニークなブラス・アンサンブルとシンセサイザーを大胆に駆使したサウンド・テクスチャー。それでいながらビッグバンド・ジャズの楽しさも満喫させてくれる。
73年の初来日時に東京で録音したソロ・ピアノ作。強靱なタッチ、恐るべき集中力、出鱈目のようにも見えるが、実は緻密に構成された演奏。ここにはセシルらしさのすべてが凝縮されていて、聴く者を圧倒する。セシルが最も意気軒昂だった時代の記念碑的作品。
西直樹の、メリハリの利いたタッチでリズミカルに躍動するピアノが、世間で注目されるきっかけとなったデビュー作。ここには、彼の魅力が見事にパッケージされている。恩師・猪俣猛の繰り出すリズムをバックに快調にスウィングするピアノが心地良し。歌心も○だ。★
ベース奏者のババシンをリーダーとする1952年、カリフォルニアでのジャム・セッション。当時売り出し中のベイカーと、クリス、パーカーという人気アルト奏者二人が、同じステージ上で熱いバトルを展開している。歴史的および資料的価値も高い貴重なドキュメントだ。
フリー・インプロヴァイズによる“現代的解決”を目指すブラックストンにしては珍しく、スタンダード「オール・ザ・シングス・ユー・アー」を取り上げ自分の論理を適用しながら、構築と脱構築を繰り返している。デイヴ・ホランド以下メンバーも充実。
奄美大島出身のガールズ・ヴォーカル・トリオの4枚目のシングル。作詞はメンバーが担当している。ダンサブルなサウンドだけに終始せず、宇徳敬子作曲のポップなメロディを唄うことによって、かえってガーリーな雰囲気が際立つ。今後の成長が楽しみ。
ファースト・アルバム。ファンク、ブルース、ソウルを日本語に翻訳し、独特のイナタい感触の歌に仕上げている。粘っこい声でブルース・フィーリングあふれるヴォーカルが魅力的。タイトに引き締まったボトムやパワフルなホーンのバンド・サウンドも心地いい。
2001年6月の東京ドーム公演を終え、原点を再確認しつつ次の世界に足を踏み入れた、ゆずの現在に至るまでの軌跡を、2004年アテネ五輪中継でお茶の間にも知られるようになった(1)から全15曲でたどっている。飾り気のないポップな味が彼らの魅力と再確認。
シングル曲を中心に時系列でヒット曲を並べた2枚同時発売のベスト盤の1枚目。ファースト・シングル曲の(3)など懐かしく、声も若い。転機となった99年のアルバム『ゆずえん』から6曲を収録。20世紀末に路上から急成長した二人の足跡をたどれる。村上隆のイラストでジャケ買いもアリ。★
日本のインディ及びメジャー・シーンを自らの歩幅で渡り歩いて早15年。The Petebestの約3年8ヵ月ぶりとなるフル・アルバムは、より強靭になったバンド・サウンドを武器に、原点回帰なグッド・メロディが満載だ。
エイミー・マン、ロン・セクスミスが作詞で参加。クリス・ディフォードとのコンビ解消後の苦肉の策だったそうだが、甘さと皮肉っぽさが交錯する、独特の風合いを失っていないのはさすが。ランディ・ニューマンに取材した体験を歌った(9)もおもしろい。