音楽むすび | 2007年10月発売

オジェーは50歳前に惜しくも亡くなったフランス系アメリカ人の歌手。オペラやコンサートに幅広く活躍していた。本作は彼女の代表作のひとつで、とりわけ「女の愛と生涯」が聴きもの。ピアノも表情豊かで素晴しい。

4声部のソロと4手のピアノ、合唱という珍しい編成の作品だが、ワルツのリズムにのせて比較的素朴さをたたえた美しい曲集だ。本作では、素朴さを残しながらも適度な洗練さも持ち合わせた秀演を繰り広げている。

ロッチュはバッハも務めていたトマス教会の楽長。シュライヤー、オジェーやアダムらそうそうたるメンバーを擁し、教会の合唱団やゲヴァントハウス管らによって豊かな伝統を感じさせる演奏が展開されている。

ドイツの伝統的な演奏スタイルがしっかりと根付いていたころの録音。4名のソリストも素晴らしいが、合唱団が良い。オーケストラはメンバーを絞り小編成にして、親密なアンサンブルを聴かせている。

コッホは、旧東ドイツを代表する合唱指揮者で、バロック音楽や宗教音楽にも造詣が深かった。この人間臭い作品を、どっしりとした落ち着いた演奏で聴かせてくれる素晴らしい一枚だ。2人のソリストも秀逸。

ギリシャが誇るギタリスト、ガスG率いるバンドのデビュー作に、デモ・トラックを追加した来日記念盤。のっけからラストまで、マシンガンのようなガスGのギターがメロディアスに吹き荒れ、そして歌い狂う。スティーヴン・フレドリック（vo）の雄叫びも白眉。