2007年5月発売
ロシアのおとぎ話を題材とする作品を集めたアルバム。めったに聴くことのできないリャードフやチェレプニンらの珍しい作品が収録されており、ファンにはとても嬉しい一枚だ。
アダン晩年の作で今でも舞台でよく使用されるが、全曲の録音は珍しい。本作では弟子のドリーブが2曲追加した版を使用し、アダンのオリジナルにもっとも近い貴重な作品に仕上げている。
アダンの代表作で、ロマンティック・バレエの傑作として舞台での上演頻度も高い作品。バレエ音楽の第一人者としても有名なボニングがオリジナル・スコアから復元して録音した、学問的な価値も高い名盤だ。
アダンの弟子でもあるドリーブの代表作で、ホフマン原作の『自動人形』を主題とした話。他にロシア・バレエ団がらみのドビュッシーが2作収録され、ボニングとアンセルメというバレエの名手による指揮で聴かせてくれる。
プティパ時代のマリインスキー劇場の専属作曲家として活躍したミンクスの、代表作のひとつ「ラ・バヤデール」を中心とした作品集。わかりやすくて楽しめる音楽で、ボニングはオリジナルを尊重した演奏を披露している。
「パリの喜び」は、オッフェンバックのオペレッタの楽曲を組み合わせ、ロザンタールがバレエ曲に仕立てたもの。グノーは、伝説の美女たちが踊る場面での音楽として有名だ。デュトワの洒落た演奏が光っている。
デュトワが得意とするラヴェルの作品集で、バレエと関係が深い作品が収められている。モントリオール響の精緻で純度の高い演奏が上質なシャンパンを思わせる、彼らの代表的な録音だ。
「卒業舞踏会」は、ドラティが新ロシア・バレエ団のために、ヨハン・シュトラウスのあまり知られていない曲を素材に書いた作品。ウィーン・フィルを指揮しているところが聴きものだ。
1953年にチャイコフスキー博物館で発見された4曲の「パ・ド・ドゥ」を、第3幕に入れた完全なる全曲盤。デュトワによる演奏は、知的でシンフォニックな「白鳥の湖」を生んでいる。
チャイコフスキーの3大バレエ最後の作品。メルヘンチックで楽しく、小鳥の鳴き声のSEを入れるなどきわめて描写的で、聴くだけで情景が浮かぶようだ。グラズノフもツボを押さえた演奏を聴かせている。