2008年9月3日発売
世界最強のリズム・コンビによるアルバム。彼らが主宰するタクシー・プロダクションの歌手をフィーチャーしたもので、豪快なリズム・セクションの応酬を期待すると肩透かしを喰らうが、レゲエのコンピ盤としては安心して聴ける。阿波踊りの「ベイビー・トゥナイト」に思わず(笑)。
ブレハッチは芯のしっかりした簡潔な音を出す人だ。まず、ハイドンは非常に明快で、スピード感は最近注目のサイにも匹敵する。ベートーヴェンでは余裕のあるダイナミズムを見せ、モーツァルトでは軽やかさを過不足なく表現。将来が楽しみな逸材である。
2008年6月のエスビョルン・スヴェンソンの急死で活動終止したe.s.t.の実力を伝える遺作ライヴ。妥協のないテンションと新世代メロディが詰まった、本来の意味でのコンテンポラリー・ジャズ。構築から解体へ、解体から構築へ、一曲の中でジャズが産まれる。★
2008年9月のツアーにて解散となるSuper Butter Dog。1994年の結成以来、日本が誇るファンク・バンドとしての地位を確立してきた彼らのベスト・アルバムだ。新録曲「あいのわ」(映画『闘茶』主題歌)を含む全29曲を収録。
イム・ドンヒョク(84年生まれ)がバッハに取り組んだ。「ゴールドベルク変奏曲」はきれいに磨き上げられた演奏。明るく清潔感がある。どちらかといえばピアニスティックなブゾーニ編曲の「シャコンヌ」の方がイムの多彩なピアニズムがよく表われている。
ケミカル・ブラザーズによる初のベスト。すでにリリースされているシングル集と違うのは、二つの新曲が収録されていること。スパンク・ロックがMCを務めるヒップホップ・トラックをはじめ、キャリア10年にして新機軸へと果敢に挑戦する姿は感動的ですらある。
2007年にギタリストのサイモン・トングを除くオリジナル・メンバー4人によって再結成したザ・ヴァーヴ。約11年ぶりのアルバムとなる本作では、ジャムを通して作り上げたインパクト満点のブリティッシュ・ロックを収録している。
幾星霜を経て寄り添うのが当たり前になった夫婦の情景を歌いあげる瀬川瑛子。水島れいじ/中村典正という定番演歌の作家が作り上げただけに、彼女の持ち味である柔和な人柄とこころ根の優しさ、そして独特の鼻濁音の気持ちよさが十分に楽しめる一曲となった。
タイトル曲は作詞・作曲を本人が手がけた壮大な生命賛歌。生まれたことに感謝し、自然の美しさや四季の移り変わりに感謝する言葉を連ねたストレートな歌詞に、二胡のメロディやストリングスが感情を盛り立てる。「一人にはしないから」は心に寄り添って励ます歌詞と爽やかなメロディがマッチした。