2009年5月20日発売
高音伸びの美しいヴォーカルが映える、ドラマティックなバラード中心のカヴァー集。中でも今を見つめ直す「もう一度」、昔の恋人を歌う「駅」、不倫の「マンハッタン・キス」と、異なる着眼で恋愛模様が歌われた竹内まりやのカヴァーは、女性の強さや繊細さがヴォーカルによく表われており興味深い。
全盲ながら子育てをしつつ活動を続けるシンガー・ソングライターのメジャー・デビュー作。ハンディキャップがあるということは抜きに、柔和な歌声に聴き手の心が絆される純粋に美しい作品と評価したい。しっとりした曲がメインのなか、アイドル・ポップ風な快作「フラワー」が光る。
ジャンルを超えたスタイルで、ポップなサウンドを聴かせる男性5人組の2作目。2008年発売のボックス・セット収録作の単独リリースだ。小気味いい音世界に浸れるアルバムであり、追加収録された「ARIGATO〜未来を信じて」の岩崎宏美ヴォーカルが聴きもの。
歌舞伎町のクラブ「愛」のナンバーワン・ホストであり、甘い歌声を聴かせてくれるシンガーのデビュー・シングル。出身地の鹿児島の中心地を流れる川を舞台に、初恋の女性を想う男心を歌った切ないナンバーだ。
吉田正記念オーケストラが吉田作品をタンゴ・アレンジで聴かせるシリーズだ。フランク永井かと一瞬思わせる歌声で「有楽町で逢いましょう」を聴かせるのが編曲・指揮の大沢可直。都会派歌謡と呼ばれた一連の作品の演奏には、歌謡タンゴといった雰囲気もあって懐かしくもある。
挑発的でグラマラスなガレージ・ロックを追求し続ける3ピース、通算3枚目のフル・アルバム。菜花知美(vo,g)のざらついたド迫力ヴォーカルと、三人だけのグルーヴにこだわる生々しいサウンドとの合体に背筋がゾクゾクする。結成8年の貫禄あり。
劇的表現をあまり強調せず、バランスよくまとめ上げている。2004年からチェコ・ナショナル響の首席客演指揮者を務めるロータは、メロディを思い入れたっぷりに歌わせて陶酔感を醸すより、リズムをシャキシャキと歯切れよく刻んで高揚感を演出する方が得意なようだ。
20世紀初頭、ドイツで才能を開花させながら地歩を築く前に30にも届かぬ若さで夭逝した貴志の音楽は、新旧東西さまざまな要素が未だ渾然と混淆する。その貌の多彩さ得体の知れなさに大きな可能性を孕んで遺す。「仏陀」はまさに茫洋魁偉。“無国籍”の大作である。
近年、貴志康一の再評価が活発だ。本盤には彼のヴァイオリン曲6曲と歌曲7曲を収録。日本的雰囲気を醸し出すメロディアスな旋律とロマン派的話法が特長。非常に描写的で具象的で聴きやすい。ヴァイオリン曲は佳曲揃いでもっと演奏されるべきだろう。
28歳の若さで夭逝した貴志康一の代表作2作を収録している。ともに、小松二度目の録音。日本音楽の要素を取り入れたその音楽は、十分に抽象化されてはいないが、貴志の才能は随所にきらめいている。そのまま生きていれば山田耕筰を超えていたかも。演奏は文句ない出来。
夭折の天才作曲家・貴志康一が、1935年にベルリン・フィルを指揮した自作自演のSP盤からの復刻。日本の旋律を使って叙情的に描かれた「日本スケッチ」が興味深く聴ける。フルトヴェングラーに師事した指揮の腕も確かだったのだろう。演奏はきわめて充実している。
6年ぶりに期間限定で活動再開した記念の盤。ラジオ番組風の構成だが、実質的にはベスト盤で“書き下ろし”の「音セックス2009」もプラスされている。芝居がかった歌い方に思えるところもあるが、90年代の欧米のヘヴィなゴス系を消化したポップかつ妖しい音は面白い。
ライリー&フィッシャーのコンビに戻っての全曲オリジナル。お得意のブラジル風味ながら、本作はタイトルどおり、60年代ボッサの香りが主成分。シャカシャカと心地よいリズム、爽やかな歌声に加え、大幅にフィーチャーされた女性歌手ヘイゼル・シムの魅力的なこと!★
フィンランドのヘヴィ・メタル・バンド、ストラトヴァリウスの通算12枚目となるアルバム。メイン・コンポーザーだったギタリスト、ティモ・トルキの脱退という危機を乗り越えて生まれた意欲作だ。
フルート奏者、赤木りえの初のライヴ・アルバム。赤木のニュー・ユニット、フルーツ・ジャムでの録音だ。デューク・エリントンの「キャラバン」、ジェレミー・スタイグの「鳥肌(グーズ・バンプス)」、ハービー・ハンコックの「ウォーターメロン・マン」などを取りあげ、全編でグルーヴィでノリのいいパフォーマンスを展開する。
男性シンガーの作品を取り上げたカヴァー・アルバム。誰でも知っている曲から隠れた名曲までとても幅広い選曲で、いい歌を歌うのに理由は要らないということでNo Reason。スピッツやコブクロなど若い人の曲も見事に高橋真梨子の色になっている。