2009年5月20日発売
都会的で洗練された大人の女性の恋模様を歌うシンガー、内田あかりのシングル。「永遠の恋人(ひと)」はシャンソン風味のドラマティックなナンバー、「熟女炎上」は作家・伊集院静の作詞によるラヴ・ソングだ。
偉大なる古賀政男作の昭和歌謡が、心地よく味わい深いラテン・サウンドで生まれ変わり楽しませてくれる。2009年でデビュー50周年(68歳)の邦人ベテラン・ギタリストが、パンチョ・アマート(編曲)はじめ現地ミュージシャンと共演したキューバ録音。オリジナルも2曲収録。
戦前から戦後にかけて数々のヒット曲を生み出し、5000曲以上もの作品を世に送り続けた国民的作曲家、古賀政男。本作は彼のギタリストとしての一面を届けてくれるアルバムで、自らが生み出したメロディを巧みな演奏で披露している。
きよしの“演歌名曲コレクション”シリーズの10作目。彼自身の歌にはない情景・情感を、一味違ったきよし節で表現していく。カヴァー曲だからこそできる冒険・実験といえる歌唱を展開する。このシリーズできよしは歌唱表現の幅を広げたと納得できる。
高音伸びの美しいヴォーカルが映える、ドラマティックなバラード中心のカヴァー集。中でも今を見つめ直す「もう一度」、昔の恋人を歌う「駅」、不倫の「マンハッタン・キス」と、異なる着眼で恋愛模様が歌われた竹内まりやのカヴァーは、女性の強さや繊細さがヴォーカルによく表われており興味深い。
全盲ながら子育てをしつつ活動を続けるシンガー・ソングライターのメジャー・デビュー作。ハンディキャップがあるということは抜きに、柔和な歌声に聴き手の心が絆される純粋に美しい作品と評価したい。しっとりした曲がメインのなか、アイドル・ポップ風な快作「フラワー」が光る。
ジャンルを超えたスタイルで、ポップなサウンドを聴かせる男性5人組の2作目。2008年発売のボックス・セット収録作の単独リリースだ。小気味いい音世界に浸れるアルバムであり、追加収録された「ARIGATO〜未来を信じて」の岩崎宏美ヴォーカルが聴きもの。
歌舞伎町のクラブ「愛」のナンバーワン・ホストであり、甘い歌声を聴かせてくれるシンガーのデビュー・シングル。出身地の鹿児島の中心地を流れる川を舞台に、初恋の女性を想う男心を歌った切ないナンバーだ。
吉田正記念オーケストラが吉田作品をタンゴ・アレンジで聴かせるシリーズだ。フランク永井かと一瞬思わせる歌声で「有楽町で逢いましょう」を聴かせるのが編曲・指揮の大沢可直。都会派歌謡と呼ばれた一連の作品の演奏には、歌謡タンゴといった雰囲気もあって懐かしくもある。
挑発的でグラマラスなガレージ・ロックを追求し続ける3ピース、通算3枚目のフル・アルバム。菜花知美(vo,g)のざらついたド迫力ヴォーカルと、三人だけのグルーヴにこだわる生々しいサウンドとの合体に背筋がゾクゾクする。結成8年の貫禄あり。
劇的表現をあまり強調せず、バランスよくまとめ上げている。2004年からチェコ・ナショナル響の首席客演指揮者を務めるロータは、メロディを思い入れたっぷりに歌わせて陶酔感を醸すより、リズムをシャキシャキと歯切れよく刻んで高揚感を演出する方が得意なようだ。
20世紀初頭、ドイツで才能を開花させながら地歩を築く前に30にも届かぬ若さで夭逝した貴志の音楽は、新旧東西さまざまな要素が未だ渾然と混淆する。その貌の多彩さ得体の知れなさに大きな可能性を孕んで遺す。「仏陀」はまさに茫洋魁偉。“無国籍”の大作である。