2009年9月2日発売
5歳の頃から箏(生田流筝曲)を学び、数々の芸術祭で優秀賞を受賞してきた石垣清美のアルバム。「邦楽 音心会」結成から30周年を記念した作品で、長年にわたる活動が詰め込まれた内容となっている。
渡辺貞夫のちょうど70作目にあたるアルバム。ジェラルド・クレイトン(p)をはじめアメリカの若手ピアノ・トリオとの共演で、渡辺作曲のオリジナル曲を取りあげた。アコースティックなストレートアヘッド・ジャズでありながら、幅広い表現力を持つカルテットだ。
自作を集めたベスト・アルバム。帯に“静”の世界とあるように、メロディ・テンポともに穏やかな楽曲でほぼ全編が貫かれている。癒し感や入眠を求める人にうってつけの内容。新録音(「ゴールデン・ドーン(ピアノ・ヴァージョン)」「モーニング・トゥ・ザ・フューチャー」「柿の木の子守歌」「風が運ぶララバイ」はすべてピアノとのデュオ。爽やかなフェビアン・レザ・パネとの「モーニング・トゥ・ザ・フューチャー」が印象的。同時発売の『アパッショナータ』は、クラシックの名フレーズを素材としたもう一つのベスト盤。生楽器によるクロスオーヴァー・アレンジが心地よい。
制作・出演
LeoshSuarovsky / シンフォニア・フィンランディア / チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 / チャイコフスキー / 三宅礼子 / 川井郁子 / 朝川朋之 / 梯郁夫 / 渡辺峨山 / 菅井えり川井郁子のポピュラー・テイストのクラシック曲を収めたベスト盤。フィギュア・スケートのミシェル・クワンが使用した曲として一躍名を広めた「レッド・ヴァイオリン」ほか、情熱的な演奏が最大限に発揮された川井の「動」の世界がたっぷりと味わえる一枚。
宮古島方言でうたってきた下地勇のアルバム。曲やサウンドは島唄とは異なり、基本的にポップスだ。まるで洋楽を聴いている気分になるが、一方で「民衆の躍動」などではワールド・ミュージックかと思わせる不思議な響きが面白さを醸す。「偉大なるアメリカ石鹸」では、アメリカへの憧憬が見える。
全国三大民謡に数えられている郡上踊りの「かわさき」をモチーフにした楽曲。奥美濃の小京都・郡上八幡を舞台にお盆の徹夜踊りに興じる、映画のワン・シーンのような展開が美しい。しっとりとした情緒と風情が漂っている。
長期休養から復帰後、連続リリースとなる第3弾シングル。情念の人というイメージは変わらないが、かつての激しさは影を潜め、年齢を重ねたことによって生じたしっとりとした落ち着きを感じさせる。表現としても同じような変化が見え、力押しから、ある種のテクニックを駆使するようになったと思う。
特筆に価する「三・三・七」に耳を奪われるシングル。日本人固有のトラディショナルなリズム“三・三・七拍子”をここまで昇華した楽曲は初めて聴く。イントロのドゥービー・ブラザーズの「ロング・トレイン・ランニン」風ギターのリフにガツンときて、お手を拝借のMCで合いの手を打ってしまうYo!★
笑いあり感動あり、コテコテの大阪ノリをステージで爆発させる7人組。イロモノ的なイメージに反してCDではオーソドックスに、愛と友情を歌うメロディアスな歌ものが多い。レゲエとヒップホップをベースにロックやジャズっぽい要素も加え、着実に幅を広げた通算3枚目のアルバム。
“BENI”名義としては初となるフル・アルバム。時折挟み込まれる音楽的なキーワードと心象風景が一致する歌詞はもちろん、リリカルなバラード、アッパーなダンス・チューンといった音楽の手触りの中にも恋する女の子の喜怒哀楽が滲んでおり、アルバム全体で一編の恋愛小説を体現しているようだ。
制作・出演
ウォルター・スミス3 / ケンドリック・スコット / テレンス・ブランチャード / デリック・ホッジ / ドクター・コーネル・ウエスト / ビラル / ファビアン・アルマザン / リオーネル・ルエケコンコード復帰作でドクター・コーネル・ウエストを曲間の語りで、ビラルを「ジャーニー」「ホエン・ウィル・ユー・コール」でフィーチャー。ルエケの「バイアス」でのカリンバ風ピチカートの面白さ、全編で聴かせる乾いたそよ風ギターが良い。テレンスも吹き流さずに歌い語ろうとする。自作の小曲「いい娘を見つけた」の霊的荘厳さが好きだ。静かな軽やかさ厳かさが共存。