2010年12月15日発売
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
コバケンが齢70にして、やっとベートーヴェンの交響曲全集を作る気になった。これはその第1弾。待ってた甲斐があった出来で、今後が非常に楽しみだ。テンポは抑え気味で、緩急の設定、間の取り方、緊張感の持続など、細部にまで目の行き届いた見事な造形でドラマティックだ。音もまた良い。★
マーラー:交響曲第5番マーラー:交響曲第5番
マーラーが楽譜に書き込んだ響きの鮮明さを申し分なく再現した第5である。沈痛な表現は幾分影をひそめ、鬱屈した感情はアシュケナージによって解放され、妙なるカタルシスがもたらされる。終楽章のクライマックスも凄まじく、包まれる感動はきわめて深い。
フェアウェル・トゥ・アームズフェアウェル・トゥ・アームズ
2006年に加入したトニー・ミルズ参加3作目で、通算で12枚目のオリジナル・アルバム。開放感に満ちあふれながらもヘヴィなシャッフル・ナンバーの「エンジン」をはじめ、アグレッシヴなサウンドと往年のメロディアスなサウンドを融合、円熟期に入りながらもフレッシュな感性も兼ね備えた作品に仕上がっている。