音楽むすび | 2010年12月15日発売

2010年12月15日発売

エネスク:ピアノ四重奏曲集エネスク:ピアノ四重奏曲集

エネスコ:ピアノ四重奏曲集 ルーマニアの偉大なる作曲家エネスコは、自らの作品の中に巧みに民謡を織り交ぜ、特異な音楽を作り出した人です。初期の作品は若干ロマンティックな味付けが施されてはいるものの、至るところにルーマニアのリズムが顔を出したり、と興味深いものばかりです。  その中でも室内楽は特に重要な位置を占め、この2曲のピアノ四重奏も彼の作風の変遷を辿るにふさわしい大作となっています。1910年周辺に書かれた第1番は、フォーレの晩年の作品にも似たゆらめきのある作品。1944年に書かれた第2番は、もっと洗練されて、複雑で不可解です。第2楽章での夢幻的な響きが耳に残ります。(ナクソス・ジャパン) 【収録情報】 エネスコ: ・ピアノ四重奏曲第1番ニ長調 Op.16 ・ピアノ四重奏曲第2番ニ短調 Op.30  タンムーズ・ピアノ四重奏団   オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)、ダニエル・ゲーデ(ヴァイオリン)   ラルス・アンドレス・トムター(ヴィオラ)、グスタフ・リヴィニウス(チェロ)  録音時期:2009年  録音方式:デジタル Powered by HMV

フルトヴェングラー:交響曲 第2番 ホ短調フルトヴェングラー:交響曲 第2番 ホ短調

ヨッフム/フルトヴェングラー:交響曲第2番 ドイツの名指揮者、オイゲン・ヨッフム[1902-1987]による意外なレパートリーの登場です。  コンサートにオペラに戦前から大活躍したヨッフムは、1934年からハンブルクでオペラの音楽総監督とオーケストラの首席指揮者を兼任していましたが、1949年にはバイエルン放送局の音楽監督に任命されてミュンヘンに移り、バイエルン放送交響楽団の設立に尽力します。ヨッフムは同ポストに1960年まで在任、オーケストラをドイツ第1級の水準にまで育て上げると、今度はコンセルトヘボウ管の首席指揮者へと旅立つのでした。  当時のバイエルン放送響は、最初から人選が良かったのか、戦後間もない結成にもかかわらず水準が高いのが印象的。『カルメン』や『ボリス』の放送録音からドイツ・グラモフォンへのブルックナーやモーツァルトのセッション録音に至るまで、きわめて旺盛な活動を展開していた壮年期ヨッフムならではの意欲あふれる演奏の数々を現在も数多く聴くことができます(中でもブルックナーの5番は素晴らしい演奏)。  そんなヨッフムがここで指揮をしているのが、フルトヴェングラーの交響曲第2番です。巨匠渾身の力作である交響曲第2番は、長大で悲劇的な雰囲気を湛えた後期ロマン派風の巨大な作品で、晩年のフルトヴェングラーが演奏会やレコーディングでの紹介に熱心だったことでも知られています。1948年には、ヨッフムが首席指揮者として在任中のハンブルク・フィルに客演してこの曲を指揮しており、そうした背景もあって、このヨッフム指揮による演奏がおこなわれたのかもしれません。  フルトヴェングラーはこの演奏会の10日前、11月30日に亡くなっており、ヨッフムの悲嘆も大きかったと思われますが、それだけにここでの演奏も、敬愛する巨匠への哀悼の気持ちがいっぱいに込められた、実に深く素晴らしいものとなっています。この作品の紹介に非常に熱心だった、晩年のフルトヴェングラーの遺志をつぐかのようなシリアスな演奏です。放送録音だけあって、モノラルながら音質が良好なのも幸いでした。 【収録情報】 ・フルトヴェングラー:交響曲第2番ホ短調  バイエルン放送交響楽団  オイゲン・ヨッフム(指揮)  録音時期:1954年12月10日  録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール  録音方式:モノラル(ライヴ) Powered by HMV

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