2010年8月発売
L'Arc〜en〜Cielのギタリスト、Kenによるソロ・ミニ・アルバム。切ないメロディに突き抜けたギターの音色が重なる、激しさと繊細さが交錯する一枚。“音”に敬意を払う真摯な思いが、紡ぎ出される一つ一つの音から伝わってくる。
まったく趣の異なる自作の2曲をカップリングしたシングルで、両A面にふさわしい出来映えだ。「箱根塔之沢」は島崎藤村の小説『春』の舞台にもなっている箱根塔之沢で逢えぬ人に想いを寄せる本格的な演歌。対する「夢を下さい」は往年のアイドル歌謡的な作品で、彼女自身の歌声も若やいで聴こえる。
会津若松出身の4人組パンク・バンドによる5枚目のアルバム。日常に埋もれそうになりながらも“夢見る気持ち”を持ち続けるーーこのバンドの魅力である純粋かつ前向きな歌詞がさらに強調されている。シンプルにしてメロディアスなバンド・アンサンブルも、幅広いリスナーにアピールしそう。
“心地よい不思議なユニゾン・ハーモニー”というキャッチを持つ女性デュオのデビュー・シングル。サウンドは派手めなテクノ系であるにもかかわらず、彼女たちの飾り気のない素朴な歌声がマッチングして好感。カップリングに往年のアイドル河合奈保子と桜田淳子の曲を選んできたところも新鮮だ。
3ピース・ロック・バンドのアルバム。性急なテンポ、ポップな音づくり、素直で端正なメロディーーと典型的なメロコア・サウンドを聴かせる。歌詞が全部英語なのも特徴だが、訳を読むと結構いいこと歌ってるんで日本語にした方がいいのでは? というのは余計なおせっかいか。スカッとするぜ!
函館の4人組、ひのき屋のアルバム。チンドンとか、祭囃子とか、民謡とか、フォーク、歌謡曲、そうしたものをどんぶりに入れて軽くかき回したような音楽。時代を超えた存在感あり。もちろん、猥雑味や諧謔味もある。ライヴ感あるな、と思ったら、ライヴ音源が混ざっていた。
函館でひのき屋を率いて活躍するソガ直人のソロ・アルバム。タイトルどおり、バルカン半島の国々を旅した記憶を篠笛、鍵盤ハーモニカなどで綴ったインストの一品。随所にS.E.を駆使した作りがそこはかとない旅情を誘う。ワールド・ミュージック的な味わいもイイ。★
ジャズ・サックス奏者の坂田明を父にもつドラマー・坂田学と、活躍の場を海外にまで広げるギタリストのMARRON(田中康彦)のユニットのアルバム。エレクトロニカ、アンビエントな音世界を出発点にし、ラテン、カリプソ、サーフ・ミュージックまで飲み込んだ、マジカルな展開が面白い。
ギターとドラムに新メンバーを迎えたノルウェーの4人組ギター・ポップ・バンドのセカンド。80年代の英ネオアコ・グループを連想させるイノセントな歌メロとポップな電子音を重ねた「マネキン・ウェイクス」をはじめ、女性ヴォーカルをフィーチャーしたナンバーなど、カラフルながら透明感あふれるサウンドが魅力的。
制作・出演
G.Giordani / KaoruKuroki / KazuoWatanabe / KoujiHaijima / KumikoOzawa / N.Minato / SayakaKunori / YoshiakiTomoda / YukioKatou / 新垣勉 / 重松聡全盲のテノール歌手・新垣勉の歌手生活30周年記念アルバム。デビュー・アルバム『さとうきび畑』、シングル「さとうきび畑」「母三章」を1枚にまとめている。廃盤となっていただけに、ファンには朗報となるだろう。