2010年9月発売
1970年に発表されたフォーク・アルバムをBlu-specCD化。吉田拓郎のデビュー曲「イメージの詩」ほか、フォークの原点といえる曲を収録。曲間には、1969年10月21日に新宿西口広場で起きた、反戦フォーク集会の生々しい実況録音を収録。
技のキレにも音色の煌きにも歌いまわしの巧みさにもつかぬ。このショパン、とにかく奔らない。月並みなほどの名曲を集めながら華やぎほどほど。かわりに、意外なところで情を静めて旋律の背後の物思いに身を寄せる。ライヴでなお弾き放たぬ舟歌。ユニークだ。
「朝の国から」などキム・ヨンジャの曲を数多く手掛けた作詞家、吉岡治が2010年5月に逝去。吉岡を偲んでキム・ヨンジャが歌った楽曲を集めたのが本作。9曲に加え、7曲のカラオケで構成。名曲「天城越え」も収録。切なさを歌い上げるキム・ヨンジャの歌声が、余計に哀しみを誘う。
ソフト・ロック系バンドのヴォーカリストを夫に持つ宮崎正子のデビュー・アルバム。ステージでも歌っていたジャズやソウル系の名曲をライト&メロウにアレンジしてカヴァー。艶のある声を見事に生かしている。
ECMで知名度を高めた後、日本のDIWで発表した80年代の作品。エリントンやフェラ・クティ、ジミヘンなど、よく知られた楽曲をピックアップした興味深い作品で、時代の壁を超えるAECらしい内容。
アヴァンギャルドなジャズ・アンサンブルによる80年代作品。日本のDIWレーベルに残したものだが、彼らの名を広めたECMの諸作に近い作風。実際、レコーディングはニューヨークで行なわれている。
AECが地元シカゴで89年に吹き込んだ一作。基本的にフリーなので特別オリジナルらしさは感じさせないが、20分を超える長尺曲も含み、生々しいパワフルさは十分感じられる。70年代の音ともさほど離れてはいない。
沖縄出身のシンガー・ソングライターのセカンド・シングル。ゴスペルに影響された彼女だけに、その歌声は華奢なルックスからは想像つかないほどふくよかで潤いたっぷり。無理のない歌唱は、ゆったりグルーヴするこのナンバーにもフィットし、リスナーに穏やかな心地よさをもたらすはず。
加古隆が新たに結成したクラシカル・アンサンブルのデビュー作。結成の経緯はライナーに詳しい。三人の弦楽器メンバーは、長い間にわたって加古と共演を続けてきた顔ぶれだけに、イメージの共有は完璧だ。ピアノ・ソロ同様の緩やかな音楽に、輪郭とうねりを加えている。ひたすらに美しい。