2018年4月発売
16世紀末スペインの修道院での聖母マリアへのミサを再現 中世〜ルネサンス音楽を専門とするドイツのピリオド楽器管楽アンサンブル「カペラ・デ・ラ・トーレ」。2005年にミュンヘン生まれのオーボエ奏者カタリーナ・ボイムルによって創設され、16世紀スペインの作曲家フランシスコ・デ・ラ・トーレの名前と、中世の吟遊詩人が塔から音楽を奏でた故事にちなむスペイン語の「デ・ラ・トーレ(=塔の上から)」をかけて命名されています。実際に当時のニュルンベルクで活躍した音楽隊とほぼ同じ編成で、歴史的な演奏を実践する専門集団として高い評価を得ています。 そしてバルボラ・カバートコヴァーによって2008年に結成された女声アンサンブル「ティブルティナ・アンサンブル」は、中世から現代までのポリフォニック音楽を正しい言語の研究や解釈によって、高評価を得ています。 ここでの音楽はすべて聖母マリアに関連したもので、この2つのアンサンブルの合同セッションによるものです。16世紀末スペインの修道院での聖母マリアへのミサの時に聞かれるような音楽が選ばれています。ここでの中心となる曲は、ビクトリアのミサ曲『わたしは美しいものを見た』で、「わたしは鳩のように美しいものが水の流れの上を昇っていくのを見た。彼女を囲っているのは薔薇の花、そして谷の百合」という歌詞は、まさに聖母マリアをイメージさせる言葉で、聖母の祝日に歌われるものです。この時代、修道院で日常歌われていたのは、単旋律の聖歌でしたが、当時最先端の音楽形式であったポリフォニーを取り入れた多声音楽にも興味が向けられていました。修道院では男性による歌声は厳しく禁じられていたため、テノールとバス・パートは、トロンボーンやリードなどの楽器に置き換えられました。このアルバムの演奏では、こうした要素までを再現し、16世紀末の修道院に深々と響き渡った、美しい音楽を現代に鮮烈によみがえらせています。(輸入元情報) 【収録情報】 1. アウグスティン・バッサーノ[1545-1604]:パヴァーヌ第1番 2. ビクトリア[1548-1611]:『わたしを清めてください』 3. グレゴリオ聖歌:入祭唱『すべての者よ、喜ぼう』 4. ビクトリア:ミサ『わたしは美しいものを見た』より「キリエ」 5. ビクトリア:ミサ『わたしは美しいものを見た』より「グローリア」 6. グレゴリオ聖歌:『聖処女マリアのレクツィオ』 7. グレゴリオ聖歌:グラドゥアーレ『真実のゆえに』 8. ビクトリア:ミサ『わたしは美しいものを見た』より「クレド」 9. ビクトリア:アンティフォン『救い主のうるわしき母』 10. グレゴリオ聖歌:オッフェルトリウム『マリアは天に昇られた』 11. ビクトリア:ミサ『わたしは美しいものを見た』より「サンクトゥスとベネディクトゥス」 12. ビクトリア:『アヴェ・マリア』 13. ビクトリア:ミサ『わたしは美しいものを見た』より「アニュス・デイ」 14. グレゴリオ聖歌:コンムニオ『マリアは正しい選択をした』 15. ビクトリア:『天の女王、喜びませ』(5声) 16. ビクトリア:『天の女王、喜びませ』(8声) 17. グレゴリオ聖歌:イムヌス『めでたし、海の星』 18. ビクトリア:『あなたは何者にもまして美しい』 19. ビクトリア:第8旋法によるマニフィカト 20. フランシスコ・デ・ラ・トーレ[1483-1507]:『主よ、あなたをあがめ』 ティブルティナ・アンサンブル(指揮バルボラ・カバートコヴァー) カペラ・デ・ラ・トーレ(指揮:カタリーナ・ボイムル 録音時期:2017年6月 録音場所:ドイツ、アウハウゼン修道院教会 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション) Powered by HMV
ポーキュパイン・トゥリーのスティーヴン・ウィルソン率いる気鋭のレーベル、 Kscope所属の次世代プログレッシヴ・メタル・バンド、テッセラクトの4thアルバム『ゾンダー』完成! テッセラクトは、英国の首都ロンドン北西部にあるミルトンキーンズ出身の5人組。 ギタリストのアクル・カーニーを中心に 2003 年に結成された。現在まで繋がるラインナップが完成したのは2007年で、 この頃には早くも後のデビュー・アルバム『ワン』の原型を含む4曲入りデモを制作している。 2010年にデビューEP『コンシーリング・フェイト』、2011年にファースト・アルバム『ワン』をリリースすると、 すぐにメシュガーやペリフェリーなどに代表される“Djent(ジェント)”ムーヴメントのネクスト・ジェネレーションとして 多くの注目と期待が集まる。グルーヴィーなリフと変則リズムによるプログレッシヴ・メタル的要素の中に、 オルタナティヴ的アート性やアトモスフェリックな浮遊感を取り入れた音楽性のテッセラクトは、 早い段階から独自の世界を構築しており、Djent勢の中でも頭ひとつ抜けた存在であった。 ヴォーカリストがダニエル・トンプキンスからアッシュ・オハラに交代し、2013年に『アルタード・ ステイト』、 2014年6月には再びダニエル・トンプキンスが参加し2015年に初のライヴDVD/CD『オデッセイ/スカラ』と サード・アルバム『ポラリス』を発表、バンドは着実に進化を遂げてきた。 これまでリリースされた3枚のフルレングス・アルバムはどの作品も高水準の内容で、そのエクスペリメンタルな音楽性は 様々なジャンルのメディアやリスナーから高評価を得ている。特にダニエルの復帰作となった前作のサード・アルバムは、 これまでプログレッシヴ・メタル・バンドのSkyhabour、ポップ・ロック・バンドのIn Colourなど、 数多くのバンドやプロジェクトに関わってきた経験豊富なヴォーカリストならではのエモーションを感じさせ、 バンド全体のさらなる成長、広がりをみせた充実作となった。 そして今回リリースされるのは現代プログレの名門、Kscopeレーベル移籍第2作目のアルバム『ゾンダー』だ。 先行シングル「ルーミナリー」で展開されているのは、静と動の輪郭を明瞭にした緻密なアレンジ、 そこにクリーン・ヴォイスと激しい声を組み合わせたヴォーカルが乗ることによって増幅されるエモーションであった。 この1曲だけでもバンドの魅力を最大限に生かしつつ、新たな境地に達しようとするバンドの意欲的な姿勢が見て取れるはず。 テッセラクトが、いよいよDjentの向こう 側に辿り着いたかのような印象すら受ける。 2000年代初期にスウェーデンのエクストリーム・メタル・バンド、Meshuggahのギタリスト、Fredrik Thordendalによる造語として発生し、 プログレッシヴ・メタルから派生したヘヴィ・メタルのジャンルのひとつとして認知されたDjentであるが、 そのジャンルの中でも年月を経て、様々なバンドがそれぞれの進化を遂げてきた。テッセラクトは、先人達が切り拓いてきた 音楽をすべて飲み込み、独自の解釈でアウトプットしている。7弦ギターを駆使し変拍子を織り交ぜた複雑なリズムによって 生み出される独特のグルーヴ、鉄壁のアンサンブルから繰り広げられるエクスペリメンタルな音空間、 そして作品全体を包み込む英国特有の湿り気を帯びた空気感などが、彼らのオリジナリティであり、魅力となっている。 最新作『ゾンダー』は、そんな彼らの魅力が凝縮された、2018年の大注目作である。 【メンバー】 アクル・カーニー(ギター) ジェイムズ・モンティース(ギター) ジェイミー・ポストーンズ(ドラムス) ダニエル・トンプキンス(ヴォーカル) アモス・ウィリアムス(ベース)