2019年12月27日発売
18年に急逝したジーノ・ロート。ウリ・ジョン・ロートの実弟でもあるジーノの紡ぎだす美しいメロディは、ここ日本でも多くの音楽ファンの心を揺さぶってきた。 彼と長年活動を共にしてきたマイケル・フレクシグの手によって編まれた本作は、86年のデビュー前から90年代に行われたセッションまでを収録。 ジーノの才能を余すことなく伝える内容。未発表テイク5曲を含む全19曲収録。 ウリ・ジョン・ロートの実弟、ジーノ・ロート。 残念ながら2018年2月、61歳の若さの若さでこの世を去ってしまったジーノだが、彼が生み出した美しい曲の数々は、我々に感動を与え続けている。 そんな名曲群に命の火を灯し続け、さらに多くの人の耳に届けたい。 (バンドとしての)ジーノに初代ヴォーカリストとして参加していたマイケル・フレクシグの思いが、この度『キーパー・オブ・ザ・フレイム』というアルバムとして結実した。 本作は単なる曲の寄せ集めなどではない。マイケルには、「ジーノの名曲をオリジナル・バージョンの本物のサウンドで聴いてもらいたい」という強い思いがあった。 彼の手でコンパイルされた本作には、86年のデビュー・アルバム『Zeno』製作以前に行われた3回のセッションでレコーディングされた名曲たちの「初期ヴァージョン」が多数収録されている。 これらのうちのいくつかは、過去にも『Zenology』などの未発表曲集においても聴くことができた。だがマイケルによれば、これらは「リマスター」と謳われつつも、実際は「リミックス」が施されており、「バンドの当時の意図とは離れた内容になってしまっていた」という。 当時の意図を再現することを主眼とした本作においては、すべてオリジナルのミックスを保持。 最適なサウンドとなるよう、控えめなマスタリングのみが施されている。当時数多くの巨大レーベルが驚愕し、桁外れのオファーをするきっかけとなったジーノの初期レコーディング。それが時を超え、21世紀に蘇ったのだ。 それだけではない。本作には87年にスタッカート・スタジオで行われたセッション、セカンド・アルバム『Listen to the Light』として結実した90年代のセッションからの楽曲も収録。トータル19曲というボリュームになっている。 うち5曲が未発表テイク。中でも「イズ・イット・ラヴ」のマイケル・フレクシグ・ヴォーカル・ヴァージョンは初出のお宝だ。 また海外盤と日本盤では多少内容が異なり(9〜11)、特に10と11はこの日本盤でしか聴けない貴重なテイクになっている。 ここ日本とも強いつながりを持っていたジーノ。マイケル・フレクシグの手によって、名曲の数々に新たな命が吹き込まれたのは、ファンにとっても非常に喜ばしいこと。デビュー・アルバム製作に向けてジーノというバンドが最も乗りに乗っていた時期のドキュメントとも言える本作からは、彼らがアーティストとしてピュアに音楽に向き合う姿が浮き上がってくる。繰り返しになるが、『キーパー・オブ・ザ・フレイム』は単なるコンピレーション盤などでは到底ない。 長年のジーノ・ファンにとっても、まったく新たな聴取体験となることは間違いない。 マイケル・フレクシグ本人による全曲解説も付属。 【メンバー】 マイケル・フレクシグ(ヴォーカル) ジーノ・ロート(ギター) ヘルゲ・エンゲルケ(ギター) ウレ・リトゲン(ベース) CC・ベーレンス(ドラムス) フィリップ・カンダス(ドラムス) ルディー・キー(ドラムス) アヒム・キルシュニング(キーボード) レイナー・プルジワラ(キーボード)