著者 : エッシー・サマーズ
「きみは誰だ?ぼくの家で何をしている?」見知らぬ男性に激怒され、寝巻き姿のジョスリンはうろたえた。ゆうべ濃霧で道に迷った末、景勝地の知人宅に辿り着いたはずだったが、どうやら入る家を間違えてしまったようだ。話すうち、マグナスと名乗る裕福な彼とは遠戚関係にあることがわかり、驚くことに、彼は住み込みでナニーをしてくれないかと言いだした。求職中の彼女は喜んで引き受け、やがて彼に淡い恋心を抱くようになる。彼にとって私は、弟の遺児たちの世話係にすぎないというのに…。日増しに募る切なさを押し隠し、懸命に働き続けるジョスリンの前にある日突然、マグナスの元婚約者だという女性が現れて…。
父の死後、家族を支えるため身を粉にして働くプリシラは、昼間は社長秘書、家に帰れば家事や姉の子育てを手伝う毎日。そんな生活も、姉の再婚を見届けた1年後に終わりを告げた。悩んだ末に、社長のピーター・B・ロックハートに辞職を願い出たのだ。それは、届かぬ恋心を隠して彼のそばで働くのがつらかったから。心機一転、プリシラはさる老婦人の屋敷で住み込みの子守りの職を得る。老婦人が言うには、知人の子を預かることになったはいいが、“いやみなバーナバス”と陰で呼んでいる甥から反対されているらしい。ある日、玄関前に派手な新車が停まり、噂の人物の登場かと思われた。だがそこに現れたのは、その名もピーター・バーナバス・ロックハート、彼女が未練を断ち切ったつもりでいた元上司の姿だった!
養子のメレディスがようやく見つけた実の母は、親子の名乗りをあげてまもなく、重い病で帰らぬ人となった。だが、娘の存在を知らない実の父がまだ健在だとわかると、彼女はルーツを探るため、素性を隠して父の住む地に求職広告を出した。首尾よく、さる屋敷で雇われることになるが、そこにはメレディスの心をかき乱す男性が暮らしていた。名をガレスというその人は、彼女の血の繋がらない兄だったのだ!ガレスは彼女の亡き母を嫌い、先の訃報にも安堵したと言い放つ。人知れずメレディスは傷つき、腹を立てたー義兄のひどい言葉に。そして、そんな彼を憎からず思ってしまう自分に。
“そもそも君に近づいたのは、金のためだった”ある日突然、ロウィーナは心変わりした元婚約者から婚約破棄された。評判とプライドを粉々に打ち砕かれた彼女は心に決めるーたった20ポンドを手に、よその国で出自を隠して働き、家柄や財産とは関係なく生きていこう、と。やがて、目の不自由な老婦人のつき添いの仕事を見つけ、ロウィーナは故郷イギリスからはるばる海外へ渡った。雇い主の老婦人がいい人だとわかって安心したのもつかの間、その甥で広大な地所を相続するフォレストが、会って早々に言い放った。「これまでのつき添いのように、僕の妻の座を狙っても無駄だぞ!」