著者 : エマ・ダーシー
私の愛した人でないのなら、 あなたはいったい、誰なの? 3歳半の息子を独りで育てるジュネヴラは、ロンドンの超一流ホテルで 見覚えのある長身の後ろ姿に目を奪われ、思わず叫んだ。「ルーク!」 4年前に燃えるような恋に落ち、幸せの絶頂で姿を消した人。 必ず戻ってくると信じて待ち続けた、私の愛しい、息子の父親……。 ゆっくり振り向いたその男性の顔にはしかし、むごたらしい傷跡が。 「人違いをなさっているようですね、お嬢さん」 アメリカで出版業を営むクリスチャン・ネモと名乗った彼こそ、 彼女をこのホテルに呼び出した仕事の取引相手だった。 けれども、ジュネヴラには彼がルークとしか思えなかった。 ルークの背中には、ほくろがあったはず。それを確かめられたら……。 大作家エマ・ダーシーが1980年代に描いた、劇的なシークレットベビー・ロマンスをお贈りします。愛しのルークの背中にはほくろがあったはずだと思い出したジュネヴラ。やがてクリスチャン・ネモの背中に触れるチャンスが訪れますが、驚きの結果が……。
この子は絶対渡さないーー誰にも明かさず 密やかに産み落とした、あなたとの絆の証。 「君に会いたいんだ、テス」 その一言は、心の奥に封じたテスの記憶を乱暴にかき乱した。 プレイボーイとして知られる実業家、ニックーー かつて一夜だけ、彼と燃えるような情熱を分かち合った。 けれど翌朝、彼は涼しい顔で告げたのだ。 “仕事の関係に戻ろう”と。 なのに今、なぜ突然こんな電話を? 胸に湧き上がるのは期待ではなく、恐れだった。 まさか、ニックに知られてしまったの? あの子のことをーー 誰にも告げず、2カ月前に産んだ彼の子のことを。 傲然と光った愛しい男性の瞳に気づき、隠していた秘密を見透かされたように感じて、ヒロインは息をのみ……。家庭の温かさを知らずに育った二人の心の傷が癒されていく過程が丹念に綴られます。巨匠エマ・ダーシーが描く、傷ついた魂の再生物語。
最愛の夫だったーー 陰で裏切られていたと知るまでは。 3年前、ジョアンナの幸せだったはずの結婚生活は、 夫の浮気相手が現れ、妊娠したと告げたことで破綻した。 心の片隅に居座る彼の影が消えなくて、それからずっと胸が苦しかった。 そして今、彼女は元夫のロリーが社長を務める会社を訪れた。 もし彼と再会しても冷静でいられたら、私はつらい過去を乗り越え、 新しい未来に向かって歩きだせると思えるはずだから。 けれど、事業に成功して確かな自信をまとったロリーを見たとたん、 ジョアンナの胸は情けないほど高鳴り、頬も赤く染まった。 だが、ロリーはかつての別れ際を思い起こし、蔑むように言い放った! 「あのとき、あれほど誇り高く拒んだ金を、今さら欲しくなったのか?」 お金のために結婚したのでも、離婚したのでもないと答えたジョアンナが、別の人と再婚すると知らせたとたん、ロリーの顔色が一変。「ぼくをもう愛していないかどうか知りたいなら、はっきりさせてあげるよ」そう言って、彼は巧みに元妻の唇と理性を奪って……。
真実の愛は、寝室の扉ではなく、 心の扉を開かないと確かめられない……。 ターニャが大富豪のレイフと結婚して、もうすぐ2年が経つ。 燃えさかる情熱で結ばれたはずなのに、ターニャの不満は募る一方だった。 レイフが妻に求めているのは、ベッドで果たす役割だけ。 心を開いて語り合ったことは一度もない。 もっと彼のことをわかりたいし、わたしのこともわかってほしいのに。 それに、レイフはまだ早いと言って子どももほしがらないし、 彼の秘書が彼に横恋慕しているようなのが不安なので、 そのことを話し合おうとしても取り合ってくれないのだ。 ターニャがあの手この手で気を引こうとすればするほど、 彼がますます心を閉ざすことに絶望し、家出を決行すると……。 レイフへの想いは少しも変わらないけれど、彼にとって自分はただの所有物でしかなく、このまま人形のように生きるのが嫌で行動を起こしたターニャ。愛し愛されて結婚したはずなのに、いつしか岐路に立たされていた夫婦の愛の復活を描いた名作をお届けします。
メレディスはある小包を待ちわびながら、不安を募らせていた。13年前に手放さざるをえなかった娘の成長を知るすべは、養母が送ってくれる写真しかないのに、それが今年は届かないのだ。まさか、何かあったんじゃ…。病気、あるいは事故とか…?最悪の事態を考え始めたころ、突然玄関のチャイムが鳴り響いた。扉の前には、片時も忘れなかったニックー娘の父親の姿があった。ああ、ニック!もしかして、やっと私に会いに来てくれたの?たちまち封印したはずの愛がよみがえり、期待に胸が高鳴る。だが彼の瞳を見つめたとたん、メレディスは気づいた。二人が愛し合った記憶を、彼がいまだに取り戻していないことに。
エマ・ダーシー自身が最もお気に入りの、 不朽のシークレットベビー物語! 8カ月前、ニーナは恋人ジャックに別れを告げた。 ジャックの子供嫌いが原因でいさかいになった末の決断だったーー そのときすでにおなかには小さな命が宿っていたけれど、 彼女はそれを隠したまま、独りで産み育てるつもりでいた。 ニーナ自身、幼い頃に両親に疎まれてつらい思いをしたので、 我が子には絶対に同じ気持ちを味わわせたくなかったのだ。 いよいよ出産の時を迎え、無事にかわいらしい女の子を産んだ彼女に、 衝撃の再会が待っていた。なぜ産婦人科医院にジャックがいるの?! たまたま友人の出産祝いで訪れていた彼も驚いた様子だったが、 事情を察した彼から驚愕の一言が。「できるだけ早く結婚式を挙げたい」 愛するジャックが子供嫌いでさえなければ……。8カ月間、彼を忘れようとしてきた努力が、再会の瞬間、水の泡になったことで思わずトイレで涙するニーナ。彼がにわかに良き父親になれるとは信じがたく……。名作家エマ・ダーシーが最もお気に入りだった作品です!
炎のキスを消し去る、氷の真実。 なのに、おなかには小さな命が……。 仕事で全国各地を回ることになった広報のローレン。 壮行パーティーで、同行者として大富豪マイケルを紹介され、 長身で上品な身なりをした彼に一目惚れしてしまう。 でも、なぜ初対面の私を値踏みするように見つめてくるのかしら? そんな小さな疑問は、強引に誘われて彼とダンスを踊るうちに消え、 情熱に火がついた勢いのままに、気づけば彼のベッドで朝を迎えていた。 だが甘い余韻に浸っていられたのも、ほんのつかの間だったーー じつは彼はかつてローレンの同僚と結婚していて、 彼女が妻をそそのかしたのが離婚原因だと思っているらしいのだ! この出逢いは仕返しの罠? 傷ついたローレンはやがて妊娠に気づき……。 ときに傲慢なヒーローを描きながらも最後にはほろりとさせ、幸せな読後感をくれるスター作家、エマ・ダーシーの名作です。誤解からすれ違う二人ですが、ヒーローがヒロインの心を取り戻すために献身的に尽くす姿が本作の読みどころ。ぜひお楽しみください!
エイミーが社長ジェイクの個人秘書になって2年、 女性を大勢泣かせてきた彼の犠牲者にならぬよう慎重にふるまってきた。 そんなわけで、エイミーは不実な恋人に捨てられてどん底にあっても、 ボスの前では弱った姿を見せるわけにいかなかった。 なのに、秘書が失恋したと知ったジェイクはすかさず、 甘く優しい誘いをかけてきた。警戒を怠らないエイミーだったが、 元恋人が不意に現れ、あてつけのためジェイクとの親密さを見せつけた。 そしてとうとう、長年避けてきた事態を迎えてしまうーー甘美な一夜を。 でも、職場で気まずくなりたくない。この関係は続けられない。 そうボスに告げたエイミーはやがて、彼の子を妊娠したことに気づく……。 世界中のロマンス作家やファンに惜しまれつつこの世を去った名作家、エマ・ダーシーとミランダ・リー。天才姉妹を偲んで、珠玉作を選りすぐってお届けいたします。本作は姉エマ・ダーシーが描いた、悩める秘書の物語です。
視力を失いつつある幼い娘の手術費用を貯めるため、ジーナは3つの仕事を掛け持ちする過酷な日々を送っていた。そんなある日、昼の事務仕事のオフィスに、一人の男性が現れたー忘れたくても忘れられない、リアム・シャノン!亡き夫の友人でありながら、結婚式の日に私を誘惑した男。私は不埒なキスをされて驚き、参列客の前で彼を平手打ちしたのだった。あれから6年のあいだ音信不通だったのに、なぜ今になって…?2年前に夫が事故死したことをジーナが伝えると、リアムは一瞬ひるんだのち、昔と変らわぬ傲慢さで残酷にも言い放った。「彼が亡くなったのなら、僕を止めるものは何もない」
英米豪を代表する大人気3作家の、“運命の一夜”がテーマのアンソロジーをお贈りします。日陰の秘書の華麗なる変身、もどかしすぎる長年の片想い、そして情熱の一夜と予期せぬ妊娠。それぞれのヒロインたちが大いに悩み、大いに恋する姿をお楽しみください!
全能の神ゼウスの妃で、結婚や出産を司る女神のジュノが守護する“6月”--ヨーロッパでは、この月に結婚すると幸せが永遠に続くと言われています。そんなすてきな季節にふさわしい、魅惑のウエディング・ストーリー3篇を収録したアンソロジーをお贈りします。
仕事しか愛せない男性を、 なぜ、愛してしまったの? 出張に行った恋人のケインから、3週間なんの音沙汰もない。 従順な恋人を演じてきたリサだが、もはや我慢の限界だった。 ケインはとてもハンサムで女心をそそる危険な男性だ。 けれど会社経営者の彼にとって大切なのはあくまで仕事。 まるで添え物のように扱われるリサは、深く傷ついていた。 彼が私に求めているのは、ベッドでの慰めだけなの? 意を決してついにリサが別れを告げると、ケインは言った。 「僕が君を愛していると言ったら、どうする?」 嘘に決まっているわーー私が何より求めているものを知っていて、 そんなことを言うなんて。ケインのずるさが、リサは苦しかった。 エマ・ダーシーは、ハーレクイン・ロマンスとイマージュで長く人気を誇ってきた偉大な作家です。男と女の愛情表現のすれ違いが巧みな筆致で描かれます。
ローラは母の日を祝うため、昼食会で得意の料理をふるまったが、家族だけが集まるはずの場に、父の右腕ジェイクが突如現れて驚いた。暴君そのものの父と同じく、この人も冷血非道な男性じゃないかしら。そう疑ったものの、実際の彼は俳優クラスの美貌に機知と朗らかさを兼ねそなえており、惹かれたローラは庭で思わず唇を許してしまう。その後、ジェイクに誘われるまま、毎週土曜の午後7時に、父には秘密でディナーデートを重ねた。やがて数カ月が過ぎたある日、彼が翌週の約束もせずに言った。「今まで楽しかったよ」まるでこれきりみたい…。胸騒ぎを覚えた彼女を、ほどなく衝撃が襲う。ジェイクが彼女の父を訴えたのだ!まさか私、彼に利用されていたの?
花売り娘だったマギーが優しい老富豪に拾われ、屋敷で働き始めて2年。その雇主が突然帰らぬ人となり、マギーは悲しみに暮れた。遺言状には、広大な屋敷は孫息子のボウが相続すること、家族同然の使用人たちを1年間は雇い続けることが記されていた。つねに海外にいる実業家のボウはやがて屋敷を売り払うのではーそう危惧した使用人たちは、マギーがボウの子を産めばいいとけしかける。会ったこともない人と結婚して跡継ぎをもうけるだなんて、私には無理。一方ボウは、祖父が“乳母”なる名目で雇い入れたマギーに眉をひそめた。子供のいない家に乳母とは!祖父との関係は?財産目当てか?疑ったボウは彼女を前に思わず口走った。「君は妊娠しているのか?」
社長秘書のフルールはひどく不安だった。勤め先の出版社の経営が、業界の“巨匠”キット・マローンによって引き継がれたのだ。新しいボスとなるキットは唯我独尊なプレイボーイらしいが、初めて顔を合わせた日、仕事について熱く語っていた彼が次に放った言葉に、フルールは甘やかな戦慄を覚えた。「これから僕の家に来てくれ」(『冷たいボス』)。ソレルは休暇中の親友から、出社前の上司のデスクに重要書類を届けてほしいと頼み込まれた。さもないとクビになると泣きつかれ、やむなく始業時間前に親友の会社を訪れたが、いかにも頭脳明晰そうな鋭い瞳の社員ケイレプに見咎められる。しかも、親友が旅から戻るまでの5週間、代わりにここで秘書として働くよう言われ…(『期限つきの秘書』)。貧しい家庭に育ち、家政婦をしながら大学を出たインディは、社会で成功するのが夢。週末、雇い側の家を訪れた際、誤って寝室に入り、客人の大富豪パーカーの一糸まとわぬ姿を目撃してしまう。厚い胸板に、引き締まったおなか。なんてセクシーなの!まさか彼の秘書を務めることになるとは、インディはまだ知る由もなくー(『胸騒ぎのオフィス』)。
失読症を抱えるルーシーは定職につくこともままならず、これまで恋愛もうまくいったためしがなかった。愛する人は誰もが私から去っていくー母の眠る霊園の管理人をしながら、そんな思いに囚われていた。だがある日、ルーシーは姉の職場で社長のマイケルと出会い、ひと目で激しく惹かれた彼女は、誘われるまま夜をともにした。ハンサムでセクシーな彼の情熱はルーシーをとりこにしたが、永遠の愛や約束を、彼に求めるつもりはなかった。思いがけず、マイケルの子を宿したと知ったあとでさえ…。
メロドラマを描かせたら右に出る者がいないエマ・ダーシーをはじめ、人気と実力を兼ねそなえたスター作家たちが集結! 予期せぬ妊娠やシークレットベビーにまつわるロマンスを3話収録した、胸が痛いほど切なくてドラマティックなアンソロジーをお贈りします。
もう引き返せない。たとえこの結婚が、 愚かだったと思い知ることになっても。 かつて、ローラはみじめな思春期を過ごした。 当時、顔の吹き出物のせいで、誰も友達になってくれなかったのだ。 だから、遥か昔に母が“落伍者”と決めつけて離婚した実の父に同情し、 画家だった父が遺した一枚の絵に、深い感慨をそそられたーー 落日を背に、苦悩に満ちた表情を浮かべる美しい女が描かれている。 ある日、その絵を途方もない高値で買いたいという男が現れた。 ダイアモンド鉱山を所有する若き億万長者、ジャレッド・イースタン。 長身でたくましく、周囲を圧倒するようなその存在感に、心が乱される。 だが父の形見は売れないと断るローラに、彼は驚くべき申し出をした! “この絵といつも一緒にいたいなら、ぼくの妻になればいい”と。 ハーレクイン・イマージュ〜至福の名作選〜に、名筆エマ・ダーシーが登場。“第一級の面白さ”と翻訳者がメモを残したほどの珠玉作をお贈りします。結婚式当日、ローラはジャレッドの母ナオミが、絵の中の美女であることに気づき……。
レストランを切り盛りするテリーは、ハンサムで有能な実業家のレオが 客として初めてやってきたときから、強く惹きつけられていた。 たった一度でいいから、こんな男性に身も心もゆだねられたら……。 その秘めやかな望みは、彼が3度目に訪れた夜に叶えられた。 閉店後、二人きりになると、レオの巧みな手に導かれるまま、 想像を絶するほどのめくるめく時間を過ごした。 翌日、レオに今後も自由で束縛し合わない関係を求められ、 たとえ愛されなくても一緒にいられるならと、テリーはうなずいた。 10カ月後、奇しくもテリーの誕生日に、医師から衝撃の事実が告げられる。 「おめでとうございます。妊娠されていますよ」 ベビーロマンス特集〈小さな命に祝福を〉をお贈りします。まるで高級酒のような至福の味わいの恋を経験させてくれる大富豪レオですが、結婚なんてする暇も気持ちもないと明言。そんな彼に妊娠を告げるべきか否か、テリーは大いに悩み……。