著者 : オリヴィア・ドレイク
生まれてから一度も故郷のハンプシャーを離れたことがなく、結婚して家を出た兄や姉たちに代わって、高齢の両親の世話をひとりでしてきたアビーは、社交界デビューもせぬまま大人になった。両親がそろって他界してからも、きょうだいはなおも彼女に家事手伝いを求めてくることに愕然とした彼女は、自分の人生を送るために自立しようと決意する。隣家のロスウェル公爵の妹の家庭教師になるが、実は公爵とは、少女のころに結婚を誓いあった仲だった。しかし彼がロンドンに居を移してからは放蕩の噂ばかりが聞こえるようになり、ふたりは何年も顔をあわせることさえなくなっていて…初恋のゆくえは?“シンデレラの赤い靴”シリーズで人気をさらったオリヴィア・ドレイクの待望の新シリーズ“公爵の花嫁”第一弾!
社交界にデビューしたてのローリー・バクストンは不幸にも醜聞に巻き込まれ、継母に勘当同然の扱いをうけてロンドンから姿を消した。以来、田舎に暮らすおばの家に身を寄せていた彼女を、ある日著名な貴婦人が訪ねてくる。そして今ローリーの家族に問題が起きているので、ロンドンに戻るようにと勧め、美しい赤い靴を持たせてくれた。8年ぶりに実家に帰った彼女は、継母が秘密の手紙をねたに脅迫されており、それを知られれば妹の婚約も破棄されかねないと聞かされる。手紙を持っているはずのダシェル侯爵からとりかえしてほしいと頼まれたローリーは、侯爵の母のコンパニオンとなって屋敷に入る計画をたてた。実はかつては彼女に恋こがれていた侯爵は、面接に現れたローリーを見て驚くが…“シンデレラの赤い靴”シリーズ、感動のフィナーレへ!
両親を亡くし劇団で育てられた、貴族の血をひく女優のマデリン。誰とも恋愛をしたことがないというのに、彼女はある事情から、自分を愛人にする権利をオークションにかけると宣言した。すると見知らぬ貴婦人が訪ねてきて、伯爵家の次男であるネイサンに入札させるので、彼を選んでほしいと言い、とまどうマデリンに赤い靴を渡す。独立し貿易商として成功しているネイサンは、兄の急死により家を継ぐことを強いられていた。父と確執のある彼は、反対される結婚をして抵抗しようと考え、マデリンに愛人契約ではなく結婚を持ちかける。条件は貴族に嫌われるような女性を演じることと、今年の社交シーズンだけ共に過ごし、あとは別々に暮らすこと。こうして契約結婚をした二人だが、お互いのことが気になり…“シンデレラの赤い靴”シリーズ第5弾!
准男爵の令嬢ベラは、考古学者である父親に連れられて、中近東を周遊して育った。父が病に倒れ、この世を去ったのは1年前。やっとの思いで英国へ帰郷し、弟妹を学校に通わせるためにお金を稼がねばと職さがしをするも、うまくいかない。そんなある日、亡き父の古い知り合いだという貴婦人レディ・ミルフォードが、ベラの家を訪ねてくる。そして父の考古学仲間の息子エイルウィン公爵マイルズがエジプト学者になっており、資料を整理するキュレーターを探しているので、志願してはどうかと勧め、美しい赤い靴を持たせてくれた。こうしてロンドンの公爵邸を訪ねてきたベラを、最初は追い返そうとしたマイルズ。しかし幼い日に彼女と出会っていたことを思い出し、まっすぐに自分を見つめてくるベラの瞳に強く引きつけられて…
貴族令嬢でありながら、伯爵である伯父の屋敷で使用人同然の不遇な毎日を送るエリーは、ある日、いとこの付き添いで社交界の花形レディ・ミルフォードを訪ねた。そこで美しい赤い靴を贈られた彼女は、幸運にとまどいながらも胸を躍らせる。ところが、社交シーズンが始まる前に、エリーは突然“悪魔の王子”の異名を持つダミアンに、孤島の城へとさらわれてしまった。まもなく誘拐は人違いだったとわかったものの、一歩も外に出られない悪天候が続き、ロンドンには帰れない。閉ざされた城の暮らしの中で、エリーに細やかな心配りを見せるダミアン。世間の評判とは違う彼の素顔にふれ、誘拐を企てた理由や秘めた孤独を知るうちに、エリーは次第にダミアンに惹かれていく。そして嵐がやんだ朝、突然レディ・ミルフォードが城を訪ねてきて…。
19世紀、ロンドン社交界を揺るがした、稀代の宝石“ブルームーン”盗難事件。社交界にデビューしたばかりのローラは、容疑をかけられた父と国外へ逃亡した。父の無実を信じながら、贅沢も恋も手放してひっそりと暮らす日々。それから10年ー父が急死し、ローラはついにすべてを失ってしまう。ところが、訪れたロンドンの街でローラは見覚えのある貴婦人に出逢い、導かれるままに、老貴婦人のコンパニオンの職と美しい赤い靴を手に入れる。豪奢な邸宅での暮らしが始まると、彼女の前に伯爵アレックスが現れた。彼こそ、かつて甘く激しい恋に落ちた相手ー偶然の再会にとまどいながらも、二人の情熱は一瞬で呼び覚まされる。複雑な想いを抱えたまま10年の時を経て、互いへの想いはさらに深まっていた。しかし、アレックスには隠し続けている秘密があって…。
人里離れた女学校で孤児として育ち、教師となったアナベルは、意地悪な校長と先生たちに囲まれた不遇な日々を送っていた。ある日、王室の貴婦人が突然学校を訪れ、見たこともないほど美しい赤い靴をふとアナベルに差し出す。靴はアナベルの足にぴったりだった。それを見た貴婦人は、なんとアナベルを幼い公爵の家庭教師に指名。思いがけずアナベルは公爵家で働くことになった。豪奢な城には、公爵に無関心な後見人サイモンも暮らしていた。アナベルのひたむきな愛情と明るさに、臆病だった公爵は無邪気な子供らしさを取り戻していく。そして、冷たく閉ざしていたサイモンの心には、忘れていたぬくもりと情熱がめばえ始めていた。ところが、アナベルと公爵が何者かに命を狙われて…。RITA賞受賞作家が贈る“シンデレラの赤い靴”シリーズ開幕!