著者 : オリヴィア・ドレイク
少女の頃から両親の世話に明け暮れ、社交界に出る機会を逸して大人になってしまったアビー。きょうだいたちがなおも彼女を家事手伝いに使おうとするのに愕然として、自分で身を立てると決意する。隣家のロズウェル公爵の妹の家庭教師になるが、実は公爵とは、若き日に結婚を誓いあった仲だった。しかし彼はロンドンに居を移して放蕩の噂ばかりが聞こえるようになり、何年も会うことさえなかったのだが……
《シンデレラの赤い靴》シリーズ完結編! 社交界にデビューしたローリー・バクストン。幼かった彼女は妻子ある外国人外交官にたぶらかされ、抱擁しているところを人に見られて、社交界から追放されてしまった。継母のもとを逃げだし、いまはおばと二人で田舎に暮らすローリーは、筆名を使って週刊新聞にコラムを執筆している。 そこに赤い靴を持ったレディ・ミルフォードが訪ねてきて、言葉巧みに彼女をロンドンへ誘い出し、ダシェル侯爵ことルーカス・ヴェールの屋敷に彼の母親のコンパニオンとして送り込んだ。 ところが、ルーカスはコンパニオンに応募してきたローリーをそっけなくあしらおうとする。実はかつては彼女に恋こがれていたが、今の彼は破産寸前の一族を救うために資産家令嬢との縁談をとりつけねばならないのだ。ともあれ、二人の一つ屋根の下の生活がスタートしたのだが……
誰とも恋愛したことのない女優のマディが、自分を愛人にする権利をオークションにかけるという大胆な行動に出たのは、ある理由があった。 その噂を聞きつけた貴婦人が彼女をたずねてきて、赤い靴を手渡し、自分の名付け子ネイサンに入札させるので彼を選んでほしいと言う。 ネイサンは愛人契約ではなく結婚したい、ただし貴族に嫌われるようなはすっぱな女を演じてほしいと言うのだが、彼の目的は……
准男爵令嬢ベラは、考古学者である父親に連れられて、中近東で育った。父が病に倒れ、「エイルウィンを探しだせ。地図を見つけるんだ。半分はおまえのもの……ファラオの宝」と言い残し、この世を去ったのは1年前。やっとの思いで英国へ帰郷したが、エイルウィンなる人物は見つからず、弟妹を学校に通わせるためお金を稼がねばと職さがしをするも、英国式のマナーが身についていないためうまくいかない。 意気消沈して過ごしていたある日、ベラの家に亡き父の古い知り合いだという貴婦人レディ・ミルフォードが訪ねてきた。そしてエイルウィンは父の考古学仲間で、かつて発掘場所で墓荒らしに襲われて亡くなったと知らされる。また、エイルウィン公爵の息子、五代目公爵マイルズがエジプト学者になっており、資料を整理するキュレーターを必要としているので志願してはどうかと勧めてくれ、面接用のドレスときれいな赤い靴を持たせてくれた。 こうしてロンドンの公爵邸を訪ねたベラは、社交嫌いで気難しいマイルズに最初は追い返されそうになるが、彼は幼いころ彼女と出会っていたことを思いだした。また、父の死についてベラがなにか手がかりを持っているのではと考えて雇うことを決める。ベラは公爵邸で住み込みで仕事をしながら、ファラオの宝の地図を探そうとするのだが……果たして地図は見つかるのか? マイルズはベラに心を開くのか?大好評、《シンデレラの赤い靴》シリーズ第四弾。
伯父の伯爵家で、使用人同然の不遇な毎日を送るエリーは、ある日、社交界の花形レディ・ミルフォードから赤い靴を受け取った。<br>ところが、社交シーズンが始まる前に、エリーは悪魔の王子と呼ばれるダミアンにさらわれてしまう。<br>幽閉された孤島の城で激しい嵐が何日も続き、エリーはダミアンが誘拐を企てた理由や秘めた孤独を知るうちに、<br>世間の評判とは全く違う彼の素顔にふれ、次第に惹かれていく。<br>そして嵐がやんだ朝、突然レディ・ミルフォードが城を訪れて……。
無実の罪を着せられた父の名誉を回復するためにローラは、名をいつわって老貴婦人のコンパニオンとなった。 ある日、館をたずねてきた貴婦人の甥は、かつて別れた婚約者、伯爵アレックスだった……
人里離れた女学校で孤児として育ち、教師となったアナベルは、意地悪な校長と先生たちに囲まれた不遇な日々を送っていた。ある日、王室の貴婦人が突然学校を訪れ、見たこともないほど美しい赤い靴をふとアナベルに差し出す。靴はアナベルの足にぴったりだった。それを見た貴婦人は、なんとアナベルを幼い公爵の家庭教師に指名。思いがけずアナベルは公爵家で働くことになった。豪奢な城には、公爵に無関心な後見人サイモンも暮らしていた。アナベルのひたむきな愛情と明るさに、臆病だった公爵は無邪気な子供らしさを取り戻していく。そして、冷たく閉ざしていたサイモンの心には、忘れていたぬくもりと情熱がめばえ始めていた。ところが、アナベルと公爵が何者かに命を狙われて…。RITA賞受賞作家が贈る“シンデレラの赤い靴”シリーズ開幕!