著者 : ダイアナ・パーマー
彼のあの甘美な仕打ちを 忘れたことは一度もない……。 故郷ジェイコブズビルに戻ってきた小学校教師のサリーは、 事故で失明したおばとその幼い息子の面倒をみている。 ある日、二度と会いたくなかった相手、エビニーザと再会した。 6年前の春、10代だったサリーは憧れていた彼に、 ドライブデートに連れていってほしいとお願いした。 意外にもエビニーザはすんなり聞き入れてくれたが、 30分後、サリーは彼の車の助手席から逃げ出すはめになったーー 年上の彼の強烈すぎる男性的魅力と強引さに恐れをなして。 無垢な彼女にとって、あのことはいまだに深い心の傷となっていた。 それなのに、エビニーザは何事もなかったかのように接近してきて……。 HQイマージュ〜至福の名作選〜より、巨匠ダイアナ・パーマーの不朽の名作をお贈りします。表向きは牧場主、本当の姿は百戦錬磨の傭兵ーーそんな男の中の男、エビニーザが本作のヒーロー。6年前、若くて純真なサリーをあえて怖がらせて遠ざけた彼の本心は?
財産目当てで言い寄る男たちにうんざりした令嬢マーリンは、“もし1カ月間、身近に気づかれずに働き続けられたら、もう二度と結婚を強要しない”という賭を、父に願い出た。住み込みの職を見つけ、彼女は意気揚々と働き始めるが、雇い主の息子の銀行家キャメロンに早々に心を乱されてしまう。卑しい育ちの下品な女だと侮辱され、くびにすると脅されて、激しい口論の果て、昂った感情で一夜を共にしてしまったのだ。キャメロンには裕福な婚約者がいる。もしや私の正体を知り、打算で乗り換えようとしているの?傷ついたマーリンは、想いを秘めたまま、キャメロンの前から姿を消すが…。
『悲しい約束』母を事故で亡くし、失意のどん底にいた看護師デイナ。心機一転するために退職した彼女は、一時的に失明した大富豪ギャノンの看護を住み込みで引き受ける。彼は獅子のように気高く傲慢な反面、どこか憎めない男性だ。扱いづらさに手こずりつつも、気づけばデイナは恋をしていた。そんなある日、ギャノンの主治医から非情な診断が下される。彼の視力が戻る見込みは、ゼロに近いというのだ!打ちひしがれたギャノンは自暴自棄ぎみにデイナにすがった。僕と結婚してくれー愛は誓えないが、そばにいてほしい、と…。『命の芽吹くパリで』妹と母を相次いで失ったイモジェンは、さらなる悲劇に襲われる。不治の病で亡くなった母と同じ症状が出始めたのだ。死を覚悟した彼女は残りの人生を楽しもうと憧れのパリへ向かう。そこで知人を介して上流階級のパーティに潜入して、大富豪ティエリーと出逢い、燃えるような一夜を過ごした。彼と満ち足りた2週間を過ごしたあとで彼女はパリを去るが、母国へ帰る間際、予期せぬ妊娠に気づいて動揺する。なんという運命のいたずら。余命わずかな私が新たな命を授かるなんて!悩んだ末、ティエリーに打ち明けるが…。
キーナは18歳のときに初恋を経験したが、その後に待っていたのは、相手が陰で彼女を酷評する冷たい声だった。傷つき、逃げるように故郷を去ったキーナは、夜は工場で働きながらデザイン学校を卒業し、ファッション業界の帝王ニコラスに雇われた。当時、妻を亡くしたばかりのニコラスはその冷徹さが妻の死を招いたともっぱらの噂だったが、キーナは知っていたー彼が美しき妻の生前の写真を、大事にデスクに飾っていることを。恋に臆病になっていなかったら、私も好きになっていたかも…。そんなニコラスと出逢って6年。食事を共にしたある夜、彼がキーナに思いがけない申し出をする。「僕は君の愛人になるつもりだ」
昼間は秘書。午後5時からは恋人。 傲慢なボスとの、偽りの恋……。 秘書のアビーが高名な富豪弁護士グレイの下で働き始めて1年。 ボスは傲慢で実に扱いにくい反面、とても優秀で魅力的な男性だ。 そんな彼が求める秘書であろうと、アビーはしかつめらしい服に 眼鏡とひっつめ髪のスタイルで、まじめに働いてきた。 だがある日、ボスの予定帳に書かれた取引相手の名に、激しく動揺する。 二度と会いたくないと思っていた、卑劣で薄情な元恋人……。 やむをえずグレイに事情を話し、もうここにはいられないと告げると、 ボスは僕たちが公然と同棲すれば、相手は手出しできなくなると言う。 二人で寝食をともに……? 戸惑いを見せるアビーに、彼は釘を刺した。 「ベッドの心配なら無用だ。君は僕の好みじゃないから」 アビーは客用寝室を与えられ、グレイと一つ屋根の下で暮らし始めます。彼から、地味なスーツをやめ、髪を下ろして眼鏡も外すよう言われて従うことに。さらに、二人が恋人同士であることをまずは職場の人間に信じさせなければならないと、オフィスでキスを……。
傷ついたような緑の暗い瞳。傾けたグラス越しの深い声。バーで見かけた陰のある男性ジーンに、アリソンは魅了されてしまった。女性関係が派手で、危険な男だともっぱらの噂なのに。両親を亡くして以来、ひっそりと生きてきたアリソンは、人一倍恋に臆病だったー25歳のいままで男性経験もない。けれど、彼に気に入られたくて精いっぱい大人の女を演じた。飲んだこともないお酒を飲んで、遊び慣れたふりをして…。そしてついに結ばれた夜、怯えるアリソンが無垢だったと知るや、ジーンは激高した。「ぼくは遊び慣れた女としかつきあわない」アリソンの胸を、惨めさと哀しみがえぐった。
彼が放ったひどい言葉は棘となって、 今も私の心に突き刺さったまま……。 父の家庭内暴力に苦しみ、アビーは男性恐怖症に陥った。 そんな彼女を引き取ってくれた兄夫婦が6年前に事故で亡くなり、 遺された幼い姪を育てながらの暮らしも、今や困窮していた。 あるとき、親戚の葬儀に出席するため故郷に戻ってきたアビーは、 最も会いたくなかった男性、コーディ・バンクスと再会してしまう。 彼の妻はアビーの兄夫婦の葬儀に参列した際に感染症にかかり、 それがアビーと姪のせいだと、鬼のような剣幕で罵倒してきたのだ。 理不尽な言いがかりによる心の傷は6年経った今も癒えておらず、 恐怖に怯えたアビーは姪の手をとり、その場から逃げ出したーー ほどなくコーディ・バンクスが隣人になろうとは、夢にも思わずに! 大人気シリーズ〈ワイオミングの風〉もおかげさまで11作目に突入しました! 『仮面をぬいだ花嫁』(PS-108)に登場した、保安官のコーディがヒーローを務めます。感染症で命を落とした妻を想い続ける彼とアビーをどんな恋の運命が待ち受けているのでしょうか?
密かに産んだ娘、独りで授かった子、思わぬ妊娠。 人生を変える恋を綴ったベビー・アンソロジー! 北米ロマンス界を牽引してきた大御所作家たちが描いた、ベビーにまつわるドキドキの3篇を選りすぐってお贈りします。赤ちゃんというかわいらしくて無垢で小さな存在が恋のキューピッドとなる、読後に幸せで温かな気持ちがふくらむベビー・アンソロジーです!
今もなお純潔を守っている私に、 なぜ彼はこんなにつらく当たるの? ベットは町の劇団で出会った年上の男性カルと惹かれ合い、 身を捧げようとしたが制止されたーーバージンを理由に。 やがて彼への想いが無残にも打ち砕かれる日がやってきた。 彼が芝居の演出のため単身でニューヨークへ行くと言ったのだ。 捨てられたベットは、涙がかれるまで泣いたあと決心した。 “小劇団止まりの女優”という彼の侮言が間違いだと証明するわ! カルのあとを追うようにニューヨークに来て6年、 ベットは舞台女優として着実に成功をおさめていった。 そんな折、主役の座を射止めたい芝居のオーディション会場に、 突然カルが脚本家として現れ宣言する。「芝居は僕が演出する!」 ロマンス小説の世界でトップを走ってきた作家ダイアナ・パーマー。その作品は長い年月にわたって愛され、新訳版まで出るほどです。本作も1988年に初めて邦訳されたあと、新しい翻訳で刊行されました。うぶなヒロインと年上ヒーローの再会ロマンスの超傑作!
ブーケを胸に、未来の花嫁は愛の夢を見るーー 大作家が描く歓喜のウエディング短篇集! 北米ロマンス界を代表する大人気作家たちが、リレー形式で綴った伝説のウエディング短篇集! 花嫁のブーケは、青空に向かって投げられたーー愛の花を手にした乙女たちに訪れる、じれったくて切なくて甘い恋の時間。胸にじんとくる幸せな読後感をお約束します。
サビナは18歳で養護施設を出たあと、貧しい日々を生き抜いてきた。そんな彼女をずっと支え続けてくれた親友の片想いがようやく成就しそうだと聞いて、サビナは喜んだ。ところが二人の恋路を相手の兄が邪魔しているという。血も涙もない冷血漢の悪名を持つ、石油会社社長のソーンー次から次に女性とつき合っては無情に捨てると噂される大富豪らしい。政略結婚させるために弟の恋を阻もうとするなんて、ひどすぎるわ!ある日、親友のホームパーティに出かけたサビナは、尊大な男性に強引に誘惑をしかけられ、体に電流が走るのを感じた。サビナは夢にも思わなかった…彼こそが、ソーンであるとは!
ジャニーンは弱冠24歳にして売れっ子のミステリー作家。ビーチハウスに滞在して執筆に勤しんでいるが、隣人の、かつてビジネス界の風雲児として名を馳せ、巨万の富を築いたカンテン・ロークなる男性が彼女の心を騒がせる。彼は初対面から傲慢な態度で、彼女を変わり者と決めつけ、「けっこう。君の不潔な話は聞きたくない」とまで言って敬遠した。だがカンテンは気づいていなかったー彼が愛読する作家ダイアン・ウッディこそ、ジャニーンであることに。-『なんてミステリアス!』。ルイーズは同僚のドクター・コルトレーンに密かに想いを寄せていた。でも彼はといえば、一方的にしゃべるが、彼女の話をさえぎるかのどちらかで、いつだって刺々しい態度だ。その原因がルイーズの父にあることを知り、彼女がいたたまれず病院を移ることにすると、なぜかドクター・コルトレーンがプロポーズしてきて…。-『婚約のルール』。
継母のいじめに、生きる気力さえ失ったとき、 “天使”の名を持つ美しき隣人が現れたーー 幼いころに母を亡くした17歳のミシェルは、 あと数カ月で高校を卒業するというとき、悲劇に襲われた。 医師だった父が治療のかいなく病死し、 意地悪で自分勝手な継母との地獄のような暮らしが始まったのだ。 生きる希望を失った彼女は、走る車の前へ衝動的に身を投げ出した。 そのとき、間一髪のところを救ったのは、謎めいた隣人ガブリエルーー ミシェルが密かに想いを寄せていた天使のように美しい男性だった。 事情を知ったガブリエルは彼女の後見人となり、自宅へ呼び寄せた。 やがてミシェルは募る想いを抑えきれなくなって愛を告白するが、 ガブリエルに冷たく突き放される。「君はまだ子供だ」と言って。 〈シンデレラに愛の花を〉をテーマに、継母の横暴に耐え忍ぶヒロインに訪れる恋を描いた秀作をお贈りします。最愛の父の形見を、継母に処分されそうになり絶望したミシェル。命の恩人ガブリエルへの愛こそが生きる希望となるはずなのに、機は熟しておらず……。
愛しても、愛しても、未来はない。 彼は結婚しないと誓っているのだから。 ギャビーは16歳のとき、祖父によって借金の形に売られ、 男たちの餌食になりかけたところを間一髪で逃れ、男性恐怖症に陥った。 有罪となった祖父が8年後の今、不服申し立てをするという噂を聞き、 ギャビーは当時祖父を弁護したニックを訪ねることにした。 シカゴで最も優秀な彼がまた担当するのか確かめるだけのつもりが、 事態は予想もしなかった方向へと転がりだす。 獅子のような体格のニックが、突然自宅へ来た彼女に言った。「遅刻だぞ」 どうやらギャビーを住み込みスタッフの志望者と思い込んでいるようだ。 今から面接をすると言われ、言葉を失うギャビーだったが、 あれよあれよと彼のもとで働くことになるーーしかも、ひとつ屋根の下で。 ニックの下で働き始めたギャビーはやがて、彼も過去のつらい経験に囚われていることを知ります。彼を慰めてあげたいと思うようになり、気づけば彼を愛し始めていて……。女性に刹那的な関係しか求めないニックと男性恐怖症のギャビーの、予測不能な恋物語!
北米ロマンス界の巨匠ダイアナ・パーマーを筆頭に、大人気作家が長年の片想いをテーマに描いた秀作3篇を厳選してお届けします。伝えたくても伝えられない恋心を抱えるヒロインたちの、切なくてちょっぴり甘酸っぱい恋物語。幸せな読後感をお約束します!
〈愛と命を見つめて〉 わたしに残された時間は少ない。なのに、 私を捨てたあなたと、再会するなんて……。 白血病に冒された教師アントニアは、残された日々を家族と過ごすため、 二度と帰るつもりのなかった故郷の町へ戻ってきた。 9年前の、壊れてしまいそうなほど傷ついた記憶がよみがえるーー 愛する恋人パウエルとの結婚を控え、幸せの絶頂にいたさなか、 アントニアには愛人関係にある別の男がいるという噂が立てられた。 もちろん根も葉もない作り話だったが、パウエルは怒って婚約を破棄し、 あろうことか、噂を流した彼女の親友と結婚してしまったのだ。 思い出すだけでもつらいのに、今、さらなる皮肉な運命が待っていた。 代任教師を務めることになった母校の担任クラスに、 町の有力者となったパウエルと、今は亡き妻の娘がいるとわかったのだ! 理不尽に捨てられてもなお、心の痛みを癒やせぬままパウエルを愛し続けたアントニア。まさか再会するとは思ってもみませんでした。日に日に体力は衰えていき、さらに彼と感情をぶつけ合うことに心の限界を感じた彼女は、ふたたび逃げるように町を出ますが……。
メリッサは暴漢に襲われ、隣家の跡取り息子ディエゴに救われた。それを機に二人は結ばれて夫婦となったが、この結婚はメリッサの罠と信じ込む彼と、その家族の仕打ちに耐えられず、彼女は妊娠を告げぬまま姿を消した。5年後、事故で瀕死状態に陥ったメリッサは、面会に来た夫に言い張った。「息子はあなたの子じゃない」と(『もう一度抱きしめて』)。孤児として育ったフェイスは運命の人との出会いを待ちわびていた。だから、誘拐犯から彼女を救ってくれたワースに純潔を捧げたのだ。“2カ月後のクリスマスに町の広場にあるツリーの下で会おう”そう約束して別れたが、当日、いくら待てどもワースは現れない。フェイスは絶望に打ちひしがれたーお腹に宿る、彼の子とともに(『星降る夜の出来事』)。レオン!アラーナはギリシア大富豪との予期せぬ再会に驚愕した。5年前、たった半年だったけれど、貧しかった彼女に夢のような愛と贅に満ちた日々を与えてくれた人。でも最後には誤解がもとで、ひどく罵られながら彼のもとを去ったのだった。今もまだ冷たい彼の瞳に、アラーナは震えた。もし彼に息子の存在を知られたら…(『愛人の秘密』)。切なく胸に迫る、シークレットベビー&再会愛。
家族も友達もいないアイダが身を守る唯一の方法ーそれは、“次々に情事を楽しんでは男を捨てる悪女”という仮面だった。元夫に駐車場の2階から突き落とされ、心身の後遺症に苦しむ彼女は、男性を近づかせないため、懸命に鉄壁を築いてきたのだ。先日の社交パーティでは、その真実を知らない大富豪ジェイクにあからさまに侮蔑的な態度をとられ、ひどくつらい思いをした。ところが、後遺症の影響で歩くのもままならなかったある日、車が故障して困っていたアイダに、意外にもジェイクが声をかけてきた。アイダを病院まで送り届けた彼は、おもむろに彼女の携帯を手にすると、何やら操作してから返して告げた。「僕の携帯の番号を入れておいた」
ヘザーが目覚めるとそこは、真っ暗な病室のベッドの上だった。 歌手になる夢を抱いて耐えてきた下積みの苦労がようやく実を結び、 大舞台のチャンスをつかんだ矢先に、交通事故に遭ったのだ。 そのショックから、彼女は事もあろうに声が出せなくなってしまった。 不安と孤独に苛まれたヘザーは、心の中で最愛の義兄の名を呼んだーー コール、コール……コールさえここにいてくれたら! でも、わたしの夢に反対するコールとは、いまだに仲違いしたまま。 とてつもない大富豪の彼の傲慢さは半端ではないと巷でも恐れられている。 そんな彼がここへ来てくれなかったとしても、しかたがないわ……。 すると病室のドアが開けられ、コールが怒りの形相で入ってきた! ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊の企画《プレミアム・セレクション》では、大御所作家の上質で芳醇なロマンスを厳選してお届けします。本作は、ダイアナ・パーマーの初期の名作と名高い珠玉作です。
やがては自由に歩けなくなる私と、 一緒に歩んでくれる人などいないと思ってた。 9歳から進行性の病と生きてきたバーニーには杖が欠かせなかった。 仕事を終えて下宿先に帰る途中、不意につまずいて車道に倒れてしまい、 バーニーの目の前で黒塗りのリムジンが急ブレーキで止まった。 「見事なタイミングで飛び出してきたな」 リムジンから降り立った男は、彼女がわざと転んだと思っているらしい。 その男、大富豪マイキー・フィオーレはそういう女に飽き飽きしていた。 スター顔負けのルックスと莫大な富を狙う女性が後を絶たないのだ。 だが、転倒した拍子に飛んでいった杖を捜してほしいと彼女が言うので、 マイキーは自分の過ちに気づき、家まで送ると申し出た。 そして、断るバーニーを軽々と抱き上げ、問答無用で車内に押し込んだ! 大スター作家ダイアナ・パーマーが描く、まるで別世界に生きてきた二人の心と心が惹かれ合う純粋な愛の物語をお贈りします。『もてあそばれた純情』(PS-91)、『涙の初恋』(PS-93)をはじめ、〈テキサスの恋〉と〈ワイオミングの風〉の登場人物たちも大活躍!