小説むすび | 著者 : デイヴィッド・マレル

著者 : デイヴィッド・マレル

真紅のレクイエム真紅のレクイエム

ピットマンはかつて優秀な記者だった。息子の死の傷手から立ち直れず、酒に溺れていたが、危篤の報が入ったある人物の死亡記事を生涯で最後の仕事とし、その後は自殺しようと心に決めていた。その男は、アメリカの外交政策を陰で操る五人の「大顧問」のひとりで、元大物外交官だった。病院から拉致された男の居場所を突きとめた彼は、そこで一堂に会した「大顧問」の姿を目撃し、さらに病床に伏す男が発した謎の言葉を聞いてしまうが、あえなく見つかってしまい、命からがら逃げ出すことになる。翌朝のニュースを見た彼は愕然とした。例の男は殺害され、犯行の容疑者として、自分の名が報じられていたのだ。かくして、ピットマンは「大顧問」たちから追われる身となった。だが、逃避行の中途で助けを求めた看護婦ジルの優しい愛情に触れるうちに、一度は死を決意した彼の心に、今一度、生への強い欲望が湧きあがる。そして、男が残した謎の言葉を手がかりに、歴史の闇に葬られていた「大顧問」の恐るべき過去が明らかになった時、決死の反撃の火ぶたが切って落とされた…。

テロリストの誓約(上)テロリストの誓約(上)

アマゾンの熱帯雨林で乱開発を進める業者が、首を切られて殺された。さらにオーストラリア近海で原油流失事故を起こしたタンカーの船長と石油会社の社長、事故対策責任者が相次いで殺された。環境破壊を引き起こした当事者が何者かに殺されるという事件が続発していたある日、環境保護雑誌「アース・マザー・マガジン」の女性記者テス・ドレイクは、テレビ制作会社に勤務する男ジョゼフに出会った。灰色の瞳をもつその男の謎めいた魅力にひかれ、テスはたちまち恋に落ちた。だが、その彼が突如姿を消してしまった。テスはニューヨーク市警の警部補クレイグの助けを借りて行方を追うが、数日後彼が変死を遂げていたことを知る。やがてジョゼフの住んでいたアパートが発見され、クレイグと共にそこを訪れたテスは、不思議なレリーフを見てそれを写真に収める。その時からだった。テスのまわりで奇怪な事件が次々と起き、やがて彼女自身も何者かに命を狙われ始めた。しかも奇妙なことに、その暗殺者を追って別のグループも動き始めたのだ。いったい何が起こっているのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP