著者 : ペニー・ジョーダン
リジーのもとに、ある日一通の手紙が届いた。 彼女が所有するアパートメントに問題が発生し、 現地まで来てほしい、さもないと裁判沙汰にするという。 差出人は大富豪イリオス・マノス。 リジーはなんとか旅費を工面し、彼の住むギリシアへ飛んだ。 金色の瞳と漆黒の髪を持つギリシア神話の英雄さながらの彼はしかし、 「詐欺師め!」とリジーをなじったのだ。 リジーは共同所有者にだまされ、莫大な借金を背負わされたと知る。 だがお金などまったくないと言う彼女に、イリオスは憤然と言った。 「では、その体で払ってもらおう。ぼくと結婚するんだ」 “ロマンスの女王”として不動の人気を誇り、2011年に惜しまれつつその短すぎる生涯を閉じた作家、P・ジョーダン。孤児として育ったヒロインは、真実の愛を見つけられるのでしょうか?
純真無垢な乙女が陥る、 危険な恋の落とし穴ーー 結婚詐欺師に騙されて傷心した親友のため一肌脱ぐことにしたケリー。 舞踏会で魅力的な女性を演じて結婚詐欺師の男を誘惑し、 首尾よく惹きつけたら、鉄槌を下す計画だ。 じつのところ、恋もろくにしたことがないケリーには荷が重かったが。 ところが会場で出逢ったのは、鋭いダークブルーの瞳の大富豪ブラフ。 魂まで見透かされそうな彼のまなざしに、ケリーは警戒した。 私の役目は、この舞踏会で妖艶な大人の女を演じきることよ! しかし、ケリーが時折見せる不安そうな様子に疑念を抱いたブラフは、 心の中で豪語した。“最初のキスでたいていのことはわかる” そして、彼女の隙をついて、熱く激しく唇を奪ったーー! 《特選ペニー・ジョーダン》から、中世の面影を残す町ライ・オン・アバートンに住む女性たちのロマンスを描いた4部作〈美しき報復〉の1話目をお贈りします。ケリーは、恐ろしく男性的なブラフの唐突なキスのテストでどうなってしまうのでしょうか?
友人の結婚式と仕事のため、異国の地を訪れたキーラ。豪華ホテルでの式が終わり、中庭で披露宴が始まる前のこと。穏やかな低い声がして振り向くと、長身で黒髪の美男が立っていた。これほどの色気を放つ男性に会うのは初めてだわ…。言葉を交わすうち、抗いがたい魅力に惹きつけられ、気づけば彼に唇を奪われていた。ああ、なんということを!娼婦の娘と蔑まれてきた生い立ちから、男性とは関わらないと誓っていた。破滅の予感に怯え、キーラは彼の腕を振り払ってその場を逃げ出した。ところが翌日、仕事の依頼でさる宮殿に足を運んだ彼女を迎えたのは、なんとキスの相手ー現代のマハラジャと名高い実業家ジェイだった!
この胸の震えは、いったい何? 傲慢な大富豪への恐怖? それとも……。 11年前、タニアは若気の至りで予期せぬ妊娠をし、独りで出産した。 娘のために都会を離れてチェシャーの小さな町に引っ越した今、 念願の子供靴専門店を開き、新生活を始めようとしているところだ。 身寄りのない母と子だけの生活は苦しかった……。でもこれからは、 大事な一人娘に古着以外の服だって買ってあげられるかもしれない。 そこへ、町の有力者で大富豪のジェイムズが現れ、不穏な言葉を放った。 「義弟に手を出すのはやめろ。さもないと、あらゆる手段で店を妨害する」 いったい何のこと? 完全な言いがかりだわ! 身に覚えがないというタニアの抗議に耳も貸さず、 24時間以内に返事をしろと言い置いて、ジェイムズは去っていった。 冷たい瞳の大富豪ジェイムズは、腹違いの妹とその夫の間をタニアが引き裂こうとしていると思い、怒りのあまり彼女を脅迫します。一方、タニアも彼の脅迫には絶対に屈しないと宣言して……。惹かれ合う男女ならではの激しい火花が散る、P・ジョーダンの名作!
「君が妊娠するなんて、あり得ない。少なくとも僕の子ではない」23年前、学生だったアビーは6歳年上のサムと恋におちて結婚したが、ほどなくして新しい命を身ごもったことを知らせると、彼は別の男との間にできた子供だろうと一方的に彼女を責めた。信じてくれない夫に深く傷つけられたアビーは離婚の道を選び、独りで娘を産んで、娘のために身を粉にして働いてきた。今、その娘が婚約し、両親揃って結婚式に出てほしいと言い始めたので、アビーは激しく動揺したー娘の幸せのためならなんでもしたいけれど、別れた冷たい夫と顔を合わせることだけは避けたい!だがある夜、以前より男らしく魅力を増したサムが目の前に現れ…。
子を望んではいけないと思ってきた私が、 跡継ぎを望まれる大公妃になるなんて……。 「結婚1周年だよ、ミセス・パレンティ」 大富豪の夫サウルの甘いささやきに、ジゼルの胸は幸福感で満たされた。 ところが、愛を確かめ合った直後、衝撃の一報がーーサウルのいとこ、 アレジオ公国の大公アルドが暗殺事件に巻き込まれたというのだ。 駆けつけたサウルに跡を継ぐことを約束させ、アルドは息を引き取った。 “子供は作らない”それがサウルとジゼルの婚前の取り決めだったのに、 サウルが大公の座に就けば、世継ぎをもうけざるをえなくなる。 幼い頃に家族を失い、命の儚さを痛いほど知るジゼルは離婚をも考えた。 サウルも子供を作らないという決意は固く、どうにか道を模索すると言う。 だが運命は思わぬ方向へ転がる。ジゼルの予期せぬ妊娠が判明したのだ! 稀代の名作家P・ジョーダンが2部構成で描いた怒濤のロイヤル・シンデレラストーリーの後編です。アルド急死のショックによる体調不良が影響してか避妊薬が効かなかったジゼル。サウルからは、彼に隠れて妊娠を望んでいたのではないかと非難されて……。
父と娘ほどの年の差なんてだめよ。 でも、私が恋するなんて、もっとだめ! 高校時代、恋人がバイク事故で他界したヘイゼルは、 やがて妊娠に気づき、学校も行かずに娘を産み育ててきた。 その娘も19歳になり、この夏大学に入って家を離れたが、 今日久々に戻ってくるという。「友達を連れていくわ。特別な人なの」 娘がそう連絡してきてから、母として不安でたまらなかった。 ベルの音に玄関へ急いだヘイゼルは、40代くらいの男性を見て驚く。 「サイラス・ジャーディンです」優雅に手を差し出す相手を前に、 ヘイゼルの頭は大混乱した。これが娘の特別な人? こんなに年上の? 若い女性を餌食にする吸血鬼のような男かもしれない! にわかに怒りが湧いたーー男らしくてたくましい彼に惹かれている自分に。 《特選ペニー・ジョーダン》より大人のロマンスをお届けします。20代は子育てに明け暮れ、恥ずかしがり屋で引っ込み思案なヒロインはずっと恋とは無縁。そんな彼女をときめかせたのは、愛してはいけない人で……。円熟した魅力を放つヒーローにご注目あれ。
傲慢な彼が私をこの国に連れてきたのは、 愛人に仕立てるためだったの……? 幼くして家族を失ったジゼルは、引き取って育ててくれた大叔母のため、 いい介護施設の費用を稼ぐべく一生懸命に働いている。 たとえ好戦的な実業家サウルがクライアントであっても。 王族出身の彼は世界が思いどおりになると信じているようで、 意のままにならないジゼルを何かと目の敵にした。 だがある日、ジゼルは不用意な発言でサウルの怒りを買った際、 感情が高ぶった彼に唇を奪われ、思わず情熱的に応えてしまう! その後、サウルから彼の祖国への一時帰国に同行するよう命じられ、 ジゼルは気まずいながらも仕事のために現地へ飛んだーー サウルを執拗に誘惑する妃をかわす“道具”にされるとも知らず。 稀代の名作家P・ジョーダンが2部構成で描いた怒濤のロイヤル・シンデレラストーリーの前編をお贈りいたします。何も知らずに愛人に仕立てられてしまったジゼルはサウルを激しく責めるのでした。言葉の応酬を続けるうちに、またしても彼は感情を高ぶらせて……。
愛しい人の突然の心変わり。 シンデレラの恋は、風に儚く消え……。 サディーはロンドンでも指折りの金融機関に就職した。 だが喜んだのもつかのま、半年後には不当解雇の憂き目に。 さらに、仕事を求めてやってきた遠い異国の地では、 雇主の横暴により失業し、帰国の旅費もなく途方に暮れていた。 そんなとき、彼女に仕事を提供しようという人物が現れる。 雇主の家で一度すれ違った黒髪に美しい緑の瞳の男性、ドゥラックスだ。 しかも驚くべきことに、彼は隣の国を治める権力者だという。 本当かしら? まるで千夜一夜物語だわ。 不思議に思いつつも、彼の圧倒的な魅力に抗いきれず承諾した。 “仕事”の中身が、彼の双子の兄の花嫁になることとも知らずに……。 望まぬ政略結婚を退けるため、世間知らずの娘を選んでかりそめの妻とし、のちに大金を支払って離婚する計画を立てたドゥラックス。まずは兄の妻にと思って声をかけたサディーのことが、予想外に頭から離れなくなり……。甘く切ないシンデレラ・ストーリーです!
砂漠の王国を長期の仕事で訪れたサマンサは、宿泊先で大柄な男性と衝突し、弾みで抱擁とキスを交わした。以来、エメラルドのような瞳の男性の面影が心から離れなくなる。数カ月後、オアシスのほとりでの再会にサマンサの心は躍った。彼が私を捜しだし、会いに来てくれたんだわ!だが彼は、以前とは別人のように厳しい表情で立ち去ってしまう。ほどなく公式な謁見の場で、その理由が明らかになる。彼こそサマンサを呼び寄せた国王ビアハムだったのだ。あの熱いキスは戯れだったのよ…。傷心の癒えぬ彼女は、予期もしなかった。王に誘惑され、愛人の地位を用意されるとは!
「僕のベッドでいったい何を?」 その傲慢な声を、恍惚がかき消したーー 地味で実用的な服装ばかりのきまじめなジョディは、恋愛とはまるで無縁。 仕事熱心で小学校の校長に抜擢された彼女の目下の悩みは、 子どもたちの親の大半が勤める村の工場が買収され、 閉鎖の危機に追い込まれていることだ。 買収したのは、気鋭の有名実業家レオ・ジェファーソンーー 傲慢な乗っ取り屋が会社の利益のために村の心臓をもぎ取ろうだなんて! レオのような大企業トップにはそうそう会えないと聞き、 それならばと、彼の滞在先であるホテルの最高級スイートで待つことに。 ところがジュースと間違えてお酒を飲んで、夢うつつのうちに、 まったくいつもの彼女らしくなく、レオに純潔を捧げてしまい……。 翌朝、ジョディはレオに夜の仕事をしている女性と思い違いをされ、非難されて戸惑います。動転した彼女は身元を明かさないままその場をあとにしますが、後日、校長として出席した会食の席で、レオと気まずい再会を果たして……。P・ジョーダンの筆が冴える名作!
捨てられたのに、愛してる。 嫌いになりたいのに、愛してる。 ジェニスがこの世でいちばん会いたくない男性、ルーク・ラスビー。 8年前、外科医のルークはジェニスと婚約していながら、 突然一方的に婚約を解消してほかの女性と結婚してしまったのだ。 いま故郷に戻り、親友の結婚式に出席したジェニスは、 目を疑うような光景に出合い、胸がつぶれそうになったーー 昔と変わらぬ、黒髪に深い緑色の美しい瞳をしたルーク。 あのとき結婚した妻を失い、かわいらしい幼い娘を連れている……。 ルークと別れて8年も経つのにジェニスにいまだ恋人がいないのは、 じつは、いまもまだ彼を忘れられないから。愛しているから。 その事実がつらくて、その場を逃げようとするジェニスだったが……。 心は純粋なのに素直になれないヒロインを描き、共感を誘う名作家ペニー・ジョーダン。本作でもルークへの愛の深さと、失恋の深手ゆえ、8年も立ち止まったままのジェニスの切ない心情が巧みに描かれます。そしてやがて明かされる、ルークの結婚の真相とはーー?
教師のジェマは校長に退職を迫られ、落ち込んでいた。財政難ゆえのリストラで、実家が裕福な彼女に白羽の矢が立ったのだ。教師の仕事はジェマにとって生きがいだったし、古い価値観の両親とは折り合いが悪く、実家に頼りたくなかった。そんななか兄の結婚式で帰郷したジェマは、思わぬ人物と再会する。ルーク・オウローク。十代半ばで出逢い、心の友となった年上の男性。若気の至りで「キスのしかたを教えて」と彼にお願いし、些細なことから口論になって、疎遠になってしまったけれど…。あれから10年。美しく成長したジェマと、冷酷無比な大物実業家ルーク。痛いほど胸を高鳴らせるジェマに、ルークから思わぬ申し出がーこれから2カ月間、僕のアシスタントとして働かないか、と。
ルー・リヴシィ、25歳。花やハーブを育てながら、自分で修繕した古いコテージで、愛犬と穏やかに暮らしている。たとえ隠居した老婦人のような生活と思われてもかまわない。5年前、若すぎた結婚に大失敗して借金を背負わされたせいで、亡き父が遺した屋敷を手放さなければならなかったのだ。以来、ルーはもう決して男性に心を開くまいと決めていた。彼らが女性に言い寄る裏には、いつも何か別の理由があるのよ。隣に越してきたばかりの大富豪ニール・サクストンも同じ。「家政婦用に、きみのコテージが欲しい」いきなり強引に迫ってきて、ほかにも欲しいものがあるかのような目で、ルーをじっと見つめたのだ!
薔薇の棘のような彼の心に触れ、 わたしの指に血がにじむ……。 父が急逝し、ルーシーは長年住み慣れた領主館を離れようとしていた。 館を維持する財力はなく、継母と弟妹の面倒も見なければならない。 領主館は、アメリカ人のいとこ、ソールが相続することになっている。 じつはルーシーは12年前に彼に会ったことがあったが、当時、 子供ゆえの幼さで意地悪をしてしまい、それをずっと後悔してきた。 再会したソールは今や、いくつもの企業を切り回す大富豪となっていた。 ルーシーは美しい黒髪の彼に魅了され、大いに心を揺さぶられた。 しかし、二人のあいだのしこりは消えてはいなかったーー ソールは彼女に領主館から一秒も早く出ていけと言わんばかりに、 軽蔑のまなざしと辛辣な言葉以外、微笑み一つ向けてはくれなくて……。 イギリスを代表するロマンスの巨匠ペニー・ジョーダンが描くのは、素直になれず冷たい仮面をかぶりながら、その下では熱いハートを燃やす男女の物語。本作でも、過去のわだかまりを抱えた主人公たちの、はらはらするようなロマンスが繰り広げられます!
5年前、アニーは交通事故で身心に大きな傷を負い、記憶も失った。それ以来、他人を避けて孤独に生きてきたが、ある日、“夢の恋人”とそっくりな男性とすれ違った。夜ごと夢に現れては彼女を抱きすくめる、たくましい体、長い手足…。直感のままに車を走らせると、どこか見覚えのある屋敷にたどり着いた。中から出てきたのはーあの“夢の恋人”だった。威圧的だけれど魅力をたたえる彼に、アニーは目を奪われ、陶然となる。しかし夢では美しいはずの“恋人”の顏は今、苦悶の形に歪み、アニーに軽蔑と怒りのまなざしを向けていた。「君は僕の妻だ。なぜ平然と戻ってきた?」
まさかセバスチャンが、重要な取引先の社長だったなんて…。デザイナーの卵のジェシカはセビリアにある会社を訪れ、服作りに最高の素材と出合うが、社長が誰かを知って愕然とした。豪壮な館に住むスペイン伯爵のセバスチャンとは、従妹の恋の不始末を巡って激しい言葉の応酬を繰り広げたばかりだった。彼は、話をするため伯爵邸を訪れたジェシカを従妹だと思い込み、金目当ての性悪女と、一方的に罵ったのだ。商談の席でも侮辱を続ける相手の頬を、ジェシカが思わず平手で打つと、セバスチャンは気高い顔に軽蔑と怒りの色を浮かべ、言い放った。「我が一族に手をあげた者は、必ず報いを受けるぞ!」
深く傷ついた初恋のせいで男性を信じられなくなったモデルのヘザー。24歳になった今も、彼女が恋愛未経験であることは誰も知らない。その証拠に、ヘザーには、美貌を武器に次々と恋人を作っては容赦なく捨てる女だという評判がいつもつきまとっていた。そんな彼女に、またも言い寄る男がひとりー女性との噂が絶えない、危険な魅力をたたえた会社重役のレイス。「僕はきみが欲しい。きみも僕を求めるようにさせてみせる」高らかに宣言する彼に恐れをなしたヘザーは、ロンドンを出てスコットランドにある知人の別荘へ逃れた。翌朝目覚めると、驚愕の光景が待っていた。なぜ…レイスがここに!
モデルのクリスは滞在先のニューヨークで驚愕の手紙を受け取った。疎遠になっていた従姉妹が突然亡くなり、その一人娘の後見人にクリスが指名されているのだという。急いで帰郷したクリスを、亡き従姉妹の夫スレイターが迎えた。19歳のころ、クリスは恋人のスレイターに夢中だったが、彼と従姉妹との親密な場面を目撃し、故郷を飛び出したのだった。それから7年、懸命に彼を忘れようとしてきたのに…。懐かしい屋敷で再会したとたんスレイターは嘲りの笑みを浮かべ、冷ややかな声で言った。「きみはぼくに借りがある」借りですって?戸惑うクリスに、彼はいきなりキスを浴びせ…。
恋の仕返しを心に決めたプレイボーイが、“にせ妊婦”を相手に本領を発揮しー。まだ17歳の姪が年上の男性に弄ばれていると聞いたチェルシーは、姪をプレイボーイから救うため、一計を案じる。チェルシーが世慣れた妖婦を装って近づくことで、相手の大富豪スレードの気をそらし、姪を引き離すのだ。苦い初恋から男性を避けてきたわたしに、そんなことができるかしら?不安をよそに、チェルシーの演技が功を奏していい雰囲気になった直後、彼女はスレードの欲望の手をかわしてその場から姿を消した。ところが後日、思いもよらない場所で再会してしまった!しかも、スレードはチェルシーを悪女と思い込んだままで、“あのときの借りは返してもらう”とばかりに彼女に迫り…。