著者 : ミランダ・リー
セバスチャンはオーストラリアでも指折りの大富豪。彼の恋人の座を狙う女性はごまんといる。そんななか、セバスチャンの屋敷で家政婦として働くエミリーは、彼が快適な生活を送れるよう心を砕くことで十分満足していた。そう、自分が彼に恋をしていることを思い知るまでは。でも、私が求めているのは彼のようなプレイボーイじゃない。結婚して平穏な家庭を築いてくれる誠実な男性よ。このままこの家で働きつづければ、私は不幸になる。辞表を出したエミリーに向かって、セバスチャンは言った。「夫と子供が欲しいなら、僕が叶えてやる。結婚しよう」
アビーは有名な大富豪ジェイクの邸宅で、家政婦をしている。学歴もなんの資格もない私に、彼は仕事をくれた。雇い主がぶっきらぼうでも、アビーは熱心に働いて感謝を示した。ある日、ジェイクに一緒に外出しようと誘われてから、二人の距離はみるみる近くなり、アビーは彼に身を任せてしまう。ただし、ジェイクは「僕に恋はするな」と何度も警告した。そのたび、アビーはほろ苦い気持ちで「大丈夫」と繰り返した。だがピルをのみ忘れたと気づいたとき、彼女はパニックに陥った。彼の子供は欲しい。問題は私の体では赤ん坊が育たないこと…。
十代で孤児となったレイチェルは、懸命な看病の甲斐もなく養母を亡くしたあと、裕福でハンサムなコンサルタント、ジャスティンの秘書になった。ある日、彼と訪れた出張先で、元恋人とでくわす。だが、彼女を見てもまるで気づかないのだ。無理もないわね。やつれてメイクもせず黒いスーツ姿の私では。すると、事情を知ったジャスティンが言った。「エステに行って、髪もメイクもすべて変えてみたらどうだ?」数時間後、バーのダンスフロアで待つボスの前に立った彼女は、ゴージャスな彼に見つめられたーとびきり熱いまなざしで。「今、きみと踊るのは賢明ではないな」
リーアにとって人生は完璧だった…あの事故に遭うまでは。酷い傷を負ったリーアは女としての自信を喪失していた。どんな男性にも心そそられるつもりはなかった。それなのに、新しく就任したやり手の社長ジェイソンの目に留まってしまう。誰もがその美貌に目を奪われ、足を止め、振り返るほどの、美しい彼が近づいてくるだけで、目眩がし、胸が高鳴る。しかし彼には、愛人にしかできないと言われているのだ。もし私の体に残る傷跡を見たら幻滅するに違いないと思うとーリーアの胸はねじれるように痛んだ。
ジョーダンはシドニーで仕事に打ち込んでいるが、 私生活でも、すてきな男性からプロポーズされている。 なのになぜか、イエスという返事ができないでいた。 いいえ、理由はわかっている。わたしは忘れられないのよーー 初恋の男性、ジーノのことを。身も心もぼろぼろにされたのに。 そんなある夜、彼女は高級ホテルのバーで思いがけずジーノと再会する。 ジーノは10年の歳月などなかったように、彼女を熱く誘惑した。 フロアで体を寄せ合って踊ると、当時の情熱がよみがえる。 「さあ、僕のスイートルームへ行こう」ジーノが耳元でささやく。 ジョーダンは身を委ねた。再び泣き明かすことになるとは知らずに。 激しい恋をテンポよく描いて人気のスター作家ミランダ・リーが、愛と憎しみの狭間で揺れ動くヒロインの苦悩を描きます。情熱的なイタリア人ヒーローとのめくるめく愛を存分にご堪能ください。
2カ月前に母を病で亡くしたばかりのマリーナは、 白血病の少女に骨髄を提供するため、はるばるイギリスへやってきた。 空港に迎えに来ていたのは、約束の運転手ではなく、 少女の親族である若く美しきウィンターボーン伯爵、ジェームズだった。 はじめこそ、尊大な態度をとる彼に反感をおぼえたものの、 互いに身の上話をするうち、しだいに打ち解けていった。 そしてマリーナは伯爵に魅了されている自分に気づくーー心も、体も。 経験したことのない我が身の反応に戸惑うと同時に、気分が浮き立つ。 だが、伯爵邸に案内されるなり、ジェームズの世話係の老人が忠告した。 伯爵様には、婚約を考えている美しい令嬢がおられます、と。 名うてのプレイボーイ伯爵の唇からこぼれた“ノーとは言わせない”という誘い文句が、何度も頭にこだましてしまうほど純朴なヒロイン。魅力的な彼との間に慎重に距離を保とうとしますが……。大スター作家リン・グレアムがお好きな方におすすめしたい一作です!
世界中の女性を虜にする悪名高き企業家、ウォリック・キンケイド。彼と一夜をすごすなんて、アンバーにとっては青天の霹靂だった。ましてや翌朝、一緒に暮らしてほしいと言われるとは。ただし、ウォリックははじめに釘を刺したー愛はおろか結婚も子供も望まないし、続いてもせいぜい1年だが、と。そんな身勝手な提案は拒むべきだったけれど、もう恋に落ちてしまったアンバーは、彼の胸に飛び込んだ。10カ月後。最近、ウォリックの態度がよそよそしくなってきた。今夜も手料理を用意して待っているのに、彼は帰ってこない…。
妹の結婚式だというのに、ケイトは祝福できずにいた。ずっと思い焦がれていた人を美人の妹に奪われ、あげく花嫁の付添人まで務めることになるなんて…。そんな彼女の深い悲しみを見抜いたかのように、花婿の付添人が青い瞳でこちらをじっと見つめてきた。ブレイク・ランドールー世界に名を知られた大富豪は、ケイトをダンスに誘い、笑わせ、体調や仕事の心配をし、あっという間に彼女の心を鷲づかみにしてしまう。無垢なケイトは気づきもしなかった。彼の本当の狙いさえも。
キャスリンは大財閥の御曹司ヒューの秘書に採用されて数カ月になる。父親に代わって巨大企業のCEOを務めることになったボスは、何よりも女性を愛するプレイボーイとして名高いが、彼女はあくまでも上司と部下の関係を貫いていた。そんなキャスリンには一刻も早く結婚したい事情があった。幼いときの自分に救いの手を差し伸べてくれた亡き恩人ーその大事な思い出の家を受け継ぐには、30歳までの結婚が条件なのに、1カ月後に期限の誕生日を迎える今になっても相手が見つからない。どうしたらいいの?ある朝、泣きはらした顔で出社すると、キャスリンはボスに理由を問いつめられ、真相を告白してしまい…。
アビーは、整形外科医イーサンのクリニックで受付の仕事をしている。恋人の裏切りで男性不信に陥っていたが、イーサンのほうも、なぜか女性に嫌悪を抱いているようだった。そんなある日、彼が出張に同行してほしいと頼んできたー恋人として、多額の報酬つきで。いつもハイド氏のように冷酷な彼を見ているアビーは、即座に断った。だがその翌日、予期せぬ事件が起こる。アビーが母と慕う恩師の家で大金が盗まれたのだ。嘆き悲しむ恩師を前に彼女は心を決めた。イーサンの頼みを受け入れよう。アビーは不安を胸に旅立った。まさか彼に心奪われるとは夢にも思わず。
ジュリアーナと富豪のブレイクは、“友人同士”の夫婦だ。互いの便宜を図り、世間体と財産を保つために結婚した二人は、ベッドでの相性もよく、安定した関係を築いていた。そんなある日、ブレイクの乗った飛行機が行方不明になり、彼は結局ぶじ戻ったものの、ジュリアーナは半狂乱になった。夫は友人なんかじゃない…わたしは、彼を愛している!問題は、気づいてしまったその気持ちを伝えられないこと。ブレイクは妻に愛されることを望んでいない男なのだ。告げられない想いを胸に秘め、彼女はその夜、奔放に夫を愛した。皮肉なことにブレイクは、妻の変化を不倫の兆候だと思い込みー
「母の誕生パーティに、恋人として同伴してくれないか?」プレイボーイ富豪バイロンの言葉に、クリーオは耳を疑った。化粧の仕方も知らない私が、大富豪の恋人役に?母親の押しつけてくる花嫁候補をかわすためだと彼は言うが、あかぬけない秘書の私を彼の恋人と思う人などいないだろう。しかし結局、バイロンの巧みな説得に負けたクリーオは彼のエスコートで華やかなパーティに臨んだ。不慣れなドレスとハイヒールを身につけ、彼の手が触れるたびに感じる胸のざわめきに戸惑いながら。
大富豪の夫スコットといつになく激しい夜を過ごした翌朝、彼が差し出したものを見てサラは愕然とした。それは、サラと同僚の男性との密会を匂わせる写真だった。売り言葉に買い言葉で口論になり、サラは家を飛び出した。ゆうべのスコットの激情は、嫉妬と復讐にすぎなかった。この結婚は写真1枚でたやすく壊れるほどのものだったのだ…。だが数日後、荷物を取りに戻ったサラは夫の魅力に屈してしまう。自分の弱さを恥じながら、サラは衝撃の事実に思い至った。最近ピルをのんでいない!こんな状況で妊娠したら…。
あれはセリーナが15歳、ニコラスが18歳のときだった。卒業パーティの夜、ふたりは初めての幼い愛を確かめ合った。だが彼はイギリスへ留学してしまい、やがて連絡は途絶えた。幾年かが過ぎ、セリーナは愛娘とふたりで幸せに暮らしていた。ある日、娘がもたらしたニュースにセリーナは愕然とする。「ニコラス・デュプレが、わたしたちの学校に来てくれるの!」小学校のチャリティ・イベントのため、娘みずから手紙を書き、地元出身の世界的億万長者である彼に出演を依頼したのだという。ニコラスと、彼を招待した娘の対面は避けられないだろう。お互い、父と娘であることも知らないまま…。
男性の目を引くセクシーな容姿が、セリーナには悩みの種。 軽い女に見られるが本当は奥手で、目立たないように生きてきた。 ある日、彼女が働くレストランに、ビジネスマン風の客が訪れた。 ハイスクール時代の憧れの先輩、アーロン・キングズリー! 17歳の頃、酔った少年たちに絡まれ、助けてもらったことがある。 あれからずいぶん経つけれど、私をまだ覚えているかしら? 昔どおりの魅力の上に、成功した者特有の雰囲気をまとった彼は、 セリーナに気づくと興味深そうに彼女の全身を眺めまわした。 彼も他の人と同じねーーセリーナは失望を隠して接客するが……。
タラが世界的に有名なホテル王マックスに見初められてから1年。彼女は最近、ふと不安な気持ちに襲われるようになった。多忙な彼と会える時間はわずか。しかもいつもベッドの中だけ。つまり、彼にとって私は都合のいい愛人なんじゃない?しかもタラはここ最近、吐き気と体調不良に悩まされてもいた。-じつは彼女は妊娠していたのだ。マックスに知られたら堕胎を迫られる…怯えたタラは家を出るが、彼は金の力で強引に捜しだすと、驚いたことに結婚を申し出た。なぜ今になって突然そんなことを言い出したの?結婚よりも本物の愛を欲していたタラは、彼にある提案をする。
愛だけはくれないプレイボーイの誘惑。 溺れるのはどうかしている。でも……。 カウンセラーのアリスは、ロンドンにある保護施設で、 暴力をふるわれた女性たちのために働いていた。 ある日、資金も人手も圧倒的に足りないその施設に、 途方もなく美しい大富豪が支援を申し出てきた。 ジェレミーはロンドン一のプレイボーイと噂される男性だ。 彼の目的が自分だと、アリスは最初から気づいていた。 それでも、アリスはジェレミーに身を差し出すしかなかった。 苦しむ女性たちを一人でも救うためには、お金が必要なのだ。 バージンだと知られて、彼に幻滅されるとしても。 35歳までに大富豪になると誓った〈独身富豪クラブ〉のメンバーたち。クラブ最後の大物独身プレイボーイ、ジェレミーが満を持して登場です! 狙った女性は必ず落としてきた彼の次の標的は、過去のつらい経験から男性恐怖症になったアリスでした……。
ウエディング・コーディネーターのフィオーナのもとに、 ある日、大富豪の未亡人から仕事の依頼が舞い込んだ。 彼女の一人息子の結婚式をコーディネートしてほしいという。 願ってもない大きな仕事だが、一つだけ問題があった。 じつはその息子、フィリップとフィオーナは10年前、 結婚式を挙げた仲なのだ。その日の夜に無効になったけれど。 当然、フィリップは彼女にすぐ気づき追い払おうとするが、 思い直したのか、互いに他人のふりをしようと提案してきた。 フィオーナも了承し、仕事に打ち込もうとするが、なぜかできない。 気づいてしまったのだ──今も変わらず、彼を愛していることに。 愛する男性の結婚式をコーディネートすることになったヒロイン。しかもヒーローのため、10年前の自身の結婚式の夜に起きた事件については秘密にしたまま……。ほろ苦い大人のロマンスです。
ビアンカのそばにはいつもアダムがいた。2人は幼稚園からの幼なじみで、大人になった今も、ビアンカが何か困ったことに巻き込まれるたび、アダムは的確な助言をくれたり、泣く肩を貸してくれたりする。あるとき、ビアンカはまたしても困った事態を招いてしまう。故郷の母親を喜ばせようと、つい結婚したと嘘をついてしまったのだ。母が訪ねてくる間だけ、アダムに夫のふりをしてもらおうーー。ところが、いつも優しいアダムが初めて彼女の頼みをはねつけた。そして、見たこともない冷たい男の顔をして言ったのだ。「夫のふりをするのなら、本物らし