著者 : リチャード・ノース・パターソン
辣腕弁護士トニーのもとに、思いがけない仕事が持ち込まれた。依頼人は高校時代の親友で、いまは母校の教頭をしているサム。教え子の女生徒と関係を持ったあげく、殺害の容疑をかけられているのだ。トニーの脳裡によみがえったのは、彼自身が28年前に恋人を殺したとして無実の罪を着せられ、苦悩した悪夢のような日々-過去と現在の殺人事件が絡みあう圧巻の法廷サスペンス。
故郷に舞い戻ったトニーは、絶対不利な裁判を水際立った弁護で強引に無罪評決へと持ち込もうとする。対する検察側からは意外な事実が提出される。真実をめぐって繰り広げられる息づまるゲーム。すべての真相を知りながら沈黙をつらぬく殺人者の正体とは?そして封印されていたトニー自身の過去の悪夢の結末は?-法廷サスペンスの鬼才が心血を注いだ、追憶と懊悩の人間ドラマ。
麻薬とワインの飲み過ぎで恋人と泥酔状態に陥った女子大生ブレット。気がつくと恋人は全裸で何者かに刺殺されていた。現場には血まみれのナイフと財布。彼女は殺人罪で逮捕されるが、かたくなに無実を主張する。ブレットの叔母の辣腕弁護士キャロラインは、姪を助けるため23年ぶりの帰郷を決意したが、彼女を待ち受けていたのは、思いもよらぬ事件と秘められた過去の愛憎劇だった。
ブレットに対する予審がいよいよ始まった。検察側が突きつける一見隙のない論証を、キャロラインは水際に立った弁護で次々とひっくりかえしながら、独自の調査をもとに着実に犯人を追い詰めていく。しかし、捜査が進むにつれ、彼女が23年間封印してきたある記憶がよみがえってくる。永遠に故郷を捨てることを決意した、あの悪夢の事件が…。サスペンスの巨匠による最高傑作登場。
中西部の都市スティールトンでは、球場建設の是非を焦点に、現職市長と郡検事プライトとの熾烈な市長選が繰り広げられていた。法廷で無敗を誇り、“ダーク・レディ”の異名をとる検事補ステラはブライトの命を受けて、性倒錯と麻薬のからむ変死事件を手がける。だが、被害者の一人は、かつての恋人ノヴァクだったー。サスペンスを超えた深遠な人間ドラマ、文庫オリジナルで登場。
変死した弁護士ノヴァクは、麻薬の不正取引に関わっていた。地方検事としての未来を渇望しながら、ノヴァクとの過去が原因で自らの地位が危ぶまれるステラは、それでも事件の真相に迫ろうとする。やがて、二つの事件が同一犯によるものだと判明。さらに謎を解明する一本のビデオテープが見つかる…。サスペンスの世界に、家族小説、政治小説の要素を融合させた、巨匠の最高傑作。
民主党より上院選への出馬を要請された辣腕弁護士、クリストファ・パジェット。恋人のテリは、夫リッチーとの離婚を決意。が、リッチーが流した陰湿なゴシップが二人の未来に影を落とす。そこへ、リッチーの突然の死。それを密かに願っていた人間は少なくはない。しかし警察が逮捕したのは、なんとクリストファだった。本当に彼はクロなのか?それは読者にも分からない…。
自殺か?他殺か?検察は後者と見た。辣腕弁護士・クリストファが逮捕され、弁護に乗り出したのはあのキャロライン・マスターズだ。群がるマスコミ。息子カーロやテリにも芽生える不信。深まる孤独。証言は次々と覆され、陪審員の心証は日々入れ代わる。そして、息詰まる公判がすべて終わったあとに待っていた、真実とは?すべての法廷スリラーを越えた、圧倒的サスペンス。
弁護士クリスにテレビ・インタビュアーのメアリから電話が入った。有名作家からレイプされそうになり、誤って射殺したというのだ。かつてクリスと関係を持ったメアリは、その後、息子カーロをもうけたが、別れて長い間没交渉だった。女性弁護士テリーザとともにクリスは正当防衛の線で弁護を引きうけるが、事件には多くの秘密が隠されていた。全米を沸かせた法廷ミステリーの最高傑作。
正当防衛かそれとも謀殺かー。全米が見守る中、予審が開始された。検察官シャープの冒頭陳述を皮切りに関係者が次々と証言すると、メアリの主張が検屍結果と微妙に食い違っていることが明らかになった。現場に残されたテープをめぐり、検察と弁護双方の駆け引きが続くさなか、テリーザは事件の謎を解く鍵を手に入れる。男女の葛藤、親子の絆を感動的に織り込んだ物語の結末は…。