著者 : 三好陽子
シンデレラが恋した大富豪。 近づくほど、彼の心は遠くなり……。 ロンドン郊外にある大きな屋敷で庭の手入れをしているダニー。 主は家に高い塀を巡らせ、護衛と番犬に囲まれて暮らしており、 敷地内のコテージに住みこむダニーもいまだ姿を見たことがない。 ある夜、ダニーが芝刈り中に背後から突然、長身の男性が現れた。 荒削りで野性的な美しい顔ーーなんと、彼こそが屋敷の主ピアスだった! 傲慢そうで冷たいブルー・グレイの瞳をした彼は、 39歳にして大企業を率いる大富豪だが、どこか陰があり謎めいている。 そんな彼に魅了され、気づけばダニーは純潔を捧げていた。 ところが、ピアスが彼女に向けた言葉は、あまりにも冷酷なものだった。 「こんなふうに君と何度会っても、君とは結婚しないよ」 キャロル・モーティマーが1985年に書いた珠玉のシンデレラ・ストーリーをお届けします。「僕を愛してはいけないよ」そう忠告するヒーローに向かって、「もう愛してしまったわ」と堂々宣言する若きヒロインがとても清々しく、格好よくさえ感じられます!
私の結婚はどうなってしまうの? 花婿がすり替えられていたなんて! 結婚式の日、誓いのキスのために絹のヴェールが持ち上げられ、 20歳の花嫁ケイトは花婿の顔を見て、驚きのあまり声を失った。 婚約者ではなく、見ず知らずの男性だったのだ! 誰なの、この人は? 口づけの間際にケイトが発した叫び声は、オルガンの音にかき消された。 長身の花婿が深みのある妖艶な声で囁く。「静かに、ケイト」 そして巧みに唇を奪い、正式にケイトの夫となったその花婿の正体は、 婚約者から“結婚代理人”を頼まれた、彼のいとこのシャルルだった。 大した身分でもないケイトとの結婚を母に反対されてこうなったらしい。 だからって、私はどうしたら……? 戸惑うケイトに、シャルルが告げた。 「僕は手つかずのままで、花嫁をいとこに引き渡したいと思っている」 それなのに、共に過ごすうち、ケイトはシャルルを愛してしまい……。 姑になるはずだった婚約者の高慢で独善的な母、つまりシャルルの伯母は、ケイトを毛嫌い。けれども、いびられっぱなしではいない芯の強さを快く思ってくれるシャルルに、ケイトは惹かれていくのでしたーーただの“一時預かりの花嫁”なのに。紙書籍限定再版!
憎みきれない愛しい人。 もう会えないと思っていたのに……。 19歳で両親を亡くしたレクシーは、父の借金を肩代わりした ハンサムな実業家ジェイクと恋に落ち、結婚した。 すぐに夫の子を身ごもり、順風満帆のレクシーだったが、 流産した後から歯車が狂い始める。ジェイクと秘書の密会現場を 偶然目撃してしまったのだ。私は愛されていなかったの……? ショックで家を飛び出してから5年。ようやく離婚について 話し合う覚悟ができた彼女の前に、ジェイクが現れた。 「きみは僕の妻だ、離婚は許さない。必ず取り戻す」 なぜ今になって? 私はあなたの所有物じゃないわ。 憎しみと愛情のはざまで、レクシーの心は千々に乱れた。 ハーレクイン・ロマンス黎明期を支えた人気作家、ジャクリーン・バードが描く夫婦再生ロマンス! 若すぎた花嫁は5年の歳月を経て、自立した大人の女性として、再び傲慢すぎる夫と対峙することに……。ヒロインの心情に思わず引きこまれる逸作です。
薔薇の棘のような彼の心に触れ、 わたしの指に血がにじむ……。 父が急逝し、ルーシーは長年住み慣れた領主館を離れようとしていた。 館を維持する財力はなく、継母と弟妹の面倒も見なければならない。 領主館は、アメリカ人のいとこ、ソールが相続することになっている。 じつはルーシーは12年前に彼に会ったことがあったが、当時、 子供ゆえの幼さで意地悪をしてしまい、それをずっと後悔してきた。 再会したソールは今や、いくつもの企業を切り回す大富豪となっていた。 ルーシーは美しい黒髪の彼に魅了され、大いに心を揺さぶられた。 しかし、二人のあいだのしこりは消えてはいなかったーー ソールは彼女に領主館から一秒も早く出ていけと言わんばかりに、 軽蔑のまなざしと辛辣な言葉以外、微笑み一つ向けてはくれなくて……。 イギリスを代表するロマンスの巨匠ペニー・ジョーダンが描くのは、素直になれず冷たい仮面をかぶりながら、その下では熱いハートを燃やす男女の物語。本作でも、過去のわだかまりを抱えた主人公たちの、はらはらするようなロマンスが繰り広げられます!
彼なしでは生きていけない。でも、 彼と生きていけるか、わからない……。 同僚とレストランに入ったライザは、ふと鋭い視線を感じて身震いした。 顔を上げると、見覚えのある青い瞳に射貫かれた。 スティーヴ! 別れたはずの夫が、なぜこんなところに? 1年前、ライザはまったく身に覚えのない不貞を疑われ、 限界まで追いつめられた末に、耐えきれず家を飛びだしたのだった。 思わぬ再会から数日後、今度は取引先の社長としてライザの前に スティーヴが現れ、去り際に謎めいた言葉を残していった。 「また僕のもとに戻ってくるんだ。貸したものは返してもらう」 ライザの心はかき乱された。彼なしの人生は虚しい。 でも、私を信じてくれない人と暮らすのは、もっと虚しい……。 男と女の愛憎入り乱れるドラマを巧みな筆致で情熱的に描く名匠、C・ラム。本作も、愛してほしいのに愛してもらえない、愛したいのに愛させてもらえない、夫と妻の複雑な心が表現されています。
地味で冴えない私が、 ゴージャスなボスの花嫁にーー? ウィニーがモーガンの秘書になって5カ月。 ニューヨークでいちばんセクシーな男性と言われる彼は、 いつも美女たちに囲まれ、ウィニーの名前はおろか、 毎夜、彼を想って眠れぬ夜を過ごしているとは知る由もない。 職場を変われば、きっと彼のことを忘れられるーー ウィニーはついに転職を決意した。 ところが、新しい会社での採用が決まったばかりのウィニーを 空港で迎えたのは、ほかならぬモーガンだった! 呆然とする彼女をリムジンに乗せると、彼は切り出した。 「僕と結婚してくれ。ただし、これはビジネスだ」 数多の名作を生みだしてきたベテラン作家、ジェイン・ポーターが筆をとる、大人気のボス&秘書テーマの作品をお贈りします。
あなたを愛したくないの。 いつか失う日が来るのが怖いから……。 結婚後まもない夫を事故で失ったフランチェスカに、 3年後、富豪実業家ドミニクとの電撃的な出会いが訪れる。 立ち寄った銀行で、彼と目が合った瞬間、強烈な磁力を感じた。 麝香の香りと、ギリシア神を思わせる罪深いほどセクシーな美貌。 画廊での再会を皮切りに、ドミニクは彼女の行く先々に姿を現す。 これは偶然? それとも……。けれど淡い恋の予感を、 辛い過去の記憶がたちどころに消してしまうのだ。 誰かをまた愛して失うのはいや。そんな彼女の胸の内も知らず、 ドミニクは猛烈なアプローチを始めるーー。 HQロマンスが誇る数々の逸作を厳選! “伝説の名作選”第2弾です。往年の名作家ヘレン・ビアンチンが得意とする強引で傲慢なヒーローが登場し、あなたを虜にします。こんなふうに愛されたい! 熱愛物語をお楽しみください。
父の死後、初めて母の遺品を見ることを許されたサビーヌは、 実の父がほかにいるという事実を知って愕然とした。 生前、母はフランスの生まれ故郷について多くを語らなかったが、 かの地に行けば、本当の父親がわかるかもしれない。 不安を胸に抱えて、サビーヌは母の故郷の村を訪ねた。 すると一人の男がサビーヌを見たとたん、怒鳴りつけてきた。 目に軽蔑の色を浮かべて、二度とここに来るなと言って。 危険な香りと、鮮烈な魅力を放つ男の剣幕に思わず凍りつく。 彼は、私の父が誰か知っているのだろうか……?
父の死後、強欲な継母に全財産を奪われ、途方にくれていたベヴィン。 風邪をおしてアルバイトに出かけたある日、高熱を出して倒れ、 居合わせた男性ジャーヴィスの家に運ばれた。 数日後、快復したベヴィンはお礼に手料理をふるまうことに。 聞けば彼は大企業の社長で、もうすぐ迎える誕生日までに結婚しないと 遺産相続権を失うのだという。 しばらく夕食を作ってほしいと彼に頼まれ、ベヴィンは胸を躍らせた。 ところが、新聞の衝撃的な記事に気づいて、言葉を失う。 ジャーヴィスが婚約! お相手は……ベヴィン・ペンバートン? 「こうなったら、ベヴィン、君に婚約者役を演じてもらうしかない」 “君となら結婚してもいいな”--独身貴族の彼の思わせぶりなささやきにどぎまぎするヒロイン。一緒に過ごすうちにどんどん彼を好きになっていくのが切なくて……。かわいらしいヒロインを描くのが得意なジェシカ・スティールの、とびきりピュアな恋物語。
イギリス北部の美しい湖のほとりに立つ、優雅な屋敷。 苦い思い出だけが残るかつての住まいに戻ってきたことを レイチェルは激しく後悔していたーーいくら葬儀のためとはいえ。 10年前、レイチェルはある出来事を機に、 心から愛した富豪の夫マシューと別の人生を歩むことにした。 その後、マシューはレイチェルのいとこ、バーバラを後妻に迎え、 今、そのバーバラが病でこの世を去ったのだ。 親戚らしく彼に悔やみを告げたら、すぐにロンドンへ帰ろう…… 封印した悲しみが、ふたたび胸にあふれだす前に。
ニースのヴィラ・ジャスミンで催されるパーティは盛況だった。 主催者はジョアンヌの母。輝くばかりの美貌の持ち主である。 その母親の陰で、ジョアンヌは20年間ひっそりと生きてきた。 ところが、巨額の財産を一世代で築き上げた 投資家ベンとの出逢いが、ジョアンヌの運命を狂わせる。 彼の心を射止めたくて、生まれて初めて化粧をし、 消え入るような思いで真紅のドレスに身を包んだのだ。 だが、彼は見もせず、母のもとへと向かった。 胸の痛みに耐えかねて、ジョアンヌはそっと顔を伏せた。
私の赤ちゃん……。レクシーは嗚咽をこらえて涙をぬぐった。 二十歳の彼女はハンサムでやさしいジェイクと結婚し、 子供を授かり、昨日まで幸せいっぱいだった。 ところが流産をしてしまい、その悲しみが癒えないうちに、 夫が愛人と離婚の相談をしているのを聞いてしまう。 打ちのめされて家を飛び出してから5年……。 ようやく立ち直りかけた彼女の前に、ジェイクが現れる。 記憶以上に魅力的な彼は、不敵な笑みを浮かべて告げた。 「僕の妻を取り戻しに来た」
ダニーはロンドン郊外の大きな屋敷で庭師として働いている。 屋敷の主は家のまわりに高い石塀を巡らし、つねにボディガードに 囲まれて暮らしており、いまだ姿を見たことはない。 きっと人間不信の哀れなおじいさんに違いないわ。 ある夜、庭の芝を刈っていたダニーは背後からの声に驚いた。 振り向くと、若くハンサムな男性が睨みつけている。 彼こそがこの屋敷の主、ピアス・サザランドだった。 謎めいたピアスの魅力に惹かれ、ダニーは身も心も捧げるが、 彼の言葉は、あまりにも冷たいものだった。 「僕が君を愛することは決してない。期待するな」 1987年に刊行された、人気作家キャロル・モーティマーの意欲作です。謎めいた過去を持つ人間不信の大富豪を愛してしまった、貧しく無垢なヒロイン。彼の心は固く閉ざされたままで……。
ホテル付秘書のアルバイトをするクローディアは、日によってホテルのオフィスで働くこともあれば、宿泊客の要請で臨時の秘書を務める場合もある。今日の任務は、最上階のスイートルームに滞在する客の臨時秘書。客は世界的な億万長者のエリス・ルフェーブルだ。“彼はトラブルそのもの。気をつけて”-そんなホテル側の注意が的中し、クローディアはさっそくトラブルに巻きこまれた。部屋に入るなり、一方的にエリスから言い渡されたのだ。「今夜は、きみもここに泊まるように」