小説むすび | 著者 : 佐野晶

著者 : 佐野晶

忘れられた婚約者忘れられた婚約者

身寄りなき不遇なお針子がまさか、 子爵の“亡き婚約者”だったとは……。 6年前にロンドンに出てきたメアリーは仕立屋でお針子をしている。 今の生活以前の記憶はまったくなく、天涯孤独の身だ。 ロンドンでも指折りの優秀なお針子にもかかわらず無給だが、 食事と眠る場所の心配がないだけでも感謝していた。 そんなある日の朝、メアリーはお使いの帰りがけに 黒髪に全身黒ずくめの紳士に追いかけられ、怯えながら店に戻った。 あれは誰だったの? なぜだか胸騒ぎが止まらない……。  数日後、メアリーはその謎の紳士、マシソン卿と思わぬ場所で再会し、 激しい怒りに燃えた様子の彼から一方的に問いただされる! 「結婚式の前に、きみがぼくのもとから逃げた理由を教えてくれ!」 身に覚えのないことを言われて戸惑うほかなかったメアリー。その後、不幸にも彼女は雇い主から解雇され、ロンドンの外へ追いやられてしまいます。無一文で放り出され、路頭に迷った彼女の前に現れたのは、またしてもマシソン卿で……。珠玉の記憶喪失ロマンス!

蝶になれないシンデレラ蝶になれないシンデレラ

家なき乙女が助けを求めたのは、 “元親友”の不遜な伯爵ーー 「私を名ばかりの妻にしてもらいたいの」 震える心を抑えこみ、ジョージアナはひと息に言った。 父亡きあと住む家を失った彼女は、男性恐怖症だというのに、 利己的な継母に花婿探しを強いられそうになっていた。 切羽つまった彼女が頼ったのは、大好きだった幼なじみーー 離れていた10年間、手紙ひとつくれなかったエドモンドだった。 近寄りがたい伯爵となった彼は、ジョージアナの願いをすげなく断る。 だが、胸の谷間もあらわなドレスを継母に無理やり着せられ、 絶望的な思いで社交界デビューしたジョージアナの前に、 再びエドモンドが現れたーー冷たいグレーの瞳に怒りをたぎらせて。 エドモンドは冷淡な態度をとったことを詫びると、花婿探しに協力すると申し出ます。行動をともにするうち、10年前に身分違いのふたりの友情が大人たちの手で引き裂かれていたことがわかり……。人気作家が英国摂政期を舞台にみずみずしく描く、可憐な初恋物語。

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