著者 : 佐野晶
6年前にロンドンに出てきたメアリーは仕立屋でお針子をしている。今の生活以前の記憶はまったくなく、天涯孤独の身だ。ロンドンでも指折りの優秀なお針子にもかかわらず無給だが、食事と眠る場所の心配がないだけでも感謝していた。そんなある日の朝、メアリーはお使いの帰りがけに黒髪に全身黒ずくめの紳士に追いかけられ、怯えながら店に戻った。あれは誰だったの?なぜだか胸騒ぎが止まらない…。数日後、メアリーはその謎の紳士、マシソン卿と思わぬ場所で再会し、激しい怒りに燃えた様子の彼から一方的に問いただされる!「結婚式の前に、きみがぼくのもとから逃げた理由を教えてくれ!」
大阪・西成で生まれ育った青年・水川友樹。お金も、コネも、将来の夢もない。何も持たない青年は、ただひたすらに「ここではないどこか」を求め、海外に出ることを選んだ。そして運命に導かれるように、日本人の超ド級「お金持ち」に出会う。そこから彼の運命は大きく、大きく変わっていくー。世界53カ国を超お金持ちのボスとともに回り、動画を配信してきた著者からのメッセージ!本書は、世界に羽ばたくあなたへのチケットです。130万人超のフォロワーを持つ人気TikTokerはどうやって付き人になったのか?そして、超お金持ちのボスの素顔とは?
窃盗の罪で横浜刑務所横須賀刑務支所に収監されていた利根太作は、身柄引受人の保護司が見つかったことで仮釈放された。社会復帰後は、保護司の娘・小海友紀が営む辻堂のレストランを住み込みで手伝うことに。友紀の同居人である阿久津晴也は、窓際警官“ごんぞう”として鳩裏交番に勤務する傍ら、立件しづらい家庭内暴力や性虐待の加害者を、“毒”を用いて命を奪わずに粛清していた。利根が見込まれたのも、このミッションに不可欠なピッキング、住居侵入のスキルを期待してのことだった。危険極まりない悪童警察小説!
末の妹から婚約パーティの招待状が届き、ホリーは少し憂鬱だった。3人の妹たちはみなすてきな伴侶と巡り逢えたけれど、私にはウエディングドレスを着る日は訪れそうにない…。ところがある日、寝耳に水の婚約話が持ちあがる。なんと相手はロンドン一魅力的な独身富豪、ザック・ナイト。パーティで出会った彼は、女性を虜にしては飽きたら捨てる、悪名高きセクシーなプレイボーイだ。その彼がホリーに、かりそめの婚約者になってほしいと言うのだがー。冴えない私よりお似合いの女性は大勢いるはずよ。なのになぜ?
東北大学法学部卒ながら、地方公務員採用で警察官となった桐野哲也。彼が仮配属となった神奈川県辻堂にある鳩裏交番は、一班の班長である小貫幸也を中心に“ごんぞう”ばかりが集まった交番で、緊急配備の連絡にさえ誰も反応しようとしない。県警幹部も扱いに手を焼く“ごんぞう”たちだが、「巡回」だけは大好きで、住民との世間話をきっかけに事件に首を突っ込んでゆく。そんな中、ホームレスばかりを狙った連続殺人事件が発生した。“ごんぞう”たちは真相に辿り着くのだが…。第1回警察小説大賞満場一致の受賞作!!
一九三三年。次なる旗艦の建造計画をめぐり、海軍上層部は対立する。巨大戦艦建造を標榜する戦艦派の計画案に、数字上の虚偽を疑う空母派は、ある数学の天才に不正を見破らせようとする。数学の真理は、巨大戦艦「大和」の建造を阻止できるのか。帝国海軍が歩んだ激動の時代を、若き天才の生き様を通して描く感動作。
タラント家の8人きょうだいは村でも評判の美男美女揃い。随一の美貌を持つ長女アラベラは、裕福な夫を見つけて家族を助けるため、はるばるロンドンへと赴く。道中、悪天候で立ち往生した彼女は近くの家に助けを求めるが、そこは“比類なき男”ビューマリスの屋敷だった。公爵の血筋、巨万の富、強烈なカリスマ性で社交界の支配者たる彼は、まったく媚びのないアラベラに興味を抱き、退屈しのぎにこの田舎娘を社交界の花にすることを思いつく。戯れに咲かせた薔薇の美しさに、みずから心奪われることになるとは、予想だにせず。
「私を名ばかりの妻にしてもらいたいの」震える心を抑えこみ、ジョージアナはひと息に言った。父亡きあと住む家を失った彼女は、男性恐怖症だというのに、利己的な継母に花婿探しを強いられそうになっていた。切羽つまった彼女が頼ったのは、大好きだった幼なじみー離れていた10年間、手紙ひとつくれなかったエドモンドだった。近寄りがたい伯爵となった彼は、ジョージアナの願いをすげなく断る。だが、胸の谷間もあらわなドレスを継母に無理やり着せられ、絶望的な思いで社交界デビューしたジョージアナの前に、再びエドモンドが現れたー冷たいグレーの瞳に怒りをたぎらせて。
カイラは心ない義姉の仕打ちにより、とある一族の当主との縁談を勝手に決められ、スコットランドへと荷馬車で送り出された。だがその道中、突然ハイランダーの一団に襲われてしまう。赤毛で屈強なリーダーは、カイラが嫁がされる男と深い因縁のある、マクドナルド一族の当主ゲイランー事情を知らぬ彼は、宿敵の花嫁カイラを復讐のために奪おうとしていた。そして抵抗むなしく意識を失ったカイラは、そのままゲイランが住む城へと運ばれる。目を覚ましたときにはすでに婚姻の式は終わり、カイラはゲイランの妻になっていて…。
15年前に文学章を取ったきりの自称作家の良多。今では「小説の取材」と言い訳をしながら、探偵事務所で働いている。現実を見ようとしない良多に愛想を尽かし、出て行った元妻。父親に似ることを恐れる真面目な11歳の息子。そして、46歳の良多を未だ「大器晩成」と優しく見守る母親。そんな元家族が、ある台風の夜を共に過ごすことになり…。
理想のヒーロー像を知り尽くしたロマンス小説家のチェルシーは、この世にそんな男性はいないと割り切る現実派。ところがある日、親友のジョージィから外科医ジョナサン・ウィンターを紹介され、まさに自分の思い描くヒーローのようなその容姿にうっとり見とれてしまう。だがいざ話してみれば、いかにも堅物のエリートらしいジョナサンの発言にはむっとさせられるばかり。ついにロマンス小説までけなされて、思わず得意の鋭い舌鋒で彼をやり込めてしまうが…。実力派コールターの貴重な初期ロマンス。『ぬくもりの余韻』関連作。
ウラル山中で核弾頭を積んだ列車の衝突事故が起きた。ホワイトハウスは、この事故がテロリストによる核強奪の隠蔽工作であることを突きとめる。核物理学者ジュリア・ケリーは、米国防省特殊情報局のトーマス・デヴォー大佐とともに調査に乗り出す。盗まれた核弾頭の行方を追ううちに、テロリストの恐るべき“使命”が明らかになるー。圧倒的緊迫感でおくるハイテク・サスペンス・アクションの傑作。
リサは典型的なワーカホリックのビジネス・ウーマン。休日は何をして過ごしたらいいのかわからず、時間を持て余してしまうほど仕事一途に生きてきた。そんな彼女の前に突然、理想の男性が現れる。彼は花を愛し料理もこなす芸術家肌の青年、ルイス。まるで魔法にかかったかのように恋に落ちるリサだが、二人の愛が現実のものに変わろうとするとき、なぜかリサはそれを拒み、心を閉じてしまう。同名映画の原作。