著者 : 古宮九時
「さあ、思考会議を始めましょう」 外部者の呪具と、どこかに生まれ直すであろう夫を探して旅をするティナーシャは、久しぶりに戻った魔法大陸で不思議な行方不明事件に遭遇する。大陸のあちこちから思考委員として何人もの人間が同時に攫われ、帰ってこないというのだ。 水の魔女カサンドラの助けを借りて、ティナーシャは一人事件の解明に挑む。そこには世界滅亡回避のために話し合いを繰り返す呪具が待っていたーー。
「先に生活できる拠点を作りましょう」 旅を再開したオスカーとティナーシャは、外部者の呪具を探して第三の新たな大陸にわたることに成功した。情報のまったくない謎の大陸を探索する二人。だが、滅びた集落ばかりが残っており、なかなか手がかりは掴めない。そこにナフェアと名乗る不思議な少女が現れーー。 神話の時代に分かたれ、まったく異なる歴史をたどった五つの大陸。その新たなる二つの大陸を舞台に、呪具探索と破壊の旅の旅が始まる!
三つの神供ー美酒と芸楽と人肌を神に捧げてきた享楽街アイリーデ。古来、国家間の争いとは距離を置いてきたその街にも、大陸全土に漂う戦雲が影響を及ぼし始めていた。華やかな街の陰で、さまざまな勢力の思惑が交錯する中、シシュはサァリと彼女が愛する街を守りきるため奮戦する。そしてサァリは、ついに生涯ただ一度の客取りを行うことを決意するがー!?定められた運命を超え、神話と人を巡る物語が行き着く結末とは?異類婚姻譚完全編、完全書き下ろしの後日譚を百ページ以上収録して登場!
「だからどうか、王になって。私の民を救って」 呪具の一部であった本を焼いてから約百年後、オスカーとティナーシャは東の大陸にわたり、残る呪具の捜索にあたっていた。未だ情勢が安定しない地域も多い中、彼らは幼い兄弟を拾う。 兄弟は行方不明になった父と姉を探しており、謎の失踪を遂げた家族の足取りの先には、とある「幸福な街」が生まれていたーー。 逸脱者の戦いと運命が、今再び歴史の上に現れる!
神に捧げられた享楽街アイリーデ。今もこの街に坐す神との契約は、三つの神供ー美酒と芸楽と人肌を捧げることで保たれてきた。契約の要となるのは、巫であり娼妓でもある少女、サァリの客取りだ。王都より赴任してきた青年シシュは、そんなアイリーデの秘された真実を知った上でサァリの力になろうと、化生斬りの任務を果たしていた。けれどそんな折、新しく招いた化生斬りの周りで少しずつ人々の様子が変質し始める。シシュは事態の原因を探るべく動き始めるが…!?神話と人を巡る物語、第二弾。第三譚と第四譚を収録して登場!
世界外から来た呪具を破壊するため、大陸中を旅するオスカーとティナーシャ。けれどその一方で、かつての祖国ファルサスには不穏な影が生まれつつあった。突如、隣国を侵略したファルサス国王ディスラルは、城都に来ていたティナーシャを見つけると、王家の直系魔法士たちを殺すよう命じる。それは宮廷を揺るがす凄惨な事件の幕開けでー。歴史の陰に葬られる逸脱者の戦いが、今語られる。
「月白の主が選ぶ客はー生涯でただ一人です」神に捧げられた美酒と芸楽と聖娼の街アイリーデ。そこには大陸中から多くの客が集まり、だがその一方で人を害する“化生”が密やかに存在していた。-神話正統の妓館「月白」の主でありながら、化生を捕らえる巫女である少女サァリと、王都からやって来た化生斬りの青年シシュ。二人の出会いと前後にして、街には不穏な影が差し始める。webで人気を博した神話と人を巡る物語。第二譚までを収録して待望の書籍化!
オスカーとティナーシャが呪具エルテリアを破壊したことにより、歴史の書き換えは終わった。そして、もう二度と書き換えられない歴史で王と魔女は結ばれ、二人の恋物語は幕を閉じるーはずだった。世界の理から逸脱したオスカーとティナーシャに託されたのは、残された九つの呪具をすべて破壊するという使命。死と再生を繰り返しながらの、王と魔女の果てしない旅がいま始まる。
キスクでの激動を経てファルサスに帰還し、子供用の言語教材を作成する仕事についた雫。エリクと協力して引き続き日本帰還の手立てを探り続けていたが、その鍵となるはずの外部者の呪具、秘された歴史を記した本の一冊が予想外な場所から見つかることに。 一方、もう一冊の呪具を保持する邪悪な魔法士アヴィエラは、突如として大陸全土に向けて宣戦布告する。 「私の名はアヴィエラ。七番目の魔女。時代の終わりと始まりでお前を待っている」 決戦の地は、禁呪によって異界化した亡国ヘルギニス跡地。ファルサス王ラルス率いる連合軍が結成され、呪具の片割れを所持する雫も否応なく戦いに巻き込まれていく。 神話の時代に遡る言語の由来、子供達が言葉を失う流行病、この世界を観測する外部者の存在、そして現代日本からやってきた雫が言葉を解する意味。その全ての謎が一点に収束して明かされていく。長い長い旅の果てに、少女が知る真実とはーー。 言葉と人間を巡るロードファンタジー、堂々完結。
「私、貴方のところに辿り着けて幸せです」 ティナーシャの退位と結婚の日が迫るなか、周囲で怪しげな事件が頻発し始める。歴史を改竄する呪具エルテリアを奪取するため、ヴァルトにより巧妙に仕掛けられる罠。無数の歴史の記憶を持つ彼は、ついに自分と世界にまつわる真実を語り出す。 消えては再構築される時間の果てに、オスカーが下す決断とはーー。王と魔女の物語の終わりであり始まり。人の尊厳をかけた選択に向き合う完結巻!
この大陸の在り方にまつわる秘匿された真実を、ファルサス王から知らされた雫とエリク。その情報の中から日本帰還への糸口を見いだした二人は、再び旅に出ようとしていた。 だがその時、突如現れた使者に雫は選択を突きつけられる。招かれた先はかねてよりきな臭い噂が絶えなかった大国キスク。彼女に求められた役割は、残忍で知られる王妹オルティアの遊び相手だという。 「それで? お前は何ができる? 自らの口で述べてみよ」 成り行きから雫は、流行り病とされる言語障害の対処法を確立するという大役を負うことに。失敗すれば待つのは無残なる死。旅の庇護者であったエリクのいない中、雫は一人手探りで解決策を探す。 そして孤独の姫オルティアとの対峙を重ねるうちに彼女の心根を知り、二人の間柄にも変化が生まれていくのだが……。
幾度となく命の危険に遭いながらも、雫のひたむきな前向き思考と魔法士エリクの機転によって切り抜けてきた長い旅路。カンデラ城での禁呪事件を経た後も、行く先々で何故か騒動に巻き込まれながら、遂に二人は当初の目的地であった魔法大国ファルサスへと到着する。 日本帰還への糸口を求めて、ファルサス王ラルスとの謁見が実現するが……。 「──立ち去るがよい、外部者よ」 雫の存在を“ありえない異質”と断じ、冷徹な意志を持って王剣を突きつけるラルス。処断を逃れるため、自分が人間であることを証明するために雫が取った行動とは。そしてファルサス城の中で知ることになる、エリクの過去とは。 やがて解明されていく世界の謎。異なる世界の言語を教え合う中で少しずつ降り積もっていった違和感は、衝撃的な事実として雫たちの前に立ち現れる。
「お前が欲しい。だから結婚を申しこんでいる」 「……は?」 オスカーの呪いを解いたティナーシャは自国に戻り、魔法大国・トゥルダールの女王として即位した。別々の道を歩み始めた二人の決意とはーー。そして、呪いの元凶たる『沈黙の魔女』がついに二人の前に現れる。 明かされる呪いの真実、過去へ時を巻き戻す魔法球の存在。名もなき物語に無二の思いが刻まれる第五巻。
現代日本から突如異世界に迷い込んでしまった女子大生の水瀬雫。剣と魔法が常識の世界の辺境に降り立ってしまい途方に暮れる彼女だったが、魔法文字を研究する風変わりな魔法士の青年・エリクと偶然出会う。 「--お願いします、私を助けてください」 「いいよ。でも代わりに一つお願いがある。 僕に、君の国の文字を教えてくれ」 日本に帰還する術を探すため、魔法大国ファルサスを目指す旅に出る二人。その旅路は、不条理で不可思議な謎に満ちていて。--そうして、運命は回りだした。 これは、言葉にまつわる物語。二人の旅立ちによって胎動をはじめたばかりの、世界の希望と変革の物語。
「私と結婚してくれるんですか!」 「しない。どうしてそうなった」 呪いの打破を願って魔法大国トゥルダールを訪れたオスカーは、城で眠っていた一人の女を連れ帰る。解呪を申し出た彼女ティナーシャは、次期女王として圧倒的な力を持ちながら、なぜか初対面のはずの彼に強い好意を抱いているようで……。 新たになった大陸の歴史、名もなき記憶の上に、再び二人が紡ぐ一年間の物語が始まる。 『このライトノベルがすごい!2020』(宝島社刊)で単行本・ノベルズ部門&同部門新作W1位を取った圧倒的話題作!
オスカーの呪いも解かれ、契約終了まであと三ヶ月。自分の心に迷うティナーシャの前に、新たな魔女の刺客が現れる。「呼ばれぬ魔女」レオノーラの狙いは、契約者であるオスカーの方でーー。
「その時はーー魔女〈ティナーシャ〉を殺すさ」 契約のもと、一年という限られた時間を共に過ごすオスカーとティナーシャ。だが突如二人の前に、ティナーシャのかつての婚約者・ラナクが姿を現す。古き魔法大国の血を継ぐ彼は、新たに国を興すと大陸全土への侵攻を企てて……。その時、オスカーとティナーシャの選んだ道とはーー大陸の完全支配をもくろむ巨大魔法と王剣の剣士の、熾烈なる戦争の火蓋が切られる。
読者を熱狂させ続ける伝説的webノベル、ついに待望の書籍化! 「俺の望みはお前を妻にして、子を産んでもらうことだ」 「受け付けられません!」 永い時を生き、絶大な力で災厄を呼ぶ異端ーー魔女。強国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、世界最強と名高い魔女・ティナーシャのもとを訪れる。“魔女の塔”の試練を乗り越えて契約者となったオスカーだが、彼が望んだのはティナーシャを妻として迎えることで……。