著者 : 吉川トリコ
2029年、韓国からきた兄の家出、おばあちゃんのお通夜で通常運転のママ。うちの家族はふつうとはちがう。2019年、クルーズ船で一緒になった夫婦と年若の青年。なんだかすべてがパフォーマンスのように見えた。2009年、クリスマスの夜のダイヤの指輪、ママの掌の上で踊らされているおねえちゃんと私。1999年、ノストラダムス後も終わらない世界、「ママは、パパが死ぬのを待ってたんじゃないか」と言った幼なじみ。1989年、親友からその亭主の死を知らせる電話。職場で出会い、結婚も出産も同じ年の親友。1979年、おなかの中の三ヶ月になる命。ねえ、おねえちゃん、私たちこれでよかったんだよね?10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちの軌跡をたどる全6章。
家族仲がしっくりいかず、生き方に迷う主婦。16歳になる直前まで自分が在日韓国人だと知らなかった姉妹。ゲイであることに葛藤する男子高生。血の繋がった子どもを持てなかった母親。卒業式の日にプロムを開催すべく奮闘するモーレツ女子高生たちーままならない日常に、悩み惑う人たちの踏み出す一歩が、あなたの背中をそっと押してくれる。明日もがんばる元気をくれる連作短編集。
片倉唯、40歳。趣味は節約とキルト作り。がん検診を気まぐれで受けてみたら、進行している子宮がんだと宣告される。もう頑張って生きなくていいー。ショックを受けるかと思いきや妙な安堵感に包まれつつ、病院の待合室で待っていた唯の前に、ピンク頭のスーツの男が現れ、声をかけられる。-「いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」感動必至の男女逆転版『プリティ・ウーマン!』
まさか、わたくしの姿がお見えになるんですの?2018年12月28日、ひとりのパリ旅行者が知らない女から声を掛けられる。女の名は、ランバル公妃。フランス革命で虐殺された、マリー・アントワネットの女官長だった。王妃への強い思いゆえ亡霊となった彼女は語り始める。王妃を愛し、王妃に愛された女人たちのことをー。世界中から嫌われた王妃を過剰な愛で綴る、究極の百合文学!
アイドルグループ「YO!YO!ファーム」の一期生・斉藤いとに届いた、突然の母親の訃報。現役アイドルの母親が一世を風靡したポルノ女優・赤井霧子だった、というニュースは瞬く間に広がり、いとは一躍時の人になる。そんな中、著名な映画監督から、霧子の半生を追うドキュメンタリー映画の案内人に指名されてー。「マリー・アントワネットの日記」シリーズで全女性の共感をさらった著者が、世界の不条理とたたかうすべての人に贈る、真摯な希望の物語。
母親と呼ばれることを厭うエキセントリックな少女小説家の母・織子と、父親の違う三人の娘。全く性格の違う4人に共通するのは「母親のようにはなりたくない」ということ。自分の中の「少女」と大人の狭間で葛藤する女性達を瑞々しく描き出した傑作長編。
ハーイ、あたし、マリー・アントワネット。もうすぐ政略結婚する予定www 1770年1月1日、未来のフランス王妃は日記を綴り始めた。オーストリアを離れても嫁ぎ先へ連れてゆける唯一の友として。冷淡な夫、厳格な教育係、衆人環視の初夜…。サービス精神旺盛なアントワネットにもフランスはアウェイすぎたー。時代も国籍も身分も違う彼女に共感が止まらない、衝撃的な日記小説!
え、あたしがフランス王妃とかwwwウケるってかんじなんですけどー。1774年5月10日、ルイ15世が崩御し、夫・ルイ16世が国王に。だが、アントワネットへの世間の風当たりは強まる一方だった。取り巻きたちとの夜遊び、膨大な服飾費、授からない子ども、根も葉もない噂。そして、本当の恋。だが革命が起こり、すべては終わるー。王妃の最期の言葉に、涙があふれるクライマックス!
ナゴヤドームで再会する父と娘、SKE48に憧れてストリートで踊る少女、運転免許試験場でサンタクロースと出会った女性、実直な書店員の一日ー名古屋にある16の区を舞台に悲喜こもごものドラマを描く「名古屋16話」、東海・中部の都市が舞台の「8の旅」を収録した短編集。
重田ミドリは小学3年生の女の子。一緒に暮らすのは父親の広とその恋人、源三である。母親の貴美子は広の心境の変化についていけず、離婚話もあまり進まない。だが、進まない理由はそれだけではなくー。それぞれの理想の“かたち”を追い求め、もがくミドリたち。彼女たちに訪れるのは一体どんな結末なのか。
人生をぶらぶら楽しく生きたいと思っているるり子は、音大卒の30代女子。恋人の宗介からは「ぶらこ」と呼ばれ、2年前から同居している。怠惰でゆるやかな幸福に満ちた二人の生活。だが、自宅でピアノを教えるぶらこは、最近、生徒の一人、暁生のことが気になって仕方ない。宗介という人がいるのにー。
お嫁さんになったら自然と家事ができるようになるんじゃないの?思っていたのとぜんぜん違うんだけどー(「だれかの奥さん」)。借金して、地元に帰って、初体験の相手と不倫する。この先、どうやって生きていったらいいのか途方に暮れるー(「ずくもない」)。あのころ思い描いていた未来に立ってない、ぜんぜん立ってない!いつのまにか遠くまできてしまった、私たちのための作品集です。
地方に暮らす仲良し五人組は高校卒業と同時にそれぞれの道を歩んだ。大学受験に失敗し、ぶらぶらしながら孤独を感じていた三千花。大学卒業後にライターとなるが挫折して地元に帰ってきた志津。短大を出て母の言いなりで市役所に勤務した麻里奈。奔放な美人で社長と結婚した後も不倫の日々をブログに綴る理恵。20歳でできちゃった結婚をし、三人の子供を育てながらネット中毒となった法子。成人式の数日後、三千花が少年グループに拉致され、バラバラ死体で発見される。16年後、志津は「三千花に何が起こったのか」をテーマにルポを書こうと、口を閉ざしていた友人たちに取材する。そこには女たちの深い闇と絶望が渦巻いていた…。
あるときはサンタクロースの格好をしたデリバリーホスト、あるときは誘拐を請け負う便利屋、あるときは野良猫のような風采にシャネルを背負って。OL、主婦、女子中学生たちの前にふらりと現れ去っていく男・ヒトリ。彼と過ごす束の間の甘い時間の中で、女たちは何を得て、何を手放すのか。そして彼自身は…。美しい男が見せる、6つの夢物語。
さまざまな家族や友情のかたちを描いた「名古屋16話」に加え、東海・中部の都市を舞台にした8つの物語「8の旅」、著者による地図コラムや名古屋在住のカメラマン三浦知也氏による写真も収録!名古屋在住の作家が、名古屋市の16の区を舞台に悲喜こもごもの物語を紡ぐ珠玉のショートストーリー集。
重田ミドリ、小学3年生。住み慣れた街を離れて父・広の新しい恋人ー平野源三ーの家に転がりこんだ。そんな事実を受け入れられないミドリの母・貴美子。だから離婚話もなかなか進まない。でも進まない理由はそれだけではなくー。よのなかにあふれる“ふつう”からほんの少し外れたところにいるミドリたち。口に出してしまったら、何かが変わってしまう、何かが壊れてしまう、そんなおそれを抱きながら生きる彼らに訪れた、幸せの結末とは。
30歳を目前に仕事を辞めた花。おしゃれもダイエットもセックスもやめた。頑張っても、いつか若さは失われると気づいてしまったから。投げやりに引きこもる花を、優しく見守る恋人だったがー(「しゃぼん」)。高3の夏。海。大好きな慎ちゃん。でもあたしは他の男たちとも寝ている。慎ちゃんには見せられない姿でー(「ねむりひめ」)。悩める女の子必読!リアルでキュートなガールズ小説集。