著者 : 大江健三郎
人類の未来への祈りを描く『治療塔』『治療塔惑星』。過去と未来を自由に行き来する子供たちの冒険『二百年の子供』。ノーベル文学賞作家の近未来SFとファンタジー。
「様ざまに理解し合える女性たちと出会ってきた…。そういう人の何人かが一緒になってモデルを構成して、私の小説に登場している」。ノーベル文学賞作家が描く誇り高き女性たち。
森の中の〈村=国家=小宇宙〉に古代から伝わる神話/歴史を描く『同時代ゲーム』。ノーベル賞受賞理由のひとつ『M/Tと森のフシギの物語』〈森の神話〉。ノーベル賞受賞作家、その爆発する想像力。
国家の巨大暴力に対抗するテロリズムを描く『さようなら、私の本よ!』と、国家の巨大暴力がもたらす原発事故を描く『晩年様式集』を収録。晩年の円熟を拒否して社会・時代に抵抗する。ノーベル文学賞作家が企てたテロル、予見したカタストロフ。
自意識、性、疎外、自由、冒険、逃避行、絶望、復讐…初期作品群(2)。レア作品3編収録!「報復する青年」(初の書籍化)、「勇敢な兵士の弟」、「孤独な青年の休暇」(入手困難)。
高校生の「僕」は、刑事の叔父さんとディケンズの小説『骨董屋』を原文で読み進めていくうちに、まるでそのストーリーが反映するかのように、とてつもない事件に巻きこまれてしまう。-人間の悪とは、罪とは何か。そしてそれをのり越える「ゆるし」「癒し」とは何か。
作家自身を思わせる主人公の長江古義人は、三・一一後の動揺が続くなか「晩年様式集」と題する文章を書きだす。妻、娘、妹の「三人の女たち」からの反論。未曾有の社会的危機と自らの老いへの苦悩。少なくなる時間のなかで次世代に送る謎めいた詩。震災後の厳しい現実から希望を見出す、著者「最後の小説」。
「奇妙な仕事」「飼育」「セヴンティーン」「「雨の木」を聴く女たち」など、デビュー作から中期の連作を経て後期まで、全二三篇を収録。作家自選のベスト版短篇集であると同時に、全収録作品に加筆修訂がほどこされた最終定本。ノーベル賞作家・大江健三郎のエッセンス。