著者 : 大石英司
人民解放軍による台湾侵攻が止まらない。中国は、東京を狙った弾道弾攻撃で日本を牽制しつつ、台湾への攻勢を強めていた。台湾北部の紅樹林エリアでは、のちに「地獄の夜」と呼ばれる激戦が繰り広げられたが、台湾軍が辛くも勝利。ところが時を同じくして、中国からは5万もの兵が「第2梯団」として送り込まれていた。主戦場は、台湾中部の濁水渓へ。渡河の瞬間を叩くべく厚い防御陣を敷く台湾軍に対し、中国人民解放軍は、極秘裏に開発していた新兵器を大量に投入する。“サイレント・コア”部隊も参戦する、慟哭必至の第四巻!
台湾西岸に上陸した中国人民解放軍三旅団2万人を殱滅した台湾軍。国防部本部が戦勝に沸く中、軍神・雷炎擁する姚彦少将の部隊が、島北端に位置する陽明山国立公園からの奇襲上陸作戦を仕掛けようとしていた。そこに陣を敷いていたのは、激戦地・東沙島から奇跡の脱出を果たしたばかりの海兵隊第99旅団、通称“鐵軍部隊(アイアン・フォース)”であったー。一方、邦人退避任務のために派遣された“サイレント・コア”原田小隊は、水陸機動団最強の教官・司馬光と合流するや、予期せぬ事態に巻き込まれる。第二巻、早くも怒涛の展開へ!
中国軍による南シナ海東沙島奇襲作戦に端を発した東シナ海の戦いは、主戦場を尖閣諸島魚釣島へと移し、激戦が繰り広げられた。土門康平率いる“サイレント・コア”部隊は台湾軍と共同作戦を取りながら、米軍の協力を得て、中国軍を島から撤退させることに成功する。その頃、成田空港に降り立った人民解放軍の秘密部隊が、ベトナム人技能実習生グループを装って、「超限戦」の作戦を開始。日本をブラックアウトさせた。中国の狙いは、日本同様ブラックアウトした台湾への侵攻。人民解放軍の大艦隊がついに台湾へと迫る。待望の“第二部”いよいよ開幕!
テロ・グループがMERS変異ウイルスを蔓延させた豪華客船“ヘブン・オン・アース”。アメリカの作戦によりテロリストは一掃されたが、乗船していた“サイレント・コア”原田拓海一尉の血液検査で意外な結果が出る。その頃、中国軍による南シナ海東沙島奇襲作戦に端を発した東シナ海の戦いは九日目を迎えていた。解放軍はこれまで数度のミサイル攻撃を仕掛けていたが、海上自衛隊のイージス護衛艦がこれを迎撃、飽和攻撃を撃退した。台湾軍とともに防戦に徹する日本、いたずらに死者を増やす中国軍。しかし、尖閣諸島をめぐる状勢は新たな局面を迎えようとしていた。
土門康平陸将補率いる“サイレント・コア”二個小隊が、ついに尖閣の地を踏んだ。時を同じくして、中国解放軍雷炎大佐らも、台湾陸軍のガーディアン・ヘリによる掃射をかいくぐり、エアクッション艇による上陸を果たした。その頃、東シナ海上空を飛ぶ航空自衛隊の戸河啓子二佐が、沖縄・嘉手納基地で米空軍が避難行動を開始したのを察知する。中国が沖縄本島に向けて数十発ものミサイルを発射したのだ。尖閣諸島と沖縄本島の中間に位置していたイージス艦隊は、辛くも撃墜に成功。しかし中国は、さらに十倍規模のミサイルによる飽和攻撃を仕掛けようとしていたのであったー。
東沙島を失ったものの、島から奇跡の脱出を成し遂げた海兵隊の帰還に沸く台湾。だがその裏では、速度が出ない台湾海軍の旧式潜水艦を護衛し、やむなく解放軍のフリゲイトを撃沈した海自潜水艦“おうりゅう”の働きがあった。しかし台湾側は“おうりゅう”を乗っ取るという暴挙に出て、台湾にいる司馬をいらつかせる。一方、“サイレント・コア”土門陸将補のもとには、ある不穏な一報が入った。尖閣に味方部隊が上陸したというのだ。探りをいれると、島に上陸したのは意外な部隊だとわかる。日本、台湾兵士が上陸し、そして解放軍も艦隊を向けた尖閣での、三つ巴の戦いの行方はー!?
「キスカ」作戦ー人民解放軍が占領した東沙島から、二個中隊の兵を台湾と海上自衛隊の二隻の潜水艦に収容して脱出させる作戦に参加した“サイレント・コア”の水野智雄一曹は、落伍者の捜索で海上に取り残されてしまった。そこでネイビー・シールズ・チームのベテラン曹長の案で、ある行動に移ることに…。一方、その場を離れたそうりゅう型潜水艦十一番艦“おうりゅう”は、台湾海軍の潜水艦“海龍”を見守るが、前方には中国軍のフリゲイトの姿が。とうとう対潜ロケット二基が起動された時、“おうりゅう”は驚きの行動に出た。日本の潜水艦技術が中国を圧倒する!
パンデミックと同時に発生した謎の現象「シンク」により、世界は滅亡へ向かっていた。だがその中で動いたのは中国だ。ある天才物理学者の拉致と、また日本の誇る国際リニアコライダー「響」の占領を目論んだのだ。感染症に冒された者が見るという、中国が世界有数の発展を遂げる夢を、「響」を使い現実とすべく日本へ上陸してきた人民解放軍を、土門康平陸軍中将らは排除できるのか?そしてカウントダウンに入った、この世界の命運はー!?
一九八六年、中曽根内閣は懸案の自主憲法制定を成し遂げた。自衛隊は改称され国軍へ昇格。また日銀は絶妙の金融政策でバブル経済を軟着陸させ、日本は好景気のまま発展した。だが今、その社会は危機に瀕している。「シンク」という謎の穴がすべてを飲み込み、同時に感染症も流行。政府が隠蔽する世界の崩壊を阻止する鍵を握るのは、一人の日本人学者だった。彼を探し保護せよとの命を受けた土門康平陸軍中将は、この任務を遂行し、日本を、この世界を救うことはできるのかー?大石英司が描く世界滅亡の書。