著者 : 大谷真理子
美しい姉が光なら、私は影。 皆、私を素通りする……。 「幻覚かと思ったが、やっぱりきみだ。髪を切ったんだね」 アレッサンドラは実家の玄関で、見知らぬ来客に声をかけられた。 ギリシア神話の絶世の美青年アドニスを彷彿とさせるその男性リニは、 華やかで愛嬌のある双子の姉と彼女を勘違いしているようだ。 姉は探し求めていた理想の王子様をとうとう見つけたのかしら? 人違いだと言ってアレッサンドラはその場を去ったが、 ほどなくして、リニは名門一族の生まれで、才覚、財力、容貌と 三拍子そろった独身貴族だと耳にし、彼女は密かに胸を高鳴らせた。 しかし、アレッサンドラはその恋心を抑えこむのに必死だった。 男性は魅力的な姉のほうを好むから。もう傷つきたくないから……。 大きな愛で読む人の心を潤す大スター作家レベッカ・ウインターズのヒット作をお贈りします。幼い頃から皆の注目を浴びる双子の姉を見て育ち、容姿に自信がないヒロインは、地道に勉学に励むことで自分の長所を伸ばしてきました。そんな彼女の恋のゆくえは?
大切にしてきたこの子が彼の子で、 彼が育ててきた子が私の子!? 目標に向かって勉学に励む大学院生ヴァレンティーナは、 たった一度の過ちで身ごもった子を独りで産み育てようと決心。 生まれてきた息子は愛らしく、母となった幸せをかみしめていたーー 2週間後に、その赤ん坊が我が子ではないと知らされるまでは! なんと、ほぼ同時刻に生まれた子と取り違えられていたというのだ。 相手の赤ん坊の父親で大富豪のジョヴァンニは妻と離婚したばかりで、 彼も独りで息子を育てているところだった。 赤ん坊たちは実の親のもとに戻されたが泣きやまなくなってしまい、 困り果てたジョヴァンニがヴァレンティーナに思わぬ提案をする。 子どもたちがなつくまで、一緒に暮らそう、と。 大富豪ヒーローと頑張り屋ヒロインと赤ちゃんたちの数奇な運命から始まる名作です。2023年2月に惜しくも天に召された大スター作家レベッカ・ウインターズが紡ぐ優しい世界観をご堪能ください。
さようなら、長すぎた片想い── 夢の一夜が明けるまで、涙はお預け。 偶然手に入れた写真を見て、アンジェルは衝撃で言葉を失った── 婚約者であるゾーラ国皇太子ザーヒルと美女の密会写真だった。 彼と婚約したのは13歳のとき。以来、密かに彼に恋い焦がれ、 もう10年の月日が流れた。私にはキスさえしてくれないのに、 美女に親密に寄り添いほほ笑む彼は、心から幸せそうだ。 ザーヒルが私を選んだのは次期国王としての責務を果たすため。 でも愛のない結婚なんて虚しいだけ。アンジェルは意を決して 彼に婚約解消を申し出て、ひとつだけ条件をつけた。 「お願い。ひと晩だけでいい、あなたの花嫁になりたいの」 まさかその一夜で、運命の子を授かるとは思いもせずに。 リン・グレアム作品がお好きな方にぜひお薦めしたい、スター作家ルーシー・モンローが描くエキゾティックなロイヤル・ロマンスの登場です。我が子のため、愛なき結婚を受け入れざるをえなかったヒロインを待ち受ける怒涛の展開! どうぞお楽しみに。
もしも、あの愛に満ち溢れた日々に、 もう一度戻れるのなら……。 ローラは屋敷の庭で意識を失い、病院に運ばれた。 目覚めると、大富豪で新婚の夫ビショップが傍らにいたが、 どこかよそよそしい。なぜ抱きしめてもくれないの? しかも新妻を怪訝な様子でじっと見つめ、 赤ちゃんの話に顔をしかめるなんて、あんまりだわ……。 まだローラは気づいていなかった──ビショップとの子を流産し、 虚しいすれ違いの果てに、みずから離婚を選択したという、 つらい記憶を失っていることに。 ビショップは、まるで新婚当時のような元妻に戸惑いながらも、 ローラに寄り添い、夫を演じきろうと心に決めるが……。 “このまま元妻の記憶が戻らなければ、二人はやり直せるのでは?”密かにそう願っていたヒーロー。果たして、ほどけた愛の絆は再び結び直せるのでしょうか? 実力派ロビン・グレイディが描く、情感豊かな夫婦の再生ロマンス決定版です!
不慮の事故で夫とお腹の子を一度に失い、悲しみのどん底で涙に暮れていたアビー。心の傷も癒えぬまま、独り身で海辺のリゾートに移り、店を開いて6年が経った。ある日、最近雇い入れた学生の父親で富豪のリックが現れ、娘の採用を取り消すようにと圧力をかけてきた。彼の不機嫌な態度に戸惑う一方、忘れていた恋の疼きが…。『さよなら涙』。エイミーが幼い息子をギリシアに連れてきたのは、父の顔を知らぬわが子にルーツを感じてもらうため。恋人だった外科医ニコに子供は欲しくないと言われ、別れて独りで産み育ててきたが、流産したと思っているニコはその存在さえ知らない。なのに、ニコと偶然再会するとは!皮肉にも、ニコと息子はあまりにも生き写しでー『命のかぎりの愛を』。ベリンダは双子の子供たちを連れて訪れたミラノで不運にも事故に巻き込まれ、救助に現れた救命救急医を見て息をのんだーああ、マリオ!4年前に純潔を捧げた相手。そして双子の父親。電話番号も名字もわからない彼に、妊娠を伝えられなかったのだ。幸か不幸か、彼は子供たちをベリンダの親友の子と勘違いしており…。『秘密の双子』。
私はまるで籠に閉じ込められた小鳥。 夫への愛を伝えることさえ許されず……。 9年ぶりにロンドンの自宅に戻ったジェニファーは決心していた。 夫であるロクサム侯爵と正式に離婚し、自分の道を歩むと。 あの日、彼のもとを去ったのは、あらぬ不貞を疑われたから。 面会を求めても、手紙を書いても、夫は頑なに彼女をはねつけた。 以後、遠い地へ逃げてから侯爵の子を身ごもっていることに気づき、 人の助けを借りて男児を産むと、貧しいが幸せな日々を得た。 一方、ロクサム侯爵は不信と感慨、そして嫉妬に駆られていた。 彼が酒にひたって放蕩の日々を過ごしているうちに、 幼かった妻は、美しく自信あふれるレディに変身して帰ってきた! 秘密めいたその瞳に、いったいどんな過去を隠しているんだ? かわいらしいながらも芯の強いヒロイン像が共感を呼ぶ、A・アシュリーの珠玉作! 無実の罪を疑われたことで関係がこじれ、もつれ、元に戻らなくなってしまった侯爵夫妻の再会物語。ロンドン社交界の好奇の目にさらされ、二人の運命はどこへ向かうのでしょうか?
不埒な侯爵に物申すはずが、 身も心も囚われて……。 誕生日の夜、ロス侯爵グレイは社交界の集まりから屋敷へ戻り、 書斎に足を踏み入れたとき、ただならぬ気配を感じて身構えた。 そこには、薄汚い服を着たひどい身なりの少年が一人。 少年は銃を構えて叫んだ。「妹の純潔を奪って孕ませた責任をとれ!」 世間から罪作りな男と呼ばれてはいるが、まるで身に覚えがない。 グレイは隙をついて銃をたたき落とし、少年を床に組み敷いた。 よく見れば、艶やかな肌に、丸みを帯びた頬、豊かなまつげ……。 少年のだぶだぶの上着の下に手を入れ、体に触れるーーこれは、女だ! だが次の瞬間、銃を取り返そうとする“少年”ともみ合った勢いで 弾丸が飛び出し、体を貫かれたグレイは、崩れるように気を失った……。 少年に扮したヒロイン、ケイトは、責任として養育費を支払わせようと、ただ脅すだけのつもりでした。けれども銃の暴発に動転し、侯爵を家に連れ帰って必死に看病することに。眠る侯爵は地上に落ちた大天使のように美しく、彼女は思わず見とれてしまうのでした。
カーラの双子の妹が“息子を取り戻して”と言い残して亡くなった。 夫の忘れ形見である赤ん坊を、冷酷な義兄に奪われたという。 妹の義兄は、裕福なイタリア人実業家ザンドロ・ブルネレスキ。 意を決して彼の豪邸を訪ねたカーラは、案の定、門前払いされる。 「死んだ弟も、君も、親として不適格だと言ったはずだ!」 彼はわたしを妹だと思っている……カーラは誤りをあえて正さず、 亡き妹のために、どれだけ息子を大切に思っているかを訴えた。 あまりにもハンサムなザンドロに訝しげに見つめられ、体が震える。 彼のまなざしにも、隠しきれない情熱が……いいえ、 妹の子を奪ったザンドロに惹かれてしまうなんて、絶対にだめ! ハーレクイン・セレクトで初めてお贈りするダフネ・クレアの名作は、人気の姉妹入れ替わりもの。カーラが妹のふりをしていると気づかないまま、彼女の訴えに真心を感じたザンドロは、しばらく息子とともに過ごすことを許しますが……。
父を知らず母に捨てられ、天涯孤独のレベッカは、 ギリシア人大物実業家、ダモン・アステリアデスと一目で恋に落ちた。 ところが、レベッカに関する中傷を信じたダモンは よりによって彼女の親友フリスと結婚してしまう。 しかし結婚後まもなくフリスは家出。そのまま帰らぬ人となった。 本当はフリスにはほかに恋人がいたのだが、 何も知らないダモンはすべてをレベッカのせいと思い込み、 彼女への憎しみを募らせるばかりだった。 ーー3年後、密かにフリスの子を育てるレベッカのもとに、 突然ダモンが現れて……。 ダイアナ・パーマーに比肩する、驚異の販売部数を記録! 情熱的な作風で人気を博す、T・ラドリーの珠玉作のリバイバル刊行です。ベテラン翻訳者も絶賛の、ジェットコースターロマンス!
“家族になろう”--なんて残酷な言葉。 彼は私を愛してはいないのに。 サヴァンナは十代で母を亡くしてから、妹と弟を一人で育てあげた。 そして今は、有名ジュエリー会社の臨時秘書として献身的に働き、 効率最優先の冷徹なCEO、大富豪リックに想いを寄せていた。 二人きりのロンドン出張で、彼はいつもとは別人のようだった。 初めて乗る飛行機を怖がるサヴァンナの手を握っていてくれたり、 夜、ドレスに着替えた彼女に熱っぽい視線を送ってきたり……。 募る恋心を止められず、サヴァンナはリックと一夜をともにしてしまう。 結婚も赤ん坊も望まない彼は、生涯続く関係など求めていなかったけれど。 ところが数週間後、サヴァンナは妊娠に気づいて愕然とする。 彼に父親になると伝えるの? 責任感から求婚されるとわかっていて? 大好評だったデビュー作、I-2385『天使を抱くシンデレラ』の関連作をお届けします。仕事に人生を捧げ、愛を否定するヒーローからのプロポーズに、どうしてもイエスと言えないヒロイン。本当は愛されたいのに、本心を隠す彼女のいじらしさが切ない作品です。
病室のベッドの上で、シンシアは奇跡的に意識を取り戻した。 億万長者と婚約中の、誰もが羨む幸運な女性ーー それが私だと言われても、何も思い出せない。頭の中は真っ白だ。 婚約者のウィルに優しく呼びかけられた瞬間、体はたちまち熱く反応した。 でも……彼が私を見るたび眉をひそめるのは、なぜ? 事故で記憶を失った婚約者シンシアを見舞うウィルの心は、千々に乱れた。 彼女に浮気の証拠を突きつけ、婚約解消を宣言したのは、事故直前のこと。 だが、シンシアの驚くべきこの突然の変化を……どう解釈すべきなのだ? 類いまれなる美貌とプライドの高さから“氷の女王”の異名をとる彼女が、 まさか別人のようにーー快活で優しい女性に変わってしまうとは。 予測不能指数MAX! 億万長者とその美しき婚約者がたどる、数奇な運命の行方は? 本作で鮮烈なデビューを果たし、一躍スター作家となった鬼才アンドレア・ローレンスの、スリリングな記憶喪失ロマンス。リン・グレアムがお好きな方に特におすすめします。
ためらい、迷い、ようやくつかんだ。 この愛を、もう二度と放したくない。 半年の仕事のためイタリアに来ているジンジャーは、 関係者が集う船上ディナーに招待された。 船のオーナーである大富豪ヴィットリオと目が合った瞬間、 圧倒的な魅力に心を奪われると同時に、罪悪感に襲われた。 病の夫を亡くして2年がたったとはいえ別の男性に惹かれるなんて……。 それでも、ともに過ごす時間が増えるにつれ恋心は募っていき、 ヴィットリオも彼女を憎からず思ってくれている気がして嬉しかった。 ところがある日、ジンジャーの前にヴィットリオの母親が現れ、 冷たい態度で接してきたかと思うと、衝撃の言葉を放った! 「あなた、息子がもうすぐ結婚することは聞いているの?」 それぞれ心に傷を抱えた3人のヒロインが、ヨーロッパで運命の人と出会う大好評3部作、〈大富豪の青い鳥〉第2話をお届けします。本作は、前作のフランス公爵に負けず劣らずの美形イタリア伯爵との一筋縄ではいかない恋が描かれるシンデレラ・ストーリーです!
不慮の事故で夫とお腹の子を一度に失い、涙に暮れていたアビー。ある日、亡き夫の遺した店で働く彼女のもとに、最近雇った学生の父親で富豪のリックが現れ、娘の採用を取り消すよう圧力をかけてきた。彼の不機嫌な態度に戸惑う一方、忘れていた恋の疼きが…(『さよなら涙』)。リリーは幼い妹を抱え、ときには困窮して路上生活も経験した。8年前、恋人ミケーレの求婚を断ったのは、そんな自分が足手まといになると思ったから。それなのに今、ウェイトレスとして働く職場で、冷たい瞳の奥に情熱をたぎらせている彼と再会してしまうなんて!(『独りぼっちの薬指』)。ベリンダは双子の子供を連れて訪れたミラノで事故に巻き込まれ、救助に現れた医師を見て息をのんだーああ、マリオ!4年前、めくるめく一夜に純潔を捧げた相手。そして双子の父親。幸か不幸か、彼は子供たちをベリンダの親友の子と勘違いしており…(『秘密の双子』)。久々の再会を果たした品行方正な次期伯爵ランドールとワイルドな従兄弟のゲイブ。ひょんなことから、二人は立場を交換ーゲイブは伯爵領で屋敷を管理するフレディと一つ屋根の下で恋の火花を散らし、ランドールは従兄弟の妹分で孤児のクレアに惹かれていく。(『華麗なる義兄弟』)。
伯爵に蔑みの目を向けられたのに、 彼の誘惑に抗えないなんて……。 なぜ姉の突飛な頼みを聞き入れてしまったのかしら? 純朴でまじめなルシールはしきりに後悔していた。 父の死後、姉は相続のためにさる伯爵領内の屋敷に住む必要があった。 だが、留守中にルシールが姉になりすますのはあまりに無謀だった。 双子の二人は顔がそっくりでも、性格もふるまいも……なりわいも違う。 ルシールは地味な教師で、姉は社交界に名を馳せる高級娼婦なのだから。 領主のシーグレイブ伯爵はもちろん、村人からも白眼視される毎日。 次々とつらい目に遭い、思わず涙を流してしまった彼女を見て、 伯爵は目の前の女性が自分の知る人物らしくないことに気づいた。 ほどなくルシールは仰天の誘いを受けるーー僕の愛人にならないか、と。 太陽と月ほど違う性格の双子の姉に代わり、不機嫌な伯爵や村人と渡り合わなければならなくなったルシール。皆の敵意は本来、姉に向けられているとはいえ、手酷い仕打ちに傷つきます。うぶな彼女と伯爵との成就しそうもない恋は、いったいどうなることやら……。
ロンドンの最高級ホテル、リッツのレストラン。 スティーブンがポケットから取りだしたダイヤの指輪を見て キャロラインは目をみはった。プロポーズに迷いながらもイエスと答える。 やがてお祝いのダンスを終えたとき、社長が近寄ってきたーー マーク・ライダー。鋼色の目と漆黒の髪を持つ、彼女の上司。 ダンスに誘われ、マークの手がウエストに触れた瞬間、 キャロラインの全身に震えが走った。 マークの秘書として働き始めて以来、ずっとこの感覚に抗ってきた。 彼を見るたび、気持が高ぶり、そして不安になる。 わたしはスティーブンを愛しているはずなのに……なぜ? 〈ロマンス・タイムマシン〉と題してその年の名作をお贈りする企画、1994年の今回は、大御所エマ・ダーシーに次ぐ驚異の販売部数を記録した伝説的作家、サラ・ホーランドが登場。究極の傲慢ボスヒーローの熱烈アプローチに、やがて秘書はメロメロになって……。
忘れえぬあの情熱の夜、 小さな命を授かって……。 高級スーツに身を包んだハンサムな新しいCEO、ゼブを見た瞬間、 ケーシーは思わず息をのんだ。 広い肩、堂々とした物腰、 莫大な富と権力の持ち主とすぐわかる強烈なオーラ。 まるで魔法にかかったように、たちまち彼女はゼブの虜になった。 そして、デートのあとアパートまで送ってくれた彼に身も心も捧げた。 ロマンティックにはほど遠かったけれど、 今まで経験したこともない絶頂感に満ち足りて。 ところが数週間後、予想外の妊娠に気づき彼のもとを訪ねると、 ゼブの冷ややかなグリーンの瞳に一瞥されてしまい……。 D-1737『幻の一夜の忘れ物』でデビューしたRITA賞受賞作家、サラ・M・アンダーソン。人気の一夜の恋をテーマに実力派が綴る、スリリングなジェットコースター・ロマンス!
リリーの家の玄関先に生後まもない赤ん坊が置き去りにされた。今は疎遠で居場所もわからない異父姉が産んだ子とわかったものの、あまりに突然のことに、リリーは呆然と立ち尽くした。改装中のこの家では、まともに育児なんてできないのに!すると偶然にもそこへ親友の兄ニックが訪ねてきて、彼女の窮状を見かねて一緒に赤ん坊を病院へ連れていってくれた。それがきっかけとなり、親友が思いがけない解決策を提案するーー兄は大企業の重役で不在がちだから、彼の家で育児をすればいい、と。そんな成り行きで始まった二人と赤ん坊の同居生活だったが、