著者 : 太田蘭三
警視庁捜査一課第二係は継続捜査係である。迷宮入り事件を粘り強く捜査する特捜刑事・香月功は、休暇で登った奥秩父・甲武信岳で、男女の死体を発見した。当初は豪雨下の遭難死と思われたが、香月は不審を抱き、単独捜査を開始した。やがて、死体発見現場を捜索中、精巧なニセ札を発見。香月は容疑者を捜し戦中にドイツから持ち込まれたザンメル印刷機を追うが…。警察小説の金字塔「顔のない刑事」シリーズ第3弾。
冬の白い眠りから目覚めた晩春の尾瀬で、拳銃で撃ち抜かれた男女の死体が発見された。男は現職の刑事、女は水商売に従事していた。2人は心中か、それとも…。捜査一課長の特命を受けた香月功は、ただちに捜査を開始。やがて女の背後に暴力団の存在が浮かび上がるが、直後、行方を追っていた容疑者の男が熱海で死体で発見された!事件に巨大な陰謀を感じ取る香月。警察手帳を持たない“顔のない刑事”の捜査の行方は。
「葬式は人生最後の花道、最後のイベントだ」-そう言って自らの葬式の総合演出・プロデュースに取り組んでいた源田金蔵が急死した。菊島真ら五人の老人ホームの仲間が見守るなか、つつがなく葬式は進行しているかに見えたが、火葬の際に奇妙な事件が発生した。北多摩署の捜査から意外な真実が判明し、大きな衝撃を受ける菊島たち。「老い先はわずかだ。死に花を咲かせよう」と一念発起し、彼らは人生最後の大バクチに出ることを決意するが…。「老い」の概念を根底から覆す、痛快エンターテイメント小説。
秋川渓谷での連続強姦殺人の容疑者となった石破は、強要された一度だけの自白で、必死の抗弁も空しく死刑が確定してしまった。塀の外で無実を信じてくれるのは、想いを寄せる血の繋がらない妹だけ。二人は脱獄を企てるが自由もつかの間、ついに処刑の朝を迎えて…。絶望からの脱出を描く傑作サスペンス。
東京・立川市のホテル内浴槽で溺死体が発見された。不可解な点を鑑識調査した結果、他殺事件と判明する!被害者・高渕貞男は、建設省道路整備課の官僚、ゼネコンとの収賄事件で疑惑をもたれていた。警視庁北多摩署・相馬刑事は、警視庁捜査二課若杉麗子警部とともに事件に隠された闇を追う。だが同じ時、相馬の親友が誘拐事件の被害者に!誘拐されたのは稀少なある生き物…。二つの難事件を前に、相馬刑事は、はたして!?疑獄事件の闇と山岳小説の醍醐味が見事に融合!大好評“北多摩署純情派シリーズ”堂々の書下ろし第七弾。
北多摩署刑事・相馬は、ある事件で知り合った少女・坪山千江と三年後の再会を約束していた。だが、三年後、相馬と対面したのは、全裸の死体となった千江だった。殺害されるまでの一年半の間、なぜか、千江は所在不明。懸命に千江の交友関係を追う相馬は、不審な動きを見せる組織の存在に気づく。さらに、その組織に失踪者が続出していることを知った相馬は、失踪者と過去の千江の足跡を求め、伊豆、そして福島へ。そこで相馬を待ち受けていたのは、驚愕の怪事件であった。
米国カジノの借金取立て人石黒友行が刺殺され、現金1億8000万円が消えた。有力容疑者は、唯一アリバイのない石黒の情婦愛染小夜子。かつて彼女と情を交わした特捜刑事香月功は、小夜子の潔白を信じて独自捜査を開始したが、直後、今度は、石黒から巨額の取立てを受けていた代議士の秘書が殺害され、事態はますます錯綜した…。はたして小夜子の運命は?連続殺人の真相は…。名手が贈る大人気“顔のない刑事”シリーズ待望の書下ろし第11弾。
「新宿柏木署の署長の娘佐智子が家出、AV女優となったが、その後消息不明に。なんとか極秘裡に捜し出せ」指令を受けた警察手帳を持たぬ刑事香月功は、美貌の助手志賀今日子と捜査を開始、佐智子のヒモと判明した暴力団黒柳組の久米島のマンションに向かったが、そこには同じ組の組員森川の死体があった。やがて、久米島が佐智子を利用し美人局を働き、大手進学院の院長を恐喝していた事実が浮上したが、直後、久米島の他殺体が自宅前で発見された…。はたして佐智子の行方は?事件の背後には何が存在するのか…。周到な取材をもとに熟達の名手が贈る、ますます人気快調の“顔のない刑事”シリーズ待望の書下ろし第十弾。
作家たちが集まるパーティで釣部渓三郎は美女と知り合い、誘われるままに一夜を共にした。それ以来、謎の美女をめぐって連続殺人事件が発生。おなじみ蟹沢警部補と相馬刑事も加わって犯人を追う。釣部と恋人アキは朝日連峰に入山し、大鳥池で全裸の美女の溺死体を発見する。その美女の正体が割れたとき事件の背後のどす黒い連環が現われた。
恋人の水沢アキのマンションの隣室が全焼し、男の焼死体が出た!釣部渓三郎と蟹沢警部は、部屋の主でここ数日所在不明の独身女性を探し出せば一件落着と考え、秋田の乳頭山に出かける。しかし、この山行が焼死体に隠された恐ろしい事件の全貌を、暴き出す幕開けとなった!釣部渓三郎シリーズ第6弾。
レジャーライターの釣部渓三郎は、初夏の笹子奥野沢では女の全裸死体、また寸又峡の栗代川では身元不明の男の死体を発見する。二つの事件の関連は?男の所持品の中に渓流用の珍しい毛バリが1本。毛バリが語る男の隠された素顔。おなじみ釣部と上条アキのコンビの推理が冴える渓流ミステリー。
白昼の東京駅新幹線ホームでサブマシンガンが炸裂、暴力団多羅尾組の組員と、偶然に居合わせた舞台女優伊衆院朋子が死んだ。組織抗争の巻きぞえかと思われたが、警察手帳を持たぬ刑事・香月功は単独捜査を開始し、意外な事実をつかんだ。朋子の兄で画商の寛治が、暴力団から売却を依頼されたフランス名画を持ったまま失踪していたのだ。だが、捜査をすすめる香月の前でふたたび殺人事件が発生、さらに「犯人は香月」と謎のタレコミが…。はたして寛治の行方は?朋子の死の真相は?円熟味を増した名手が自信を持って放つ大好評。“顔のない刑事”シリーズ待望の書下ろし第七弾。