著者 : 干刈あがた
離婚を契機に新しい家族像を模索し始めた夫、妻、小学生の2人の息子たち。その日常を優しく、切なく綴った物語「ウホッホ探検隊」。同作は芥川賞候補となり、後に森田芳光脚本、根岸吉太郎監督で映画化もされた著者の代表作。ほかに「プラネタリウム」「幾何学街の四日月」「月曜日の兄弟たち」の3作を収録。
小学校のPTA役員として知り合った母親たち。離婚やいじめなど家庭や学校の問題に翻弄される中、東京女子マラソンでひたむきに走る選手たちに彼女たちが託したものはー。母、そして子ども、教師とそれぞれの心の葛藤をリアルに描き出す。他2篇を収録。
ただ、寄り添っているだけで家族でいられたらー夫の不在、子どもたちだけとの日々が、次第に「私」を不安定にさせていく。主婦としての平穏な暮らしの中でふと抱く漠とした孤独。現代家族の危うさともろさを浮かび上がらせた、著者のデビュー作。他4篇を収録。
「僕たちは探険隊みたいだね。離婚ていう、日本ではまだ未知の領域を探険するために、それぞれの役をしているの」-離婚を契機に新しい家族像を模索し始めた夫、妻、小学生の2人の息子たち。そのさまを優しく、切なく綴った物語。他3篇を収録。
十四歳の少年少女たちにとって、学校がとても酷い場所になっているんだよ!全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界!新たな希望への旅路に、ようこそ。
わたしたちの故郷って、どこだろう?全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界!新たな希望への旅路に、ようこそ。
誰にでも、いつか、苦しみの指輪が回ってくる。全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界!新たな希望への旅路に、ようこそ。
私、負けたくなかった。この街、あのビルに-街もビルも人間が作ったものなのに、そこに住む人間を変えてしまうの。全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…。深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界。
「あなたはあなたでいいんだから。あなたは長い時間をかけて、よりあなた自身になっていけばいいんだから」中学3年の途中から不登校になった少女の一年。普通に登校している生徒たちの文集。少年院からの声。農村で共同生活する子供たちの手記ー揺れ動く現代社会の中で、様々な危機を抱える子供たちの発する光と影のメッセージと、それを受けとめる大人たちの姿をモザイク的手法で写しとった長篇小説。
「作家になる方法」、「別の女になる方法」など、ハウツー物の文体パロディで描かれる現代人の孤独な人生。度はずれたユーモア感覚と深い淋しさが絶妙に溶け合うローリー・ムーアのおかしなおかしな世界。
学生時代につきあった女友達の酒場を20年後に訪ねてホロ苦い思いを味わう男の気持ち(百円ライター)。マニュアルなしには何もできない新入社員の真摯で初々しい恋心を讃える(借りたハンカチ)。義足をつけた娘とイタリア青年との交際を、ハラハラ見まもるコミカルな父親の姿(花束)。契約書、印鑑、ローソク、指輪。日常の中の「物」たちを通して鮮やかに浮かぶ、明るい無常感に満ちた21の人生の悲喜劇。
父親の死が近づいているのに女優のゆり子は番組に出演しなければならない。録画撮りが始まって、彼女はスタジオのあちこちに時計があることに初めて気づく(時計)。停年の翌日から家の前を掃き出した貞冶が知る町の顔、妻の声(朝の竹箒)。息子のような若い男に恋心を覚えた京子の戸惑い(二足のハイヒール)。日常に溶けこんだ“物”たちを通して浮かびあがる男と女、オトナと子供の様々な人生。
図書館に蔦の緑濃く、懐しく甦る遥かな日々。初恋に心揺らぎ、悩み、ためらいながらひたむきに歩む学生たち。1960年代のはじめ、チャコールグレイの青春を生きた群像を確かな眼と静謐な筆で描く傑作長篇。
高層ホテルの用地買収に応じて、一家は住み慣れた西新宿の家を手放し、ホテル完成とともに地上18階の一室を故郷とすることになった。大都会に生きる人間にとって、土地とは、故郷とは、いったい何なのか、変貌してゆく東京の姿を平凡な家族の姿に託して描く、芥川賞候補の表題作ほか、故郷の島に取材した「入江の宴」など、著者の文学世界の豊かな広がりを示す珠玉作、全4編。