著者 : 平安寿子
結婚欲満々の麻美。叔母の経営する結婚相談所で働くことになるが、これがとんでもない世界で……。結婚に振り回される男女の滑稽な姿を通して、結婚の意義を考えさせられる物語。(解説/中江有里)
田中修司、四十九歳。「バブル入社組」と言われ、上司からは翻弄され、部下からは突き上げられる。家庭の実権は妻にあって、それでいいと思っているけれど、なかなかどうして大変だ。ある日、徳市じいさんが死んだと聞き、幼なじみの和彦、達也と集まると、あの頃の記憶が蘇る。ただひたすら楽しかった思い出ー。今を生き抜く「元・男子」に贈る人生の応援歌。
我々はバブルの犠牲者だ!-イケイケなバブル女の上司・山元里佳子は、質素なアラサーOL・才川美結の天敵。耳にタコの自慢話にお説教…ああ、うっとうしい!そんな里佳子がある事件をきっかけに婚活を本格始動、美結の気になる草食男子・野々村にまでちょっかいを出してきて…。私だって幸せをつかみたい!女同士の本音がぶつかる痛快ジェネレーションバトル小説。
丘の上の馬鹿(フール・オン・ザ・ヒル)みたいに超然と老いたいのに、じたばたするばかりの金森カナエ(59)。舟唄ばりの不倫にどっぷりな桑原カオル(32)。ピンク・レディーのコスプレにはまった落合光弘(26)…。さえない、うまくやれない自分だけど、背中を押すテーマソングがある。軽妙なシニカルさと温かい視線が描き出す、9人の物語。
高校を卒業してから「プロのフリーター」を自称し、アルバイトで一人暮らししてきた風実。でも25歳になって、将来に不安を感じるように。そんな時、ゲイをカミングアウトした高校生の弟が実家から逃げてきた。さらに、プロボクサーを目指す恋人がケガでボクシングをやめると言い出して…あっちもこっちも問題山積みの風実の明日は?ままならない日々を頑張る女性に贈る、共感たっぷりの物語。
年金相談センターの窓口でアルバイトをしている一枝、62歳、独身。ローンは完済、貯金もある。死ぬのは怖くない。だが彼女、趣味のバレエ教室では深窓の大奥様という嘘八百を並べ立てていた…。孤独でひねくれた女性の心理を描く「浮いてる女」ほか、ちょっとヘンな男女6人の人生模様を描く短篇集。
吉田江利、三十三歳独身OL。ちょっと荒んだアラサー女の心を癒してくれたのは往年の噺家たちだった。ひょんなことから始めた素人落語にどんどんのめり込んでいく江利。忘れかけていた他者への優しさや、何かに夢中になる情熱を徐々に取り戻していく。落語は人間の本質を描くゆえに奥深い。まさに人生の指南書だ!涙と笑いで贈る、遅れてやってきた青春の落語成長物語。
食べものも男も、おいしく有り難くいただきませんとねー。失恋を忘れるため、冴えない男の誘いを受けた沙織。だがつれていかれた店で出てきた料理はゲテモノばかりで…。大のタマネギ嫌いの志奈は、それを直したがる彼と険悪に。20代のロミが50代の高村とデキてしまったのは、バターご飯のフェロモンのせい!?恋も食も、スパイスが肝心。ウィットたっぷりの美味なる恋愛小説6編。
編集長の仕事にも恋愛にも行き詰った梨央、30歳。ある日、酔った勢いで建設現場の足場に登り、降りられなくなったところをトビ職の徹男に助けられる。徹男に一目ぼれした梨央は、勢いで工務店に飛び込み就職。だがそこは、亭主に逃げられやむなく社長になった郷子がキレる寸前で大混乱中だった。女ふたりの行く末はいかに。
「この作品が私の代表作になる予感がします」--平 安寿子 プチ家出から戻らない母、いいじゃないか、と言う“文鎮”こと父、ダメ男に貢いで飄々と生きる姉、そんな家族にいらだち、上昇志向を実現しようと邁進する妹……。他人の迷惑顧みず、「自分の気持ち」に素直に生きるタフな4人がここにいる! けちなモラルや常識なんて笑い飛ばす、新しい家族の物語。おすすめ文庫王国〈2005年度版〉第一位!(講談社文庫) 「この作品が私の代表作になる予感がします」--平 安寿子 けちなモラルや常識なんて笑い飛ばせ!?どこにでもいる父・母・姉・妹4人が見つけた「新しい人生!」 あなたは誰に似ていますか? プチ家出から何年も戻らない母、いいじゃないか、と言う“文鎮”こと父、ダメ男に貢いで飄々と生きる姉、そんな家族にいらだち、上昇志向を実現しようと邁進する妹……。他人の迷惑顧みず、「自分の気持ち」に素直に生きるタフな4人がここにいる。けちなモラルや常識なんて笑い飛ばす、新しい家族の物語。 第一章 新しい日々 一九八三年 第二章 結果オーライ 一九八五年 第三章 ファイターのスピリット 一九九三年 第四章 イン・マイ・ライフ 一九八三〜一九九三年 第五章 プライドのサバイバル 一九九八年 第六章 どうぞ勝手に、グッドラック 二〇〇三年
恋人に逃げられ、勤務先は倒産。ドツボにはまった三十歳の幸恵は、昔付き合った男に貸した金を取り立てるところから人生を立て直そうと考えたが…(「素晴らしい一日」)。卓抜なユーモア感覚が絶賛されたオール読物新人賞受賞作を含め、憂きことばかりの人の世を、もがきながら生きる人間像を軽やかに讃える傑作六編。