小説むすび | 著者 : 廣野由美子

著者 : 廣野由美子

シンデレラはどこへ行ったのかシンデレラはどこへ行ったのか

出版社

岩波書店

発売日

2023年9月22日 発売

『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はいつ、どのように生まれ、広まっていったのか。英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と、そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き、現代における物語の意味を問う。 序 『ジェイン・エア』から少女小説へ    --「シンデレラ・コンプレックス」と「ジェイン・エア・シンドローム」 第1章 脱シンデレラ物語の原型    --シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』  1 女性像の変転ーー『ジェイン・エア』以前の文学を見る  2 不遇な幼少時代を送るヒロインの登場  3 学校生活とキャリア  4 男性パートナーとの対等な関係 第2章 アメリカへ渡った「ジェイン・エア」の娘たち    --『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』  1 『ジェイン・エア』の物語とアメリカの女性作家たち  2 女らしさへの問いーールイーザ・メイ・オルコット『若草物語』  3 逆境を乗り越えるーージーン・ストラットン・ポーター『リンバロストの乙女』  4 自立への道ーージーン・ウェブスター『あしながおじさん』 第3章 カナダで誕生した不滅の少女小説    --ルーシー・モード・モンゴメリ『赤毛のアン』  1 自分らしさと強さの肯定ーー『ジェイン・エア』からの飛躍  2 自力で居場所を獲得する物語  3 能力でキャリアを開く  4 敵対から友愛へ 第4章 イギリスでの変転とその後の「ジェイン・エア」    --ルーマー・ゴッデン『木曜日の子どもたち』  1 「シンデレラ」のゆくえーー『ジェイン・エア』からの変容  2 母としての「ジェイン・エア」  3 シンデレラ少年の物語  4 「意地悪な姉」の再生の物語 終 章 変わりゆく物語    --「ジェイン・エア・シンドローム」のゆくえ  1 変貌する「シンデレラ物語」--ディズニー映画と現代  2 変わる読者の意識と時代ーー新しい物語への展望  あとがき  参考文献

謎解き「嵐が丘」謎解き「嵐が丘」

出版社

松籟社

発売日

2015年12月18日 発売

ジャンル

エミリ・ブロンテ『嵐が丘』が蔵する謎を手がかりに、この小説の核心に迫る。 『嵐が丘』の読者は数多の謎に遭遇する。謎を解くためにテクストから証拠を拾い上げてゆくと、また新たな謎が出現し、これまで見えなかった作品の一断面が、鮮やかに浮かび上がってくる…… 好評を博した旧版『「嵐が丘」の謎を解く』(創元社、2001)に3つの新章を加え、全面的に改稿した増補決定版。 第1章 序説ーー『嵐が丘』の謎はどこから生じてくるのかーー 第2章 「許されざる者」とは誰かーー『嵐が丘』の神学的解釈ーー 第3章 ヒースクリフは何者かーー「分身」のテーマの変容ーー 第4章 時間の秘密ーー年代記を解読するーー 第5章 空間に埋め込まれた秘密ーーイメジャリーを解読するーー 第6章 隠された会話ーーある劇的瞬間ーー 第7章 第二世代物語論(一)--鏡の世界ーー 第8章 第二世代物語論(二)--ファンタジーとしての『嵐が丘』-- 第9章 『嵐が丘』の起源ーー新・旧「伝説」をめぐってーー 第10章 『嵐が丘』のトポスーー「荒野」物語についての比較文学的考察ーー おわりにーー『嵐が丘』の謎の性質とはどのようなものかーー (付録)『嵐が丘』年代記とその推定方法

ミステリーの人間学ミステリーの人間学

出版社

岩波書店

発売日

2009年5月20日 発売

序 章 探偵小説の誕生   1 ミステリーと文学   2 探偵と探偵小説   3 人間をいかに描くか 第1章 心の闇を探る──チャールズ・ディケンズ   1 「ミステリー」としてのディケンズ文学 『バーナビー・ラッジ』   2 探偵の登場 『荒涼館』   3 犯罪者の肖像 『エドウィン・ドルードの謎』 第2章 被害者はこうしてつくられる──ウィルキー・コリンズ   1 抹殺される恐怖を描く 『白衣の女』   2 物的証拠と謎解き 『月長石』 第3章 世界一有名な探偵の登場──アーサー・コナン・ドイル   1 人間観察と推理 『緋色の研究』   2 哲学する探偵 「赤毛組合」「唇のねじれた男」「まだらの紐」ほか   3 なぜ人々は名探偵を切望するのか 『バスカヴィル家の犬』 第4章 トリックと人間性──G・K・チェスタトン   1 凡人探偵の登場 「青い十字架」「奇妙な足音」「飛ぶ星」ほか   2 単純な事実がもたらす謎 「折れた剣」「見えない男」「神の鉄槌」ほか   3 ブラウン神父の影 『木曜の男』『詩人と狂人たち』『ポンド氏の逆説』 第5章 暴かれるのは誰か──アガサ・クリスティー   1 解明のプロセスで起こること 『アクロイド殺し』ほか   2 人間を裁けるか 『オリエント急行殺人事件』ほか   3 誰かに似ている犯人 『火曜クラブ』ほか 終 章 英国ミステリーのその後──「人間学」の系譜  あとがき  主要参考文献

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