著者 : 柳広司
ロシア人の血を引く白皙の子爵・麻倉清彬は、殺人容疑をかけられた親友・多岐川嘉人に呼び出され、上野のカフェーへ出向く。見知らぬ男の死体を前にして、何ら疚しさを覚えぬ二人だったが、悲劇はすでに幕を開けていた…。不穏な昭和の華族社会を舞台に、すべてを有するが故に孤立せざるを得ない青年の苦悩を描いた渾身作。
スパイ組織"D機関"の異能の精鋭たちを率いる“魔王”--結城中佐。その知られざる過去が、ついに暴かれる!? 世界各国、シリーズ最大のスケールで繰り広げられる白熱の頭脳戦。究極エンタメ!
結城率いる異能のスパイ組織”D機関”に対抗組織が。その名も風機関。同じ組織にスペアはいらない。狩るか、狩られるか。「躊躇なく殺せ、潔く死ね」を叩き込まれた風機関がD機関を追い落としにかかる!
”魔王”--結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校”D機関”。その異能の精鋭達が緊迫の諜報戦を繰り広げる! 吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイミステリ。
ロシア人の血を引く子爵・麻倉清彬は、殺人容疑をかけられた親友・多岐川嘉人に上野のカフェーに呼び出される。それが全ての事件のはじまりだった。華族社会で起きた殺人事件と共産主義活動家の摘発。そして、禁断の恋…。退廃と享楽に彩られた帝都の華族社会で混血の子爵・麻倉清彬が辿りついた衝撃の真実。
柳広司×夏目漱石 傑作パスティーシュ!(文体模写) 探偵小説好きの僕はひょんなことから先生の家に書生として住み込むことになった。 先生は癇癪持ちで、世間知らず。書生の扱いときたら猫以下だ。 家には先生以上の“超変人”が集まり、次々に奇妙奇天烈な事件が舞い込んでくる。 後始末をするのは、なぜかいつも僕の仕事だ。 先生曰く、 「だって君、書生だろ?」。 『吾輩は猫である』の物語世界がミステリーとしてよみがえる。 ユーモアあふれる“日常の謎”連作集! <解説・田中芳樹>
松山から東京に戻った3年後、山嵐と再会した坊っちゃん。山嵐は「教頭の赤シャツが自殺した」といい、坊っちゃんはその自殺の真相を探るために再び松山を訪れ……傑作パスティーシュ登場!
イギリス留学中、心を病んで自分のことをシャーロック・ホームズだと思いこんだ夏目漱石。ある日、ヨーロッパで有名な霊媒師の降霊会が行われ、参加する漱石だったが、その最中、霊媒師が毒殺されて……。
“悪魔”と恐れられる巨大な狼との知恵比べの最中、のどを食い破られた死体に遭遇する「カランポーの悪魔」。老カラスの宝物からダイヤを見つけたことで奇想天外な盗難事件に巻き込まれる「銀の星」等、全七編収録。自然観察者にして『動物記』の作者シートン氏が、動物たちを巡って起こるさまざまな難事件に挑む連作短編ミステリー。
元軍人のフェアフィールドは、巣鴨プリズンの囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。時を同じくして、プリズン内で殺人事件が発生。フェアフィールドは貴島の協力を得て、事件の真相を追うが……。
聖フランシスコ・ザビエル。日本にキリスト教を伝えたその人の首が、あるはずのない鹿児島で発見されたという。彼の首と、目を合わせてしまった修平の意識は、聖人が立ち会った四百年以上前の殺人の現場へ跳ばされるー。時空を超えて、誰もがその名を知る歴史上の人物にまつわる謎を解く異色ミステリー。
第二次大戦が終わった夜、原爆が生まれた砂漠の町で一人の男が殺され、混沌は始まった。原爆の父・オッペンハイマーの遺稿の中で、世界は捻れ悲鳴を上げる。人間の原罪を問う、至高のエンタテインメント。
インタビューに訪れた新聞記者の“わたし”にシートン氏が語った驚くべき事件の数々。シートン先生は名探偵だった!「長年野生動物に接していたせいか、つい、細かなことを観察する癖がありましてね。…反射的に相手の行動を推理してしまうのです」。
第二次大戦が終わった夜、原爆が生まれた砂漠の町で一人の男が殺され、混沌は始まった。狂気、野望、嫉妬、憐憫…天才物理学者たちが集う神の座は欲望にまみれた狂者の遊技場だったのか。そしてヒロシマ、ナガサキと二つの都市を消滅させた男・オッペンハイマーが残した謎の遺稿の中で、世界はねじれて悲鳴を上げる。
1835年9月、英国の軍艦ビーグル号がガラパゴス諸島を訪れた。巨大なゾウガメとイグアナたちが支配する“魔の島”で、上陸者が次々と奇怪な死を遂げる。敢然と謎に立ち向かった若き日のダーウィンであったが…。『種の起源』に秘められた謎が、いま明かされる。