著者 : 森晶麿
ひと月前に大学へ長期休暇を申請して以来、一切の連絡がとれない黒猫。付き人は、学部長の唐草教授の頼みで、失踪直前に彼の研究室を訪ねた四人の来訪者ー元歌手の赤城藍歌、俳優の平埜玲、現代画家の網野美亜、写真家の魚住ゆうから事情を訊き、黒猫の行方を調べることになる。K大学教授の灰島浩平にそのことを打ち明けるが、依然として手がかりは掴めないまま、気持ちばかりが焦ってゆく。黒猫は何の目的で彼らと会っていたのか?そしてその行方は。アガサ・クリスティー賞受賞の人気シリーズ最新作、衝撃の結末。
高円寺のあづま通り商店街に事務所兼住居を構える“銀田探偵事務所”。5年前、「神崎透くんの失踪事件」が未解決に終わったのをきっかけに、所長だった父・龍一は専業主夫となり、現在はペット専門の探偵稼業を営む母・獅乃頼みの暮らし。そんな家庭に微妙な距離感を覚える長女・凪咲もまた、行方不明のままの神崎透の同級生・川上恵奈が事件の再調査を密かに依頼してきたのを皮切りに、高円寺の街のささやかな事件の調査に関わることに。その探偵熱は、高校生の長男・瞬矢をも巻き込み、やがて銀田家に思いもかけない波紋を呼んでー“黒猫”シリーズの人気作家が描く、新型コロナ以降の探偵と家族の物語。
『雪の女王』に隠された本当の物語を知っていますか?作家と編集者ー「最高傑作」が招いた殺意と悲劇。童話にも事件にも、知られざる“真実”がある。夢宮と月子の関係にも決着が?恋愛ミステリ堂々完結!?
さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 様変わりした生活、奪われる自由ーー。 でも大丈夫、私たちには「小説」がある。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生ーー。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えたーー。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。 宮内悠介 「国境の子」 藤井太洋 「月の高さ」 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 深緑野分 「水星号は移動する」 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 石川宗生 「シャカシャカ」
“蛭鬼”と呼ばれる、不老不死で超人的な能力をもつ吸血鬼の伝説があった。その伝説の地で、兄弟は育ったー。山奥の密室状態の別荘で、若き映画スター、比留間稔流が殺された。稔流は弟の真斗に、自分たち兄弟は、“蛭鬼”の血統だと言っていた。“蛭鬼”の血が目覚める条件は、本当の恋に落ちること。稔流は、かりそめの死の一年後に復活するはずだと、真斗は信じた。犯人は誰なのか、兄弟は“蛭鬼”の血統なのか。真斗は本当の恋を求めながら、謎を探っていく…。
時は2028年。第三次世界大戦により滅亡の危機に瀕した日本人。その数少ない生き残りの少年・ヒカルはある日避難先のノルウェー・ヴェストヴォーゴイで、一冊の画集を手にする。その中にあったKという画家による“塔と女三部作”では、日本のカタストロフがすでに2000年前後から予言されていた。一方、2015年の東京で、「黒淵教授」シリーズ最新作の担当になった新米編集者の未歩は、作者のスランプが過去の三角関係にあると知り、二日酔いで夢現のまま、その友人画家・Kの自宅へ向かう。だが、そこで待っていたのはKの首なし死体だったー!過去と未来、現実と創作世界が錯綜する先に待ち受ける結末とは?
都内でカウンセラーとして働く美谷千尋は、自殺願望のある高校生、今道奈央から“首絞めヒロの芝居小屋”という自殺サイトの存在を知らされる。そこに犯罪の匂いを感じた千尋は、サイトの管理人が8年前に故郷の山口県で知り合った「ヒロアキ」ではないかと疑いを抱く。千尋によって徐々に明らかにされていくヒロアキの恐ろしくも哀しい過去。ヒロアキはなぜ連続殺人犯になってしまったのか?千尋とヒロアキの間に流れる8年間の物語とはー?
大学院修了後に博士研究員となった私は、所無駅付近で自分そっくりの女性と遭遇する。白い髪、白い瞳、白いワンピースの彼女はあきらかにこちらを見つめていた。学部長の唐草教授の紹介で出会った反美学研究者、灰島浩平にその話をすると、様々な推理を展開する。本来なら黒猫に相談したいところだったが、黒猫の言葉ーとにかく、まだ結婚は無理ーがひっかかり、連絡できずにいた。白を基調にした都市開発計画が持ち上がる所無。自宅に届いた暗号が書かれた葉書。私そっくりの女性となぜか会っていた母の雪絵。いったい私の周りで何が起きているのー?アガサ・クリスティー賞受賞作から連なる人気シリーズ、待望の再始動。
現象学者の凪田緒ノ帆は、半年前に自宅の火災で恋人を失った。まる焦げで発見されたその死体が持っていたスマホのロック画面には、下着姿の謎の女性の画像が残されていた。突然、緒ノ帆の前に現れた美青年・露木は“予現者”を自称し、「僕が予現したあなたの恋人以外の直近三件の火災事故では、いずれも被害者の男性のスマホにこの女性の画像がありました」といい、事件と女性の関係を一緒に調べようと誘う。さらに、謎の女性の画像を手がかりに、メグミという名前と、彼女を探す消防士・海老野ホムラが見つかる。三人は、露木の“予現”する火災とメグミの手がかりを追う旅をはじめたー。
偽りの“死”で照らし出す、見えなかった“生”の真実ー“葬偽屋”とは、自分の死後、周囲はどのような反応をするのか…その願望を叶えるために、依頼人が望む偽モノの葬儀を執り行なう商売。
家族の借金、失職、恋人だった男の死…人生のどん底にいたセレナに声を掛けたのは、“葬偽屋”を名乗る謎の僧侶・殺生歩武だった。歩武に命を救われその下で働くことになったセレナは、依頼人の望むニセモノの葬儀を手伝うことに。それぞれの偽の死に隠された秘密とは!?偽りの死が“生”の愛しさを照らし出す異色の人情ミステリ。
ジャーナリストの長月菜摘は、学生時代の友人・薄井麻衣亜の夫のSNSから、彼女が幼い息子を連れて家庭を捨てたことを知る。夫も、両親も、友人も、同僚も、彼女が消えた理由を知らないというが、誰もが麻衣亜を失踪に駆り立てるだけの要因を持っていたー。アガサ・クリスティー賞受賞作家の新境地!現代女性が背負わされた見えない『重荷』の正体を抉りだす社会派本格ミステリー。
事件の謎はゴッホに聞こう。天才学芸員の佐久間と娘のかえでが越してきた香瀬町では、いま奇妙な事件が起きていた。それは、18年前の消印の絵葉書が届くこと。その当時、一人の少年画家が亡くなり一人の郵便局員が失踪していた。事件の謎を解く鍵は、少年が遺したピカソらを模した絵画。絵に込めた画家の想いを読み解けば、この町の止まった時間が動き出すーーアガサ・クリスティー賞作家の絵画ミステリー!
生まれ変わるため、「僕」は全身整形手術を受けるアルバイトに応募、瀬戸内海に浮かぶ孤島・O島に向かう。〈鬼〉が出ると噂されるこの島では、天才美容外科医のM博士が研究棟を建てて究極の美を追究しており、そこには二人の美しい女と博士の婚約者・レイコも暮らしていた。「僕」の手術が成功したのも束の間、M博士の部屋から首なし死体が見つかる。博士を殺した〈鬼〉を捕まえるべく、レイコは研究棟を〈密室〉にするが……。 報酬1000万の全身整形手術、 ただし元の姿には戻れない 人生に絶望していた「僕」は生まれ変われるはず、だった……。 「黒猫シリーズ」の著者が挑む、傑作孤島ミステリー! 人生に絶望していた「僕」は、新しい「自分」を手に入れるために、治験モニタ人材バンクのサイトにあった異様な募集に応募し、O島に向かった。瀬戸内海に浮かぶO島は、近年まで〈鬼〉が出ると噂され、周囲の住民も近づくことのない孤島だったが、東京から姿を消した若き天才美容外科医のM博士が購入し、研究棟を建てて究極の「美」を追究していた。そこには、二人の美しい女と博士の婚約者・レイコがいた。「僕」の手術が成功したのも束の間、M博士の部屋から首のない死体が見つかる。博士を殺した〈鬼〉を自らの手で捕まえるべく、レイコは研究棟を〈密室〉にしていく。なぜM博士は殺されたのか、究極の「美」とはなんなのか。そして〈鬼〉とはいったい何者なのか。 プロローグ I 島に着くまで II O島、初日 III O島、10日目まで IV O島、10日目午後10時半まで V O島、10日目午後10時40分から午前0時まで VI O島、11日目午前0時から午前2時まで VII O島、11日目午前2時から午前4時まで VIII 11日目
瀬戸内海に面した椅子作りがさかんな町、宝松市鈴香瀬町。高校生の海野杏は、毎朝海辺で小説を書きながら、椅子職人を目指す同級生・五十鈴彗斗と少しだけ話すことを日課としていた。そんなある日の朝、彗斗から「高校をやめて町を出る」と告げられる。特別仲がよかったわけではないが、傍にいて当然の存在がいなくなることに焦りを覚える杏。時を同じくして、杏は親友の翠からラヴレターの代筆を頼まれる。必死に頼む姿にほだされ、明るくてかわいい翠を思い浮かべながら、一文一文を丁寧に綴っていく。そのラヴレターから、小さな町を揺るがす失踪事件が始まるとも知らずに。“黒猫シリーズ”の著者が描く、新たな青春ミステリ。
「静かな夜には口笛を吹きたくなる奴がいるものです。口笛が聴こえる夜は、もうすでにいつもの夜とは違いますからね」 四国と淡路島の境目にある〈恋路ヶ島サービスエリア〉の売り子になると、一年以内にプロポーズされるという伝説がある。その伝説を信じるでもなく信じている理代子は、ある夜事件に巻き込まれていく。人生の小休止=サービスエリアに集まった“獣”たちが繰り広げるポップでちょっとシリアスな長編ミステリ。 「静かな夜には口笛を吹きたくなる奴がいるものです。口笛が聴こえる夜は、もうすでにいつもの夜とは違いますからね」 四国と淡路島の境目にある〈恋路ヶ島サービスエリア〉。このサービスエリアの売り子になると、一年以内に恋人からプロポーズされるという伝説がある。そんな伝説を信じるでもなく信じている恋路ヶ島出身の理代子は、自宅アパートとバイト先のサービスエリアを往復する平凡な日常を送っていた。ある夜、謎の新入り清掃士マキノの「静かな夜です。気をつけて」という一言から、理代子は事件に巻き込まれていく。 死体を運ぶ兄弟、有名司会者と愛人、人類嫌悪団体〈ノア〉……。人生の小休止=サービスエリアに、その夜集まった“獣”たちが繰り広げるポップでちょっとシリアスな、長編ミステリ。 第一章 マキノ一 第二章 第三章 第四章 マキノ二 第五章 第六章 第七章 マキノ三 第八章 間奏 第九章 第十章 マキノ四 最終章 もう一つのエピローグ