著者 : 森鴎外
アンデルセン作・森鷗外訳「即興詩人」は、明治25年(1892)から明治34年(1901)にかけて、雑誌『しがらみ草紙』(『柵草紙』)、『めざまし草』(『目不酔草』)に計38回断続的に掲載された。それを影印、一冊にまとめたものである。 ・『即興詩人』 わが最初の境界/隧道、ちご/美小鬟、即興詩人/花祭の上/花祭の下/蹇丐/露宿、わかれ/曠野/水牛/みたち/学校、えせ詩人、露肆/神曲、吾友なる貴公子/めぐりあひ、尼君/猶太の翁/猶太をとめ/媒/謝肉祭/歌女/をかしき楽劇/即興詩の作りはじめ/謝肉祭の終る日/謝肉祭の終る日のつづき/精進日、寺楽/友誼と愛情と/をさなき昔/画廊/蘇生祭/燈籠、わが生涯の一転機/基督の徒/山塞/血書/花ぬすびと/封伝/大沢、地中海、忙しき旅人/一故人/旅の貴婦人/慰籍/考古学士の家/絶交書/好機会/古市の上/古市の下/噴火山/嚢家/初舞台/人火天火/もゆる河/旧羈靮/苦言/古祠、瞽女/夜襲/たつまき/夢幻境/蘇生/帰途/教育/小尼公の上/小尼公の下/なきあと/未錬/梟首/妄想/水の都/颶風/感動/末路の上/末路の下/流離/心疾身病/琅玕洞 ・「即興詩人」および初出誌『しがらみ草紙』『めざまし草』について ・初出「即興詩人」掲載一覧
森鷗外の系譜、テーベ百門の大都とその精神を継承する作家たち。 地下墳墓のミイラに前世の無限連鎖を見出す「木乃伊」。応仁の乱の乱世に材をとった歴史小説「雪の宿り」。妖術により不老不死となった芸妓の綺譚「喜寿童女」。巧緻な文体で純なる魂の美をえがくキリシタン物「きりしとほろ上人伝」。怪談会を舞台にした「百物語」。他全63編。 全巻完結! 中島敦 矢川澄子編 狐 憑 木乃伊 山月記 文字禍 名人伝 悟浄出世 悟浄歎異 盈 虚 牛 人 弟 子 李 陵 幸 福 遍 歴 解 説 中島敦における歌のわかれ 神西清 池内紀編 夜の鳥 ハビアン説法 わが心の女 雪の宿り 化 粧 三つの挿話 水に沈むロメオとユリヤ 死児変相 ジェイン・グレイ遺文 青いポアン 解 説 もう一つの原作 石川淳 池内紀編 瓜喰ひの僧正 山 桜 ころび仙人 鉄 枴 しぐれ歌人 無尽燈 焼跡のイエス 曽呂利咄 かくしごと 怪異石仏供養 喜寿童女 二人権兵衛 無 明 解 説 ガラス玉演戯 芥川龍之介 橋本治編 葬儀記 田端日記 きりしとほろ上人伝 じゆりあの・吉助 藪の中 トロツコ 毛利先生 舞踏会 庭 彼 あの頃の自分の事 蜘蛛の糸 地獄変 裏 畠 葱 わが散文詩 東京田端 解 説 殺された作家の肖像 森鷗外 須永朝彦編 蛇 流 行 百物語 不思議な鏡 鼠 坂 寒山拾得 椙原品 寿阿弥の手紙 うたかたの記 空 車 秋夕夢 解 説 小説といふものは何をどんな風に書いても好いものだ
これまで高校国語教科書に掲載されたことのある森鴎外の小説を中心とした作品集。教科書に準じた注と図版がついて、読みやすく分かりやすい。解説して、森鴎外についての名評論も収録。
エリート官僚の太田豊太郎は、留学先で孤独に苦しむ中、美貌の舞姫エリスと恋に落ちた。世紀末のベルリンを舞台に繰り広げられる激しくも悲しい青春を描いた「舞姫」など5編を収録。文字が読みやすい改版。 *商品のパッケージ変更に伴い、掲載画像とは異なったデザインの商品が届く場合がございます。あらかじめご了承ください。
『水沫集』より、ドイツ留学体験を下敷きとした初期作品、「うたかたの記」「舞姫」「文づかひ」のいわゆる“ドイツ土産三部作”。他、自身の家庭問題を描いたかといわれる「半日」、掲載誌が発禁処分を受けた「ヰタ・セクスアリス」等の単行本未収録作品。全九篇を収録。
日本の近代演劇運動にも深くかかわった鴎外。その創作戯曲及び、未完に終わった長編小説等、先駆的試みの数々。戯曲及び対話形式の小品を集めた単行本『我一幕物』収録の多様な作品のほか、長編近代小説のうち、唯一未完に終わった「灰燼」等、全十篇を収録。
安寿と厨子王の姉弟の犠牲と覚悟を描く「山椒大夫」、安楽死の問題を扱った「高瀬舟」、封建武士の運命と意地を描く「阿部一族」の表題作他、「興津弥五右衛門の遺書」「寒山拾得」など歴史物計9編を収録。
今では「古典」となりつつある鴎外の名高い短篇小説『舞姫』を井上靖の名訳で味わう。訳文のほか、原文・脚注・解説を付して若い読者でも無理なく読める工夫を凝らした。また資料篇として、ベルリン留学時代の鴎外や「舞姫」エリスの謎についてなど、作品の背景を探る代表的文献を紹介。読みごたえのある名作をさらに深く味わえる一冊。
自殺に失敗し、苦しむ弟。彼を殺して島送りにされる喜助に、罪はあるのかー。人間のもつ不可思議、尊厳を見つめた表題作。他「阿部一族」「山椒太夫」「寒山拾得」など。(解説・川村 湊/鑑賞・林 望)
明治維新前後の転変が、一家一族の上に及ぼした影響も描かれて、総体として、行きとどいた家族年代記、もしくは時代的展望を内にふくむ屈曲に富むグループ・バイオグラフィ。つまり、一個人の生涯と業績という枠をはるかに踏みこえた、いわば大河伝記の試みであり、この点での『渋江抽斎』のユニークさと斬新さは、今日の時点から改めて大きく積極的に再評価されるに足る。
ドイツ留学中の豊太郎は、すべてを捨て踊り子エリスと生きようとするが。19世紀のベルリンを舞台に激しくも哀しい恋の結末を描く「舞姫」と「うたかたの記」「文づかい」の独逸三部作、翻訳「ふた夜」を収録。 *商品のパッケージ変更に伴い、掲載画像とは異なったデザインの商品が届く場合がございます。あらかじめご了承ください。
貧窮のうちに無邪気に育ったお玉は、結婚に失敗して自殺をはかるが果さず、高利貸しの末造に望まれてその妾になる。女中と二人暮しのお玉は大学生の岡田を知り、しだいに思慕の情をつのらせるが、偶然の重なりから二人は結ばれずに終る…。極めて市井的な一女性の自我の目ざめとその挫折を岡田の友人である「僕」の回想形式をとり、一種のくすんだ哀愁味の中に描く名作である。