小説むすび | 著者 : 瀬尾まいこ

著者 : 瀬尾まいこ

夏の体温夏の体温

出版社

双葉社

発売日

2022年3月17日 発売

「出会い」がもたらす「奇跡」を描いた全3篇 ■「夏の体温」 2002年刊行、瀬尾さんのデビュー作『卵の緒』で描かれたのは、小学生男子の視点で綴った「親子の絆」。 それから、およそ20年を経て生み出されたのは、同じく小学生男子の瑞々しい「友情」物語です。 瀬尾さんご自身も「久しぶりに小学生の物語を書きました。子どもがいる空間は生き生きしていて、書いている間、とても楽しかったです」とコメントしている思い入れのある表題作です。 <あらすじ> 夏休み、小学3年生の瑛介は血小板数値の経過観察で1ヶ月以上入院している。 退屈な毎日に、どうしたっていらいらはつのる。 そんなある日、「俺、田波壮太。3年。チビだけど、9歳」と陽気にあいさつする同学年の男子が病院にやって来た。低身長のための検査入院らしい。 遊びの天才でもある壮太と一緒に過ごすのは、とても楽しい。でも2人でいられるのは、あと少しだ──。 ■「魅惑の極悪人ファイル」 「物語に悪い人がほとんど出てこない」ことがよく知られている瀬尾さんの作品に、どんな悪人が、どのように登場するのでしょうか。 瀬尾さんならではの「極悪人」をお楽しみください。 <あらすじ> 容姿にコンプレックスを抱く、内向的な大学生の早智。だが大学1年生の時に発表した小説が文学賞を受賞し、にわかに注目を集める。 そして3作目。執筆に苦戦し、それまでの作風とは異なった「悪人」を主人公にした小説に挑む。 そのモデルに選んだのが、腹黒いと周りから言われている男子学生、倉橋だった。早智が取材を進めてゆくと……。 ■「花曇りの向こう」 中学1年生の国語教科書に掲載された掌編。 この度、単行本初収録作品となります。 装画を手がけた人気漫画家・イラストレーター、カシワイさんの描き下ろし挿絵付きです。 まるで教科書のように、文章と挿絵をあわせて堪能していただけるかと思います。

夜明けのすべて夜明けのすべて

出版社

水鈴社

発売日

2020年10月22日 発売

知ってる? 夜明けの直前が、一番暗いって。 「今の自分にできることなど何もないと思っていたけど、可能なことが一つある」 職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。 山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。 互いに友情も恋も感じていないけれど、おせっかいな者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになるーー。 人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。 生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。 本屋大賞受賞後第一作。水鈴社創立初の単行本、渾身の書き下ろし。 『夜明けのすべて』刊行にあたって いつもは楽しい楽しいと小説を書いていた私が、立ち止まってはゆっくり書きました。  そのぶんいつまでも登場人物を見守っていたくなるかわいい作品になりました。  人生は想像より厳しくて、暗闇はそこら中に転がっていて、するりと舞い込んできたりします。でも、夜明けの向こうにある光を引っ張ってきてくれるものも、そこら中にきっとあるはずだと思いたいです。  いつも本が完成して思うことは、「楽しく読んでもらえることが一番だ」です。その思いは今回も変わりませんが、『夜明けのすべて』を読んでくださった方が、ほっとできる一瞬を味わってくださるのなら、明日を待ち遠しいと思っていただけるなら、幸いです。 瀬尾まいこ 【著者プロフィール】 1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。他の作品に『図書館の神様』『強運の持ち主』『優しい音楽』『あと少し、もう少し』『傑作はまだ』など多数。

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