著者 : 玉田誠
デジタル機器に囲まれた日常の疲れを癒し、本来の人間性を取り戻す「デジタルデトックス」のために孤島にやってきたメンバーが次々に死を遂げる。偶然その場に居合わせたミステリ作家がそのすべてを目撃するのだが、なぜかメンバーたちの目には彼の姿が映らないらしい…。中華系マレーシア人の女性作家がミステリ界の巨匠・島田荘司氏が提唱する21世紀本格に応えて放つ“21世紀の十角館”!第7回金車・島田荘司推理小説賞受賞。
台湾人と日本人の刑事コンビが難事件に挑む!日本統治下の台湾。野球愛好家の集まり「球見会」の会員二名が、同じ夜に別々の列車の車内で死体となって発見された。その頃、台湾球界に現れた希代の逸材・大下弘を巡って東京六大学OBたちによるスカウト合戦が繰りひろげられていた。台北南署の本島人(台湾人)刑事・李山海は相棒の北澤とともに球見会メンバーのアリバイと動機を洗い直していく。果たして事件の動機はスカウト合戦の軋轢なのか、それともー。第6回金車・島田荘司推理小説賞。
恐怖小説の匠・三津田信三が描いた怪異が、海を越え、伝染し、やがて驚愕の真相に辿り着く。日本、台湾、香港を繋ぐ不気味な儀式。宿願が成就するそのとき、何が奪われるのか…。
ネットいじめを苦に女子中学生が自殺。姉のアイはハイテク専門の探偵アニエの力を借りて、妹の死の真相に迫るー。『13・67』の著者がいま現在の香港を描き切った傑作ミステリー。著しい貧困の格差、痴漢冤罪、ダークウェブ、そして復讐と贖罪。高度情報化社会を生きる現代人の善と悪を問う。
六年間の記憶が一夜にして消えた。刑事である自分に一体何が起こったのか?昨日まで追っていた事件は解決済み。納得できず香港の喧騒の中を駆ける男の前に、驚愕の真相が。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。「13・67」でミステリ界を席巻した著者の、これが衝撃の長編デビュー作。アジアの鬼才、ここに現る!
香港西区警察署の許友一巡査部長は、ある朝、マイカーの運転席で目が覚めた。酷い二日酔いで、どうやら自宅に帰らず車の中で寝込んでしまったらしい。慌てて署に向かったが、どこか街の様子がおかしい。署の玄関も改装されたように様子が変わっていて、ポスターを見ると2009年と書いてある。「馬鹿な、昨日は2003年だったのに!?」許巡査部長は一夜にして6年間の記憶を失っていた。呆然とする許だが、ちょうどそこに女性雑誌記者・蘆沁宜が現れ、許が昨日まで捜査していた夫と妊娠中の妻が惨殺された事件の取材で、許と会う約束をしたという。6年前の事件の真相と己の記憶を追い求める許の捜査行が始まる。奇想天外な発端と巧妙なプロットで圧倒的な支持を受け、第2回島田荘司推理小説賞を受賞。香港の鬼才が放つアジア本格の決定版。
精神科医でミステリー作家の藍霄が受け取ったメールは、周囲の人間が突然自分のことを知らないと言いだす、奇怪な体験を訴えていた。王明億と名乗る謎の差出人はさらに、自分は七年前の未解決密室殺人事件の犯人であり、それには藍霄も関わっていた、と言う。数日後、発見された浮浪者の首切り死体が王明億のものと判明、苦境に立たされた藍霄を救うべく、友人の秦博士と李君が事件解決に乗り出す。幻想的な謎と強烈な不可能興味。台湾ミステリーの最前線をリードする、鬼才の異形の本格ミステリー。