著者 : 田辺聖子
これが日本の恋愛小説の底力。 田辺聖子「最高傑作」3部作 復刊第3弾! 人は自分が愛したもののことは忘れても、自分を愛した人のことは忘れない。 結婚生活から「出所」して、ふたたび1人に。乃里子、ピッカピカの35歳。
これが日本の恋愛小説の底力。 田辺聖子「最高傑作」3部作 復刊第2弾! 結婚→離婚。乃里子33歳。わたしの私的生活は、彼に侵されてしまった。 「愛してる」よりも「もう愛してない」と告げることの、難しさ。
これが日本の恋愛小説の底力。田辺聖子「最高傑作」3部作 30年の時を経て復刊第1弾! 愛してないのに気があう剛。初めての悦楽を教える大人の男、水野。恋、仕事。欲しいものは手にいれた、31歳の乃里子。でも、唯一心から愛した五郎にだけは、どうしても、言い寄れない。 女たちに読み継がれ男たちを震撼(?)させた快作、復刊! <女> ●復刊!? やった! 読ませたい人がいっぱい!(33歳 独身 婚約中) ●最近つくづく、「好きな人ほど言い寄れない」って、わかる……(35歳 独身 彼氏微妙) ●そういえば、私の本棚にある。ずっとある。(42歳 既婚 彼氏あり) ●何十回読み返しただろう。そのたびに発見して共感して、怖いくらい揺さぶられる。こんな小説はほかにない。(35歳 既婚 彼氏なし) <男> ●こんなの10代で読んでたの!? ……女にはかなわねー……(34歳 既婚 彼女なし) ●……色っぽい小説だね。へえ こういうの好きなんだ。(41歳 既婚 彼女あり) ●30年前に書かれたとは思えない。我々はこれで現代の女性を勉強すべきだ。(62歳 離婚 彼女あり)
四世代の大家族の中で天真爛漫に育つ花岡写真館の娘・町子は好物の芋料理「なんばさつま」と同じくらい小説好きの文学少女。太平洋戦争で日本の勝利を信じながらも敗戦を迎えた町子は生まれ変わった時代の中で新たな価値観を見出し、小説家になるという夢を実現する。その一方で、ひょんなことから出会った町医者・徳永健次郎と大人の恋を育んでいたが、やがて結婚へと発展。嫁いだ先はなんと舅・姑・小姑・五人の子供のいる九人家族の大所帯だった。家事、育児、作家活動という目まぐるしい生活の中、次々と起こるハプニング。しかし、明るいキャラクターとみなぎるパワーを持つ町子はへこたれることなくそれら一つ一つに全身全霊でぶつかっていく。食べること呑むこと書くこと、そして人を愛することが何よりも好きな、楽天女性の波乱万丈に満ちた一代記。
高級なモンが食べたいわけやない。おでん、きつねうどん、すきやき、お好き焼き、くじら、たこやき…なのになかなか理想の味に出会えない。せつない。それだけに、それに出会えたときのしあわせ、気の合う異性と顔寄せて「うまいなあ」と言葉かわしながら食べるときの心の弾みは…。人生練れてきた年頃の男の切なさと心ときめきを描く、極上の連作小説集。
女学生のバイブル『花物語』から、晩年の『女人平家』まで。吉屋信子の半世紀をこえる小説世界に、明るい無常感がため息のように吹き渡る。そしてまた、女性への深い愛と、風趣に富む男性像…。「私は少女時代から吉屋さんの熱烈なファンであった」と告白する著者ならではの実感的な吉屋信子伝。
車椅子がないと動けない人形のようなジョゼと、管理人の恒夫。どこかあやうく、不思議にエロティックな関係を描く表題作のほか、さまざまな愛と別れを描いた短篇八篇を収録した、珠玉の作品集。 お茶が熱くてのめません うすうす知ってた 恋の棺 それだけのこと 荷造りはもうすませて いけどられて ジョゼと虎と魚たち 男たちはマフィンが嫌い 雪の降るまで
ハイミスおばさんにせまられまくる優柔不断な青年、浮気な年下男を思い切れない三十女、キャリアウーマンがたまたま第一回目の見合い相手に出会うがまたもやケンカが始まり…。うまくいきそうでいかない、駄目に見えてそうでもない男女の仲を描いて冴えわたる、著者会心のナニワのラブ・ストーリー六篇。
私も、齢八十になって悟ったのだ。生かしたろ、と神サンがいいはる限り、生きてやろう。やりたいことをし、会いたい人にも会う。老いては子に従わない。若い人には合わせない。今日はお習字、英会話、明日は社交ダンスにスイミング。老いてこそ勝手に生きよう、今こそヒト様に気がねなくー。息子たちの心配をよそに、いよいよ元気いっぱいに生きる歌子サンの人気シリーズ最終巻。
江戸の荒奉公で苦労の末、好きな俳諧にうち込み、貧窮の行脚俳人として放浪した修業時代。辛酸の後に柏原に帰り、故郷の大地で独自の句境を確立した晩年。ひねくれと童心の屈折の中から生れた、わかりやすく自由な、美しい俳句。小林一茶の人間像を、愛着をこめて描き出した傑作長編小説。田辺文学の金字塔。
平安王朝の宮廷ドラマの華麗な覇者、光源氏の、因果応報ともいうべき秘められた業を背負って生れた、もの静かな貴公子・薫。彼を敬愛するがゆえに、その切実な求愛に応えることを拒みとおして逝った大君。運命の恋人たちの愛は、さらに変転しながら、川をくだる…。流麗な文章と巧みな構成を以て、世界の古典を現代に蘇らせた田辺版・新源氏物語、待望の完結編「宇治十帖」上巻。
大君亡きあと中の君への情念にもだえる薫の前に現れたのが、中の君の異腹の妹・浮舟であった。彼女は薫に惹かれる一方で、色好みの匂宮とも通じ、恋の板挟みに思い悩んだ末に霧ふかい宇治川に身を投げるが…。極限の愛を余すところなく描いて、圧倒的な感動をよぶ田辺版・新源氏物語、堂々の完結編「宇治十帖」下巻。
女には年齢の数だけ花が咲く。花の数だけ夢が咲くー78本の花束を抱いて香り高く華やいで生きる、愛しのシルバーレディ歌子サン、清く正しく美しくをモットーに、口八丁手八丁、歌って踊って大活躍!『姥ざかり』『姥ときめき』に続くお馴染みのシリーズ、待望の第3部。
貴族のお姫さまなのに意地悪い継母に育てられ、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられている、おちくぼ姫と青年貴公子のラブ・ストーリー。千年も昔の日本で書かれた、王朝版シンデレラ物語。
うまいもの(しかも安くて)を二人で食べて、「うまいな」「おいしいね」と言い合えるのが、人生の幸福というもの。おでん、すきやき、たこやき、てっちり、きつねうどん…おいしいタベモノを前に、ときめく男女の以心伝心。味わいながら、笑ったり、しゃべったり。御馳走と人の情を豊かに描く、極上の小説集。
ときめく心を持ち続ければ、年とることなど怖くない!若き日に苦労した分思いきり楽しまなけりゃ、いったい何の人生か。年寄りは年寄りらしくの声にもめげず、思う存分老後をエンジョイする77歳歌子サン。1人マンションで優雅に暮す歌子サンの周りには、今日も様々な出来事が持ち上る…。いつまでもときめきを忘れずに生きる歌子サンの大活躍を描いた連作短編シリーズ第2弾!