著者 : 真山仁
派閥の瓦解した与党総裁選の先行きは誰にも読めない。ただ一人、“当確師”を除いては。当選確率99%を誇る選挙コンサルタント、聖達磨。現与党の次期総裁選が近づき、続々と議員が候補に名乗り出る中、彼が参謀を務めることとなったのは、新時代のリーダーと目される政治家・本多さやか外相だった。時を同じくして、新聞社のベテラン記者が静かに動き出す。聖も関わりのある、22年前に起きた大疑獄の可能性を秘めた事件に迫るために…。
エネルギーの新時代を予言する政治経済小説の最高峰!脱炭素、脱原発が叫ばれる現代。若手議員の仁科良一は、安定した再生可能エネルギーである地熱発電の普及に燃えていた。そんな中、仁科が推進していた大規模地熱発電所の開発が凍結されてしまう。その裏には巨大なエネルギー利権をめぐる策謀があった。長年の悲願である開発を再開し、さらに、従来の地熱発電をはるかに超える夢の新技術「超臨界地熱発電」を実現させるため、仁科が繰り出した秘策とはー。
東都大学工学部の早乙女賢一教授は画期的な光量子コンピューター開発において、世界最先端の位置にいた。スーパーコンピューター開発に固執し、研究費を削る日本を見限って、シンガポールと共同開発プロジェクトを現地に立ち上げる。その計画「オペレーション・夜明け」を牽引するのは、かつて凄腕商社マンとしてアジアで活躍するも、挫折を味わった望月嘉彦。元通産審議官にして日本産業振興の裏業師と呼ばれた天童寛太郎は沈みゆく経済大国ニッポンが起死回生を遂げるためにこの計画を利用しようとしていた。早乙女教授の研究は潤沢な資金と設備によって順調に進んでいたが、世界を変えるコンピューターを巡り、大国間の謀略が始まる…。
2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだった。しかし、担当検事の冨永真一は不審を感じ、自ら捜査に乗り出す。ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで軍事基地が集中する沖縄では、抗議デモが巻き起こる…。かつてない臨場感で沖縄の姿を炙りだす、冨永検事シリーズ第三弾にして最高傑作!
「法律を知らないと不幸になる」と医師の側に立ち、法律問題や医療過誤訴訟を闘っている異能の弁護士・雨守誠に、ある日総合病院から依頼が入った。急死した2歳児の両親に医療過誤で訴えられそうで、病院と医師を弁護してほしいというのだ。救えなかったら医師が悪いのか?-自身の信念に基づき、雨守は医療現場の矛盾や不条理に斬り込んでいく。弁護士の執念を描き切る法廷サスペンス。
民主主義は、国を豊かにし、明るい未来をもたらすのか。軍事政権下の東南アジアの国・メコンから日本に留学したピーター・オハラは、大学で政治活動に情熱を注ぐ犬養渉と知り合う。祖国メコンを民主化するため、父・ジミーが大統領選に出馬することを知ったピーターは、父の選挙を応援するため、渉とともに帰国する。一方、人々の期待を一身に背負い、ジミーが帰国するがー
阪神・淡路大震災で被災し、妻子を亡くした小野寺徹平。東日本大震災で被災した東北の小学校に応援教師として赴任し、二年を過ごした小野寺は、神戸へ戻り、教え子の相原さつきが代表を務めるNPO法人の活動に奮闘していた。震災で起きたことを語り継ぐ活動を通じ、被災地復興の主役はその土地でこれからの人生を歩む若い世代であるとの思いを強くする。その一方で、住宅、五輪、ボランティア、産業誘致など「復興」の掛け声の下で生じる新たな課題。俺は何をするべきかー小野寺がたどり着いた、ひとつの結論とは。震災三部作、完結!
日本最強の選挙コンサルタント・聖達磨ー人呼んで「当確師」。人柄は最低、依頼料は高額、それでもこの男が動けば当選間違いなしの聖に、新たな依頼が舞い込んだ。強権的な岳見勇一総理大臣を、その座から引きずる下ろすため、選挙区で落とすというミッションだ。一方、岳見総理は地元で、少年から「里山を壊さないでください」と問い詰められて話題となる。選挙区内にある湖に、NASAとの共同研究所を誘致する計画があるという。この少年こそ総理への刺客の適任者!だが、少年には、被選挙権がない。どうする、聖!?
脳細胞を蘇らせる人工万能幹細胞「フェニックス7」それは人間の尊厳を守るために生み出されたはずだった。国家戦略の柱としたい日本政府は一刻も早い実用化を迫る。再生細胞による医療が普及すれば、人は永遠の命を手に入れるかも知れないー。しかし、本当に細胞は安全なのだろうか。
国家間の競争に巻き込まれてゆく「フェニックス7」、研究施設周辺では謎の失踪事件が頻発していた。真相を追う刑事はその全貌に戦慄する。果たして、生命の神秘という神の領域に、我々は拙速に突き進んでよいものだろうか。
特捜検事・冨永真一のもとに、初の女性総理候補、越村みやび厚労相に関する情報提供者が現れる。超高齢社会に突入する日本。福祉行政の隙間で利権を狙う者、政界の権謀術数、ぶつかり合う検事と記者それぞれの正義。息もつかせぬ物語の結末は!?『コラプティオ』『売国』に続く「権力と正義」シリーズ第三弾!
凶弾にに斃れた選手は、日米韓の安全保障を根幹から揺るがす情報を掴んでいたー。デビュー以来、社会問題に真っ向から切り込み、骨太でエンターテインメント性を兼ね備えた作品を発表し続けている著者の、王道謀略小説!
カジノ誘致に失敗し、身を滅ぼした元町長の鈴木一郎は、総理官邸前で「大嘘つき!」と叫んだ。東西新聞社の記者・結城洋子は、彼の境遇を知り、統合型リゾートの暗部を探る。だが、社の内外で無数の壁に阻まれ取材は難航。一方、華やかな表舞台の裏側では、それぞれの思惑を抱えた政治家や外資系企業が蠢いていた。記者たちは矜持にかけて、闇に潜む真相の解明に挑む!
莫大な報酬と引き換えに、当選確率99パーセントを約束する敏腕選挙コンサルタント・聖達磨。「当確師」とも呼ばれる彼への今回の依頼は、大災害に備えた首都機能補完都市に指定された高天市の市長選で、圧倒的支持率を誇る現職を倒すこと。裏切り、買収、盗聴、恫喝なんでもあり。著者が政治の世界を描ききった選挙版「ハゲタカ」!
天才発明家の藤村が急逝した。芝野に事業再生家として歩むきっかけを与えた恩人だった。彼の遺した町工場は経営危機。芝野は専務を引き受け、再生に乗り出す。地元の金融機関やファンドに翻弄され、苦境の渦に。鷲津をも巻き込んで芝野は捨て身の最終戦を仕掛ける。もうひとつの「ハゲタカ」ストーリー!
官邸は迷走、首都電は責任回避に奔走。原発メルトダウンの危機は確実に進行する。表向き救世主として振る舞う鷲津の本当の狙いは?権力者たちの疑心暗鬼は膨れ上がる。無論、生半可な救済など許さない。絶対不可能のはずの「国策企業」の買収を、現実に起こりうるものとして描くドラマ、驚愕の結末!
電力事業ほど儲かるビジネスはないー。国から特別待遇を与えられ、「絶対に損をしない」収益構造を持つ電力業界に狙いを定めた鷲津の前に立ちはだかるのは、日本経済構造の暗部に蠢く権力。それでも、総本山「首都電力」に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月。東北を未曾有の地震、津波、原発事故が襲う。まさに国家存亡の危機。ハゲタカはどう動くか?