著者 : 真藤順丈
ジョセフ・ジョースターの〈波紋〉の師・リサリサが、スピードワゴン財団を従えて、中南米のジャングルを舞台に〈スタンド〉の起源をめぐる冒険へと旅立つ! 第二部と第三部の狭間に秘められた〈波紋〉から〈スタンド〉へと至るその神話を、直木賞を受賞した傑作小説『宝島』の著者・真藤順丈が中南米の香りを纏わせた魔術的文体で描くジョジョ外伝! リサリサを軸に展開される波紋バトル、そして新たなる力を持つ敵との遭遇。彼女の旅にはスピードワゴン財団をはじめ縁深い人物も結集し、物語はすべてを圧倒するような驚愕のラストへ! 「JOJO magazine」にて好評連載された内容に著者自ら言葉を繊細に磨いて新たな息吹を注ぎ、リサリサのその勇姿を「エイジャの赤石」のように赤々と輝く豪華装丁で魅せる、ファン必読のノベライズ!! 一九七三年、グアテマラ。街が聖週間の祝祭で大いに沸き立つ中、その陰で〈見えざる銃弾〉による謎めいた連続殺人が恐怖の影を落としていた。この不可解な事態にスピードワゴン財団が調査に乗り出す。老いを重ねながらもその精神は不屈、財団顧問にして無双の〈波紋使い〉エリザベス・ジョースター、通称リサリサは、血気に満ちた若者オクタビオと慈悲深い心を持つ青年ホアキンを伴って未知なる力を追う。そこで彼らが目にしたのは〈波紋〉とは一線を画す〈驚異の力〉だった。中南米のどこかに潜む首謀者が特殊な〈矢〉を使って、この恐ろしい能力を引き出しているというのだ。彼らの旅はペルーからブラジルを経て、ついには神秘に包まれたジャングルの最も深くへと至り、そこでリサリサはある〈奇跡〉と邂逅する…。 【著者略歴】 真藤順丈 (しんどう・じゅんじょう) 1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞。その他の著書に『畦と銃』『墓頭』『われらの世紀』などがある。 荒木飛呂彦 (あらき・ひろひこ) 1960年宮城県生まれ。1980年『武装ポーカー』で第20回手塚賞に準入選し、同作で週刊少年ジャンプにてデビュー。1986年から連載を開始した『ジョジョの奇妙な冒険』は世界的な人気を誇る。その他の作品に『岸辺露伴は動かない』シリーズ、『魔少年ビーティー』『バオー来訪者』などがある。
一九二三年、大震災による未曽有の被害で帝都は壊滅状態にあったー。不安と恐怖から人心は乱れ、治安は荒れるばかり。さらに、その混乱に乗じて陸軍が胡乱な動きを見せる。果ては、致死の感染症の恐怖もひたひたと忍び寄り…。今まさに瓦解せんとする首都を救うため、集められたのは…竹取の翁、光源氏、坊っちゃん、伊豆の踊子・薫、半人半虎の李徴ら、日本文学が生んだ名キャラクターたちだった!?決して交わるはずのない面々が、それぞれの物語世界から躍り出て、一致団結。絶体絶命の東京を舞台に大立ち廻り!彼らは無事、帝都を守り抜けるのか?奇想天外、摩訶不思議。圧巻の一大文学エンタテインメント。
あなたの心が滅んでしまわぬように。再生の予感に満ちた、失われゆくものの小説群。十人の人気作家による絶滅モチーフの新作短編集。
ただ街を映すだけのライブカメラは、嘘のない「正しい」世界…。パンデミック下の孤独な者たちの群像劇。(『ただしみ』)。コロナ禍の新たな日常を送る、育ち盛りの中学生・玲奈のもとに、ある日突然おとずれた「濃厚接触」の知らせ(『腹を空かせた勇者ども』)。顔の見えない「ジェントルマン」の声に従い、反ユートピアの物語を紡ぐ男がくわだてる、脱ディストピアの叛乱(『オキシジェン』)。感染症を世界へ巻き散らすことを計画する組織“臆病なテロリスト、臆病な殺人者”に志願したわたしが出会った、究極の人工美を備えた女・アイラ(『MINE』)。死者は活発に人肉を求め、生者が死んだように隠れて暮らす世界で、ぼくは飼い猫を探す旅に出た(『天国という名の猫を探して悪魔と出会う話』)。最前線の作家たちが贈るもうひとつのパンデミック。
日本を訪れたドイツ軍人とある“侍”が熾烈な戦いを繰りひろげる「一九三九年の帝国ホテル」。北の大地で使命を負った女性たちの矜持と運命を活写する「レディ・フォックス」。芸に打ちこむあまり加速度的に心身を崩壊させる漫才師を描いた「終末芸人」など、洋の東西を問わず、昭和、平成、令和の百年をつらぬいて生き抜くひとびと=「われら」の人生模様を、『宝島』で直木賞を受賞した真藤順丈が凄まじい熱量で描きだす作品集。
人生の大半を路上で過ごしてきた、ろくでなしの青年・グン。妻・娘とともに施設に入所した桧山優作が、幼い息子だけを置き去りにしたのは何故なのか。心象風景=“道”を歩いたグンは、驚愕の真実に突き当たる…。古より存在する「歩く者」たちと、世界の壮大な意味。圧巻のラストへと導かれる異次元ロードノベル。
「警察官だって怖いものは怖いんだよ」。職務質問と巡回連絡が大好き、管轄内で知らない事があるのが許せないシド巡査の下には奇妙な事件が呼び寄せられる。通り魔連鎖、謎の多世帯居住ロッジ、十数年未解決のシリアルキラー。普通の人が暮らす街の片隅に怪物の巣食う奈落が密かに口を開けている。悪意のスパイラルを追い続けた果てにシドが辿り着くのは。新人賞4賞&山田風太郎賞受賞の奇才による異色の警察官サイコ・ミステリ。
英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになりー同じ夢に向かった。超弩級の才能が放つ、青春と革命の一大叙事詩!!
職務質問と巡回連絡が三度の飯より大好きで、管轄内で知らないことがあるのが許せない、良く言えば“街の生き字引”、率直に言えば“全住民へのストーカー”。ある街のある交番で住民を見守るシド巡査のもとには、奇妙な事件が呼び寄せられる。魔のバトンが渡されたかのように連鎖する通り魔事件、過剰すぎる世帯数が入居したロッジ、十数年にわたって未解決のご当地シリアルキラー。市井の片隅には、怪物の巣食う奈落がひそかに口を開けているー。4冠受賞の鬼才が放つ驚愕のサイコ・ミステリ!
双子の兄弟のなきがらが埋まったこぶを頭に持つ彼を、人々は“墓頭”と呼んだ。数奇な運命に導かれて異能の子どもが集まる施設に入ったボズは、改革運動の吹き荒れる中国、混迷を極める香港九龍城、インド洋孤島の無差別殺人事件に現われ、戦後アジアの暗黒史で語られる存在になっていく。自分に関わった者はかならず命を落とす、そんな宿命を背負った男の有為転変の冒険譚。唯一無二のピカレスクロマンがいま開幕するー。
茅葺き屋根が寄り合う退屈な村・ミナギ。あくどい手段で村を変えていく地主と“ネオ農”との壮絶な争いを描く「拳銃と農夫」。林野庁の女性職員が樹上で叫び訴える「第二次間伐戦争」。謎の襲撃者から牧場を守るティーンエイジャーの「ガウチョ防衛線」。疾走感抜群の文体で活写する、縮みゆく村の抵抗と再生の物語。
死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。父の七回忌を機に、当代の遺工師である長男・正太郎のもと久々に三兄弟が集まる。再会を喜ぶ正太郎だが、次男の久就は都会生活に倦み、三男の毅巳も自分の中の暴力的な衝動を持て余していた。さらに彼らに、かつてなく難しい「依頼」が舞い込んでー。ホラー小説の最前線がここに!第15回日本ホラー小説大賞受賞作。