著者 : 矢口誠
いまから二十年か三十年か四十年くらいまえ、ぼくがまだほんの子供だったときのこと、小さな田舎町に住んでいたぼくはミセス・ニュージェントにやったことが原因で町のやつらに追われていた。1960年代初頭のアイルランド、飲んだくれの父と精神不安定な母のもとで、フランシー・ブレイディーは親友のジョーと共に愉快な日々を送っていた。そう、ミセス・ニュージェントから「あんたらはブタよ!」という言葉を浴びるまでは…あらゆる不幸に見舞われて、やがて“肉屋の小僧”となったフランシーが狂気と妄想と絶望の果てに見い出したものとは何か?この世の美しいものなんてどれもこれもすべて嘘なんだ。センセーショナルな内容ゆえに物議を醸し、アイルランド版“ライ麦畑でつかまえて”+“時計じかけのオレンジ”と称され映画化もされた伝説の問題作がついに邦訳。ブッカー賞最終候補、エア・リンガス文学賞受賞。
ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても、自身の生活や夫婦間問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない(そして小説は延々と1章25ページが繰り返される!)。ある日、書きかけの原稿が原因でエドは思いもよらないトラブルに巻き込まれることになる…コメディ・ミステリの巨匠ウェストレイクによる、仕掛けに満ちた半自伝的&爆笑のメタ奇想小説がついに邦訳!(1970年作)
ポーカーで1万1千ドル大敗し、マフィアに追われる天才数学者ケイン。だがその時、彼を悩ませていた神経失調が、驚異の「能力」に変わった。それを狙う政府の秘密機関と女スパイ。彼らが権力を駆使して追う「能力」とは?執拗な追手にケインはどう立ち向かうのか?幾つもの物語が絡み合う超絶ノンストップ・サスペンス。
数学者ケインとCIA工作員ナヴァ。窮地に陥った二人の共闘に、戦闘のプロが動員され、捕捉作戦は激化した。非力な民間人にすぎないケインの唯一の「武器」が引き起こす、ありえない連鎖反応。炸裂する伏線また伏線、予想を裏切る拷問と人体実験。長く壮絶な戦いの行方は?世界が興奮した徹夜必至の傑作。
破滅寸前の天才数学者ケイン。彼を悩ませる謎の神経失調には大きな秘密があった。それは、世界を根底から揺るがす「能力」の萌芽だったのだ。それを狙い、政府の秘密機関“科学技術研究所”が動き出し、その権力を駆使してケインを追いはじめた。なぜ彼らはケインを追うのか?彼らが狙うケインの「能力」とは何なのか?そして科学者トヴァスキーが進める「研究」の目的とは?執拗な追手から逃れつつ、ケインはその謎に迫ってゆく。いくつもの物語が謎をはらんで一斉に疾走、ここに前代未聞のアイデアを仕込んだジェットコースター・サスペンスが幕を開ける。第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作。
数学者ケインとCIA工作員ヴァナー。圧倒的窮地に陥った二人が共闘を開始した。一方ケインを追うフォーサイス博士も戦闘のプロを動員、火力とマンパワーを増強して捕捉作戦を過激化させる。これで役者はそろった。すべての布石の配置は完了した。強大な敵に追いつめられたケインの「能力」は、ついに発現する。非力な民間人にすぎない彼の唯一最大の武器が発火するー確率的にありえない連鎖反応を引き起こし、やつらの包囲網を突破するのだ。すべての物語はここに至って一点に集中し、炸裂する伏線、伏線、伏線。つぎつぎに明かされる意外な真実。そして、この長く壮絶な戦いの「目的」とはいったい何なのか?未曽有の超絶的サスペンス、結末へ向けて全力疾走を開始!第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作。
高校卒業以来、他人を騙し、裏切り、蹴落とすことでスーパー・エリートとなったヘンリー。だが、自分を捨てた恋人を見返すべく戻った故郷で、彼女が当時、死期が近いとすでに悟っていたことを知らされる。絶望感に包まれ、ホテルのバルコニーへと歩を進めるヘンリー…と、その背にメイドの声。「すべてにきっちり片をつければいいのよ」こうして彼女との奇妙な贖罪ツアーが始まった。
ミステリー界の巨匠ローレンス・トリートが生みだした、謎解きクイズの新機軸!読者のみなさんにあたえられるのは、犯行現場や証拠品を描いたイラストです。これをじっくりと観察し、質問にひとつひとつ答えていきましょう。すべてを解決できれば、そのときあなたには、真犯人が誰かがわかっているはず。ただし、そのためには目と頭脳の働きが必要です。はたして、あなたは、名探偵になれるでしょうか?長年にわたって全世界で愛されたミステリー・パズル。あなたの挑戦をお待ちしています。
ある日、偶然に見つけた思い出の少女の写真。彼女は今どうしているのだろうか?そのちょっとした好奇心はいつしか憑かれたような思いに変わり、ダニーはわずかな手掛かりを追って彼女の足跡を辿り始める。この青年の物語と交互に語られていくのは、ある悪女の物語。二人の軌跡が交わるとき、どんな運命が待ち受けているのだろうか?サスペンスの魔術師の代表作がついに登場。