著者 : 西村京太郎
アマチュア無線を楽しむカメラマン野口浩介の無線機に、午前二時になると決まって弱々しい救難信号が送られてきた。調査の結果、南太平洋のトラック諸島で沈没した潜水艦・伊号五〇九から発信されたものだったのだ!そして元海軍中佐の不可解な死!?この艦が積んでいた十億円の金塊の行方は?真相を追って野口は南の島に向かった…!十津川警部シリーズの初期代表作。
「とき403号」で、60代とみられる男性の刺殺体が発見された。解剖の結果、被害者・奥山はメイクをしており、実際は30代だったことが判明する。十津川警部たちは、映画やTV関係を当たり、奥山にメイクを施した、須貝という人物を突き止めるが、彼も秋川で殺害されていた(「とき403号で殺された男」)。その他、十津川の妻・直子が殺人事件に遭遇する「夜行列車『日本海』の謎」など、北陸を舞台にした短編5本を収録。
約束された次期重役の椅子がー!?営業部長の安田は、房総へ愛人とドライブへ出かけた帰途、人身事故を起こしてしまう。出世の危機と不安を抱くが、轢いたのは小柄で貧相な男。これは示談で済む、そう安田は安堵した…。だが、そこには信じられない落とし穴が待っていた。傲慢なエリート男を襲った恐怖とは?(「脅迫者」より)推理小説界の巨人が描くサスペンス傑作集!
京人形に仕込まれた爆弾による殺人事件が東京と京都で起きた。警視庁と京都府警の合同捜査が始まり、十津川警部は人形師・京屋一太郎を重要参考人として指名手配した。しかし、京屋一太郎は来日中のカナダ副首相夫人を誘拐し、名所旧跡の無差別爆破予告と京都の景観改善を要求する脅迫状を京都市長に送ってきた。難事件解決に十津川警部が動いた。
JR西日本の社長宛てに脅迫状が届いた。九月十五日一一時五〇分大阪発の寝台特急トワイライトエクスプレスに爆弾を仕掛けた。爆破を回避したければ、金沢駅到着までに現金一億円を列車内に積みこめ。ただし、金沢までに爆弾を見つけることができたなら爆破はしないという奇妙なものだったのだ。犯人は本気なのか、いたずらなのか?投函場所が東京だったことから、警視庁・十津川警部も捜査に加わることになった。翌日、トワイライトエクスプレスは何事もなく終着の札幌に到着したのだが…。会心の長篇旅情推理!
武蔵野の雑木林で殺人事件が発生。瀕死の被害者は「テン」と呟いて息を引き取った。意味不明の「テン」とは何を指すのか。デート中、事件に遭遇した田島は、新聞記者らしい関心から周辺を洗う。どうやら「テン」は天使のことらしいと気づくも、その先には予想もしない暗闇が広がっていた。第11回江戸川乱歩賞受賞作。
警視庁吉田刑事の留守宅が放火、焼け跡から女性の刺殺体が発見された。愛娘と鹿児島県指宿へ向かう最中の事件だった。被害者のホステスと吉田は面識がないと言う。直後、吉田の愛娘が失踪。“走る密室”九州新幹線から忽然と姿を消したのだ。やがて、黒い噂が浮上し吉田に疑惑の目が…。東京、九州、山陰、各地で仕掛けられた頭脳犯の大掛かりな罠に十津川警部が挑む!
太平洋戦争末期、連合国が発表したポツダム宣言を前に、日本政府中枢は真っ二つに割れていた。受諾降伏か徹底抗戦か。そこに飛び交う謎の暗号名「カナザワ」。この暗号が解明された時、歴史を一変させる予想外の事態が。七十年前の戦争と現代を繋ぐ巨大な謀略に、十津川警部が単身挑む。新機軸の長編歴史トラベルミステリー。
警視庁捜査一課の三田村功刑事は、お遍路旅行に出たまま行方不明になった叔父夫婦を捜すため、従妹の吉田あやかと四国に向かう。旅の途中、二人が乗った特急「しまんと1号」で男が毒殺され、足摺岬では叔父に容疑が掛かる転落死事件が発生する。冴え渡る十津川警部の推理は、絶体絶命の部下を救えるか!?巻末企画・特別連載「寝台特急トワイライトエクスプレスを爆破せよ」。スペシャル・インタビュー、都道府県別データ、わが故郷の駅弁自慢。
十津川警部の妻・直子に、京都K女子大学同窓会の招待状が届く。同期の金井富美が、日本画の賞を受賞したお祝いだという。直子たちは、“椿の君”と呼ばれた富美をはじめ仲良し5人で、美女軍団と称していた。同窓会直前、仲間の三原敏子が殺害される。十津川警部は、同窓生から情報を得るため京都へ向かうが、また軍団メンバーが殺害され…。椿の因縁をめぐる謎を追って、東京、京都、福井を結ぶ推理行。
十二年前、男は地元の大物代議士を惨殺した。犯行は素直に認めたが、なぜか動機については頑として口を割らないまま服役。そして出所の日を迎えたのだ。故郷の会津若松へ帰った彼を襲う度重なる脅迫と尾行。さらに喜多方へと向かうSL列車内で殺人事件が起こり、新たな容疑がかけられてしまう!十津川は、彼が隠し続ける十二年前の殺人の動機へと迫ってゆく。
雑誌編集者の若杉誠は、世界遺産の白川郷を取材したが、その裏に別の目的があった。かの地に伝わる秘薬を入手すること。秘薬をめぐる殺人事件まで起き、十津川警部もかけつけた。錯綜する関係をほぐしていくと、リニア新幹線計画との意外な関係が浮かび上がったー。過去と未来がクロスする社会派トラベル・ミステリー。
十津川班の日下刑事は、叔父で元刑事・黒田信行のマンションを訪れた。黒田の娘から、父と連絡が取れないと相談を受けたからだ。部屋で日下が目にしたものは、何者かの死体だった!さらにその場には「KOKOKU12×4」という謎のメッセージが…。やがて黒田の死体が琵琶湖で発見され、十津川は現場へ飛んだ。が、第三の死体が!?謎が謎を呼ぶ不可解な連続殺人に十津川が挑む!
東京・深大寺の参道でテレビ番組のディレクター、井上美奈子がお遍路姿の絞殺体で発見される。彼女が企画した“お遍路ゲーム”収録目前の出来事だった。翌日、捜査本部に「お遍路の途中で人が殺される」という電話が。徳島に飛んだ十津川はお遍路姿に変装し収録を見守るが、新たな殺人事件が発生する!!巻末に長篇推理「寝台特急トワイライトエクスプレスを爆破せよ」連載!!
江戸川区内の交番に勤務する山中のモットーは、地元の住民と仲良くすること。アパートに住む一人暮らしの老女が、大家とトラブルを起こし、追い出されそうになってしまう。見るに見かねた山中は、妻の勧めで箱根の別荘を購入し、気になっている5名の人たちを住まわせる。別荘に移った後、1人の住人が失踪。さらにもう1人いなくなり…。東京と箱根にまたがる捜査が開始され、十津川警部は、事件を追って箱根に向かう!
殺人罪で六年の刑期を終えた小早川恵太が熱海に帰ってきた。平穏な温泉街に緊張が走る!!そして二週間後、湯河原に住む会計士が何者かに射殺される。そんな折、十津川警部は東京で発生した幼女誘拐事件の容疑者として小早川をマークする。ところが、新たに起きた連続殺人事件が十津川に立ちはだかる!!巻末に長篇推理「寝台特急トワイライトエクスプレスを爆破せよ」連載!!
K美を殺してやりたいー呪いの絵馬を出雲大社に掲げた堀井恵が殺された。ジョギング中に轢き逃げされたのだ。十津川警部らの捜査によって、K美とは、モデルあがりのデザイナー井崎清美と判明。当初、エリートサラリーマン栗田信彦をめぐる三角関係のもつれかと思われたが、栗田が、岡山から出雲へ向う特急「やくも」の車中で毒殺され、事件は予想外の展開を…!?傑作長篇ミステリー。