著者 : 逢坂剛
新選組副長・土方歳三は箱館で落命したーはずだった。頭部に銃弾を受け記憶を失った土方は“内藤隼人”と名を変え、彼を慕う時枝ゆらとともに米国西部へと渡った。元新選組隊士・高脇との決闘の末、断崖から転落した隼人。意識を取り戻した矢先、母子が何者かに襲撃を受ける場面に遭遇する。隼人は、トウオムア(黒い月)と名乗るその母親とともに、さらわれた息子の奪還に乗り出すことになるが…。一方、ゆらの元には、兄である新一郎が岩倉使節団の一員としてサンフランシスコを訪れるという情報が舞い込む。帰国の好機に喜ぶゆらだが、隼人の消息は杳として知れぬままであった。果たして二人は、再び故郷の地を踏むことができるのか?
ギタリストの倉石が、マドリードの古本屋で入手した古楽譜の束。その裏には、十九世紀の文豪ホフマンの行動を辿る謎めいた報告書が綴られていた。倉石の妻・麻里奈の依頼を受け、古閑沙帆はドイツ文学者の本間に、古文書の解読を託すが…。解読が進むにつれて、ホフマンの知られざる人生と共に、彼ら自身にも繋がる不可解な暗合と因縁が浮かび上がる。この古文書は一体ー?予測不能の結末68頁は袋綴じ仕様。
新選組副長・土方歳三は箱館で落命したーはずだった。頭部に銃弾を受け記憶を失った土方は“内藤隼人”と名を変え、彼を慕う時枝ゆらとともに米国西部へと渡った。過酷な旅路、先住民との戦闘、そして隼人の命を狙う女ガンファイターと元・新選組隊士。息つく間もなく迫る危機を退け、失った記憶を取り戻せ!
ひどい嵐の夜、深川扇橋町の酒問屋に押し込み強盗が入った。六人を殺害した極悪非道のこの男、長谷川平蔵ら火付盗賊改方や町奉行所役人の暗殺計画を企てているという。男のもとにひそかに集まったのは、役人に恨みを持つ悪党たち。その噂を聞きつけた平蔵たちも男の正体を探ろうと動き出したのだが…。
元新選組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れたーはずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか?海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
密航者として追われる隼人(土方歳三の変名)とゆらは、西部の大地で離別してしまう。ゆらを探し旅をする隼人は、アリゾナの荒野で先住民の襲撃を受ける。一方、ゆらの前には彼女を追う悪徳保安官・ティルマンが現れ、絶体絶命の危機がー。運命に引き裂かれた二人は、生きて巡り会うことができるのか?巻末に逢坂剛×月村了衛対談を収録。
「人殺しの会社!」八甲製薬の秘書・麻矢は役員室へ訴えに現れた男から、ある写真を託される。男は八甲製薬の白い人工血液製剤「フロロゾル」を輸血されたせいで父親は死んだと説明。写真は白濁した内臓だった。謎の人工血液を巡り、製薬会社の闇に巻き込まれていく女性秘書。新興宗教の影、スペインから逃避行の男女、事件のカギを握る元看護婦長と錯綜する情報。敵か味方か?読み出したら止まらない傑作長編!
人工血液製剤「フロロゾル」の存在を調べていた麻矢は、事件のカギを握る元看護婦長から、静岡・焼津の海岸に呼び出され、行方不明に。麻矢に同行していたカメラマンののぶ代は「フロロゾル」を輸血として代用する病院が、ある新興宗教団体と通じていることを知る。怪しげな産廃処理業者やスペインからの追っ手も絡み、事件は更に混迷を極める。息もつかせぬ展開、全ての謎が繋がった先に待ち受ける、驚愕の結末とは!
■池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まった。 ■2017年、「鬼平」誕生から50年。この記念すべき年に、7人の人気作家が長谷川平蔵を登場人物にして、「鬼平」へ新たな命を吹き込んだ競作短篇集。 ■逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版、そして、土橋章宏は父譲りの料理人と鬼平との味対決、門井慶喜は、流行りものの鰻が嫌いで女が好きな木村忠吾がかかった罠、梶よう子は、平蔵亡き後、火盗改を仰せつかった森山源五郎の回想、と7人7様。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 ■各作品に池波正太郎のカット画を使用。
北朝鮮不正送金疑惑、スポーツジム襲撃事件ー不審な動きが目立つ宗教団体クルパジャ。公安調査庁は団体規制法を視野に調査を始めた。調査官の殿村三春は、教団に対して不正な資金援助が疑われる在日朝鮮人二世の兼松一成を尾行。その最中、兼松は何者かに刺されてしまう。「クズワに渡してくれ」という言葉とともに三春に託されたのは…。情報機関の存在意義に迫る傑作長篇ミステリー。
闇に葬られた殺し屋“百舌”事件。東都ヘラルド新聞社の残間の元に、事の真相を解明する原稿の依頼が舞い込む。警視となった倉木、探偵の大杉ら、当時を知る者への取材を始める残間。組織ぐるみで隠蔽された警察の不祥事を追ううちに、思いもよらない巨大な存在が浮かび上がりー。利権という名のパンドラの箱に手が掛けられたとき、現場に再び百舌の羽根が舞い落ちる。待望のシリーズ第六弾。
岡坂神策の昔馴染みである神保町古書店主の娘、みずえは慢性腎不全を患っていた。人工透析を続ける彼女に、不審な生体腎移植の話が持ち上がる。彼女の実家は近所を含め地上げ屋から悪質ないやがらせを受けていた。一方、岡坂はスペイン文学研究者の理絵に強く惹かれるが、連続婦女暴行魔が脱走した事を知った理絵は急に態度を変えて…。神田界隈を舞台に錯綜する謎に探偵岡坂が挑む。逢坂剛が描く大人のミステリー!
岡坂神策は世話になっている桂本弁護士からある女の調査依頼を受ける。周辺を探っている最中、その女が住むマンションのベランダから男が落ちて死亡するという不可解な事故が起きて…(表題作)。新車開発のスパイ疑惑、義理の母娘関係が招いた殺人事件、外国要人暗殺事件、スペイン近代史における一族の謎など、ハードボイルドの巨匠、逢坂剛が描く大人のサスペンス。「岡坂神策」シリーズの短編集が装いも新たに登場!
一八七五年、アメリカ合衆国アリゾナ。人の命が、銃弾一発より軽い世界。幼い頃に両親が虐殺され、義父に虐待されながらも生きてきた少女。射撃の名手にして賞金稼ぎを生業とする男。記憶を失い、ハコダテから流れ着いたサムライ。偶然出会った三人が賞金稼ぎのチームを組み、凶悪な“お尋ね者”を追う旅に出るはめに…。
一八七六年、アリゾナのとある町。複雑で壮絶な過去を持つ十七歳の少女、記憶喪失のサムライとチームを組んだ、凄腕の賞金稼ぎトム・B・ストーンの元に「仕事」が舞い込んだ。莫大な報酬と引きかえに、十年前、コマンチ族にさらわれた少女を連れ帰ってほしいというのだが…。広大なアメリカを縦断する決死の追跡が始まった。
人前には自らの顔を決して見せない火付盗賊改の頭領、長谷川平蔵。オランダ渡りの秘薬の謎を探り、盗賊を率いる父娘を追う。ある日、自分の父であるという“本所のへいぞう”が訪ね、京から若い女絵師が下って来た…。ハードボイルドの調べに乗せて描く、逢坂版平蔵シリーズ第二弾!吉川英治文学賞受賞作。