著者 : 阿川佐和子
森林破壊、環境汚染、豪雨、温暖化、感染症…自然が暴れはじめた。私たちは今こそ、ニングルの声に耳を傾けなければならない。-倉本聰の「黙示録」復刊!阿川佐和子「『ニングル』に寄せて」を掲載。
忘れられていた「ブータン」は、中学の同級生だった。アラフォーになった彼女は、出会った人たちに幸せを運んでくれている……。 せつなさに胸が熱くなる、女ともだちの物語。 いつの頃からか、私は生涯の友というものを望まなくなった。女はいっときの悩みを共有できるともだちがいればじゅうぶんなのだ……。 四十を過ぎて、そんなことを思っていた頃、伯父の介護に通っていた病院の玄関を出ようとしたら、「覚えてない? この顔」と、嬉しそうに駆け寄ってきた女性がいた。 彼女の名前は、丹野朋子さん。中学の同級生で、昔は存在感ゼロだった。ブタみたいに太っていたので、「ブータン」と呼ばれていた。 アラフォーになって再会した彼女は、ブータンという国に暮らしている人びとのように、世界一幸せ度の高い人間になるというのが、人生の目標になっていた。そして彼女は、夢を実現しているらしい。 ブータンに強引に連れられて、私は生まれて初めてカラオケボックスに行った。深呼吸するように、自分の思いを吐き出していた……。(「ブータンの歌」より) 不思議な存在感のある「ブータン」をめぐって、さまざまな女性たちの人生が交錯する。懐かしい同窓会のような物語。
高校入学を目前に、ふとした異変で昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。愛想なしの祖母を相棒に東京タワーから始まる物語は、出会いと発見にあふれて…。封印されたばあさんの過去。取り返しのつかない出来事を、菜緒は覆すことができるのか!?
結婚十年で離婚し、老父母の暮らす実家に戻った香子。フードコーディネーターとしての新たな人生を歩み出した矢先、母・琴子に認知症の症状が現れはじめる。弟夫婦は頼りにならず、仕事と介護を両立させようと覚悟を決めるが……。 年とともに変わりゆく親子の関係を、ユーモアと人情たっぷりに描き出す!
村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都ーー 当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作! 「彼女」は敵か味方か……微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが 描きだす逸品ぞろいの短編小説アンソロジー。 コワくて切なくて愛しい物語の世界を、ぜひご堪能ください。
転勤で尼崎にやってきた検事・凛々子のもとに汚職事件の告発状が届いた。したたかな相手に取り調べは進まず、凛々子は証拠集めに奔走する。豪快な110番担当の虎子や、こてこての関西弁の青井刑事と協力して捜査を進め、上司にガサ入れの許可を求めるが、理不尽な理由で却下されてしまう。一方プライベートでは、幼馴染みの紹介で知り合った俳優と恋の予感が!?下町育ちの女検事、関西でも『正義』に向かって全力投球!
親友・明日香の記事によって誤審を暴かれ、検事失業のピンチに陥った凛々子。それでも事件の真相を追い求め続けるなかで凛々子は冤罪犯が隠していた別の罪に気づく。ところが被害女性を訪ねたものの門前払いにされてしまい、その裏に明日香がいることを知り…。一方プライベートでは妹・温子の破談に責任を感じた凛々子が大暴走し、神蔵守にまさかの逆プロポーズ!?下町育ちの女検事の成長物語、恋と友情のゆくえはー!
検事5年目に突入した凛々子が担当するのは女性を狙った凶悪事件。女性として絶対に許せない案件に気合十分で取り調べに挑む。一方で同期・順子の恋愛スキャンダルや父の浮気疑惑、はたまた神蔵守からの突然のプロポーズなどプライベートでは恋の波乱続き!被害者や被疑者と向き合った末に自信を持って決断を下した凛々子だが、大トラブルに発展してしまい!?下町育ちの女検事の成長物語、第2弾!
下町の豆腐屋育ちの凛々子は、小学生の時のある事件をきっかけに持ち前の正義感を活かすべく検事になることを決意。ところが、交通死亡事故の案件では被疑者の生い立ちを知って悩み、別の恐喝未遂事件ではチンピラ風の取り調べで大失態!家族や同僚の助けを借りながら、凛々子は手探りで自らの『正義』を見つけ出そうとするが…。新人女性検事が泣き、笑い、決断し、奮闘するー等身大の成長物語がスタート!
むかしむかしのずうっとむかしのこと。イギリスの森でクマのプーは暮らしていました。大親友クリストファー・ロビンと冒険の日々を送っています。風船で体をふわって浮かせて本の上にあるハチミツを取ろうとしたこと。コブタのコブタンのおうちが水浸しになったこと。ついにプーが発見した北極…。ふわりと柔らかく、たまらなく愛おしい。永遠の友情に彩られた名作がいま蘇る。
ものがたりの原点を8人の女性作家が再話! 「ブレーメンの音楽隊」/高村薫、「カエルの王様、そして忠臣ハインリッヒ」「兄さんと妹」/松本侑子、「いばら姫」/阿川佐和子、「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」/大庭みな子、「めっけ鳥」/津島佑子、「赤ずきんちゃん」「つぐみひげの王様」/中沢けい、「星の銀貨」/木崎さと子、「青髭」/皆川博子 200年の時を超えて子どもたちに語り継がれるグリム童話。最近は『マレフィセント』『イントゥ・ザ・ウッズ』『シンデレラ』といったハリウッド映画の題材になるなど、多くのクリエイターにもインスピレーションを与え続けるグリム兄弟の作品は、まさに「ものがたりの原点」と言えます。 本書は、11篇のグリム童話を日本の女性作家8人が再話するユニークな一冊です。遠い昔の童話が現代の視点で生き生きと語られることで、単なるおとぎ話に終わらないグリム童話の持つ奥深さが浮き彫りとなります。 子どもの頃に慣れ親しんだ「ものがたり」たちに、もう一度出会って見ませんか? 【編集担当からのおすすめ情報】 本書にはそれぞれの童話に、19世紀ヨーロッパでグリム童話普及に一役買った「一枚絵」を掲載しています。「一枚絵」とは、江戸時代の瓦版のような安価で大衆的な一枚物の紙メディアです。当時の雰囲気が伝わる美しい絵の数々もお楽しみください。
キーコーヒー株式会社のWEBサイト「書茶」にて二〇〇七年九月十四日より〇八年十月三十日にわたり公開された作品を、単行本化。